似た条件の過去3回はいずれも1分7秒台決着
夏の小倉の芝スプリント重賞として定着している北九州記念だが、実は施行のタイミングが毎年のように変わっていることをご存じだろうか。
ざっと振り返ってみよう。2012年から19年までは開催4週目だったが、20年は2週目に。実はそこから一度も固定されたことはなく、21年は5週目、22年は6週目で23年は2週目。そして昨年は約2カ月の前倒しになった上、開幕週に行われた。
そんな中、今年は昨年と同じ時期ながら2週目の開催に変わった。データ担当としては愚痴の一つも言いたくなるが、今回は今年と同じく開幕2週目までに行われた2020年、2023年、2024年の3回分を対象に傾向をチェック。好走馬の共通項を見つけ出し、馬券的中につなげたい。
(1)持ち時計:芝1200mを1分7秒3以内で走破し連対
開幕2週目までの絶好馬場で行われる=いずれの年も1分7秒台の高速決着とあって、持ち時計は重要だ。過去3回の連対馬6頭中5頭には、「芝1200mを1分7秒3以内」で走り、なおかつ「連対した実績」があった。
唯一の例外は芝1200m未経験ながら2着と好走した23年のママコチャだが、こちらは前走の安土城S(京都芝1400m)をJRAタイレコードで勝利していた。芝1200mに速い持ち時計がない馬であれば、このくらいの実績は欲しい。
<該当馬>
・キタノエクスプレス
・ショウナンハクラク
・バースクライ
・モズメイメイ
・ヤマニンアンフィル
・ヨシノイースター
(2)前走実績:前走OP以上で3着以内
「夏競馬は格より勢い」とも言われるが、この時期の北九州記念には当てはまらない。前走で3勝クラスを勝っていた馬は23年にデュガが単勝オッズ7.4倍の3番人気、昨年のグランテストも単勝9.3倍の6番人気に推されたが、ともに2桁着順に大敗している。
では、連対した6頭はどうかというと、全馬が「前走オープン以上」のレースを走り、かつ「3着以内」だった。
また、3着の3頭にしても20年のアウィルアウェイと昨年のモズメイメイは過去に芝1200mの重賞を勝った実績があり、23年のストーンリッジは前走オープンで3着に健闘していた。したがって重賞未勝利、かつ前走も4着以下の馬は大幅に割引でいい。
<該当馬>
・アスクワンタイム
・アブキールベイ
・オタルエバー
・カリボール
・キタノエクスプレス
・クラスペディア
・バースクライ
・ヨシノイースター
・ロードフォアエース
(3)逃げ馬
高速決着らしく逃げ馬の健闘が目に付く。20年は1番人気モズスーパーフレアが牝馬には厳しい56.5kgのハンデに耐えて2着に奮闘。そして23年は5番人気ジャスパークローネ、24年は3番人気のピューロマジックがまんまと逃げ切っている。
今年どの馬が逃げるのかは枠の並びを見ないと何ともいえないが、ハナ候補はとりあえずヒモに押さえておいた方が良さそうだ。
<候補馬>
・クラスペディア(前走:葵Sで逃げ)
・スリーアイランド(2走前:モルガナイトSで逃げ)
※直近3戦以内に芝1200m戦で逃げたことがある馬