今年から別定戦に
新潟記念は創設された1965年から60年もの間、ハンデ戦として施行されてきた。連覇を達成したのは2010、11年ナリタクリスタルのみ。55キロから57.5キロと斤量を2.5キロ加増されての連覇は立派だ。ハンデ戦では前年覇者が必ず斤量を増やされるため、連覇のハードルが高い。
だが、61回目を迎え、新潟記念は別定戦へと生まれ変わった。シンリョクカの連覇へのハードルは下がるのか。だが、別定でも昨年54キロに対し、今年は56キロを背負い、2キロ増。そうハードルは低くない。
一方で別定戦になったことで、秋までにレース間隔をとりつつ、始動したい有力馬にとって斤量面の心配がなくなった。ハンデ戦の場合、レース当週月曜日に斤量が発表される。登録馬の相対評価で課せられるハンデは、想定外に重いことも考えられる。GⅠに向けて綿密にスケジュールを組む陣営にとって、そうそう計画を変更できない。
ハンデという不確定要素がなくなった新潟記念は、今後、出走馬の顔ぶれや傾向に変化がみられそうだ。その点を頭の片隅に置きつつ、ここからは過去10年のデータを振り返りながら今年の新潟記念を展望する。

ハンデ戦といっても舞台の新潟芝外回り2000mは小細工無用のワンターンコースであり、展開面の紛れが介在する隙間は少ない。人気別成績では、1番人気こそ【1-2-1-6】勝率10.0%、複勝率40.0%だが、2番人気が【4-0-1-5】勝率40.0%、複勝率50.0%と強く、3番人気【0-3-1-6】複勝率40.0%を含め、上位人気が占める割合は高い。
一方で6番人気【2-2-0-6】勝率20.0%、複勝率40.0%、10番人気以下【2-0-4-66】勝率2.8%、複勝率8.3%はハンデ戦の影響も考えられ、今年から傾向に変化がみられるのではないか。

続いて年齢別成績を確認する。菊花賞ないし古馬中距離戦線を狙う3歳は【2-0-1-6】勝率22.2%、複勝率33.3%。ブラストワンピース、ノッキングポイントが勝利をあげた。1、2番人気に推された3歳は【2-0-0-2】。エネルジコは有力候補だろう。
古馬勢は4歳【3-3-3-24】勝率9.1%、複勝率27.3%、5歳【2-4-3-41】勝率4.0%、複勝率18.0%、6歳【2-1-1-28】勝率6.3%、複勝率12.5%と若い順に並ぶ。とはいえ、分母を考慮すると、4歳が断然とはいえず、4~6歳に大きな差なし。
7歳以上も【1-2-2-33】勝率2.6%、複勝率13.2%と好走馬を出す。越後の夏に終わりを告げる新潟記念は世代差がない賑やかなレースだ。

















