傾向解説
一昨年から舞台を京都芝1600m(外)に戻したマイルCS。内回りと外回りが変わるエリザベス女王杯ほどではありませんが、阪神開催時(2020~22年)からの適性変化は把握しておきたいところです。本記事では血統面を中心に、マイルCSのレース傾向を整理していきます。
まず紹介したいデータは3歳馬の成績について。下記データの通り、2000年以前は3歳馬を買うだけでプラス収支を計上できるほどでしたが、2001年以降は一転して苦戦傾向が続いています。これには2000年以前は3歳馬のエイジアローワンスが2kgあったのに対し、2001年以降は1kgに減量したことが関係しており、斤量差がダイレクトに結果に影響を与える成績となっています。
ただ、これは月と距離によって設定されているため、マイルCSとチャンピオンズC以外の古馬混合GⅠでは2kgのエイジアローワンスが継続。近年は競走馬と育成法の早熟化から以前よりも3歳馬の好走は増えていますが、ほかのGⅠよりも3歳馬の好走が難しいことは変わりないでしょう。

<年代別・3歳馬の成績>
1986~2000年【3-5-5-39/52】
勝率5.8%/連対率15.4%/複勝率25.0%/単回収率118%/複回収率113%
2001~2024年【3-2-5-73/83】
勝率3.6%/連対率6.0%/複勝率12.0%/単回収率32%/複回収率40%
また、改修工事後(2020年秋~23年春)の京都芝1600m(外)では7~8枠が好成績を残しています。マイルCSでも2023年は大外枠のナミュールが勝利し、昨年は13番枠から外の馬が3着以内を独占。今年の秋開催も外枠の活躍が目立ち、特に11月に入ってからは6R中3Rで8枠の馬が勝利しています。

<枠番別成績>※2015年以降の京都開催7回
1~6枠【2-5-5-72/84】
勝率2.4%/連対率8.3%/複勝率14.3%/単回収率17%/複回収率37%
7~8枠【5-2-2-29/38】
勝率13.2%/連対率18.4%/複勝率23.7%/単回収率113%/複回収率84%
血統面での注目はハービンジャー。同馬の産駒は繋が緩くギアチェンジが得意ではないため、京都外回りのような馬群がバラけやすいコースが得意な傾向にあります。マイルCSでの4度の好走はペルシアンナイトとナミュールの2頭によるものですが、コース全体でも単複回収率は100%超の好成績を収めています。
その他にもNureyev≒Sadler's Wellsなどの欧州血統の活躍が目立ち、開催後半の荒れた馬場には欧州競馬的な馬力は重要な資質です。特に安田記念との比較では、マイルCSの方が欧州血統馬が走りやすく、春とは微妙に異なる資質が求められる点は意識しておきたいところです。

<ハービンジャー内包馬の成績>※2015年以降の京都開催7回
該当馬【2-1-1-2/6】
勝率33.3%/連対率50.0%/複勝率66.7%/単回収率435%/複回収率220%















