傾向解説
札幌競馬2週目に行われる牝馬重賞・クイーンS。2015~19年は開幕週に行われていましたが、2週目に変わった近年も綺麗な馬場状態での開催が続いています。また、2020年1着レッドアネモス(11番人気)など穴馬の激走が多い点も本レースの特徴。本記事では血統面を中心に、クイーンSのレース傾向を整理していきます。
まず紹介したいデータは枠番別成績。1週目開催の頃から継続しているのが内枠有利の傾向です。札幌芝1800mという機動力が求められるコースのうえ、前述の通り綺麗な馬場状態で行われるクイーンSでは、内枠から器用に立ち回る競馬が理想となります。特に1、2枠の成績は特筆すべきもので、今年も内枠を引いた馬には大注目です。

<枠別成績(札幌開催の直近9回)>
1枠【2-2-2-3/9】
勝率22.2%/連対率44.4%/複勝率66.7%/単回収率560%/複回収率323%
2枠【2-2-3-2/9】
勝率22.2%/連対率44.4%/複勝率77.8%/単回収率260%/複回収率211%
血統面ではネオユニヴァース系の活躍が目立ちます。ネオユニヴァースは母母Silken WayがSt. Simon系の血筋を豊富に引き継ぎ、母ポインテッドパスはHyperionの5・7×4やFair Trialの7×5などを持つイギリス産馬。長い繋と曲飛節が大きな特徴で、瞬発力自慢がそろったサンデーサイレンス産駒では珍しい機動力タイプの活躍馬でした。
代表産駒ヴィクトワールピサもトリッキーな中山コースを得意としており、その仔であるスカーレットカラー(2019年2着、2020年3着)とレッドアネモス(2020年1着)は本レースでも好走。今年は該当馬がいませんが、ネオユニヴァース→ヴィクトワールピサ系の分析はクイーンSの予想にとって大きなヒントとなりそうです。

<ネオユニヴァース内包馬の成績(札幌開催の直近9回)>
ネオユニヴァース【2-1-1-3/7】
勝率28.6%/連対率42.9%/複勝率57.1%/単回収率670%/複回収率187%
ネオユニヴァースが内包する血の中で最も注目しているのがFair Trial。同馬は機動力や粘り強さを子孫に伝えており、ネオユニヴァースが伝える機動力の源泉となっていると考えます。
この血を内包する有力種牡馬はDanzig、Blushing Groom、Lyphard、Nureyev≒Sadler's Wellsなど。特にDanzig内包馬については過去10年で5勝を挙げており、昨年も1着コガネノソラ、2着ボンドガールと該当馬によるワンツー決着となりました。

<Danzig内包馬の成績(札幌開催の直近9回)>
Danzig【5-3-2-20/30】
勝率16.7%/連対率26.7%/複勝率33.3%/単回収率181%/複回収率105%















