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現役最高の小倉巧者は? 芝1200mで「単回125%」のサンダースノーなど騎手、種牡馬ごとに徹底検証

騎手、種牡馬別の小倉巧者,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

夏の小倉開催がスタート

先週で東京・阪神開催が終わり、今週から函館・福島・小倉の3場開催となる中央競馬。夏の小倉では北九州記念と小倉記念の2重賞が開催予定だ。

過去には小倉大賞典、北九州記念、小倉記念を同一年に制する“小倉三冠”を達成した「玄界灘の風雲児」ことメイショウカイドウを筆頭に、灼熱の九州の地で輝く小倉巧者たちは数多く存在する。

そこで今回は、種牡馬や騎手の小倉適性をデータで徹底検証。ここでは小倉コースでの勝率から全場の勝率を引いたものを「小倉巧者率」と定義し、この数値に基づいて種牡馬や騎手の「小倉巧者」を発掘していく。なお、データは2022年6月25日から2025年6月22日までの過去3年分を使用する。


サンダースノーが「10%超」、逆らえない川田騎手

種牡馬別芝コース「小倉巧者率」,ⒸSPAIA


この章では、小倉の芝コースを得意とする種牡馬を紹介する。

◼︎サンダースノー
・巧者率:17.2%-6.3%=10.9%

頭一つ抜けた巧者率を記録。なかでも実績は短距離に集中していて、芝1200mでは【5-2-0-17】勝率20.8%、単回収率125%とベタ買いでプラスだ。

◼︎アメリカンペイトリオット
・巧者率:12.7%-7.2%=5.5%

狙い目は1800m以下。芝1800mでは【2-1-3-6】複勝率50.0%と安定感十分で、単勝回収率265%、複勝回収率も195%と妙味たっぷりだ。

また、芝1200mも【5-7-5-24】複勝率41.5%で、単回収率167%に複回収率169%とこちらもベタ買いでプラスになる。

◼︎トーセンラー
・巧者率:11.5%-6.2%=5.3%

特に優秀なのが芝1200mで【6-0-2-15】勝率26.1%を誇り、単回収率も227%とアタマで狙いたい数字を残している。

◼︎ブリックスアンドモルタル
・巧者率:13.2%-9.3%=3.9%

なかでも芝1800mでは【4-2-2-15】勝率17.4%、単回収率116%とプラス域を叩き出している。

また、芝1200mでは【2-0-1-10】勝率15.4%、複勝率23.1%を記録。こちらは複回収率327%とヒモで狙いたい。


種牡馬別芝コース「小倉巧者率」,ⒸSPAIA


続いて、小倉の芝コースを得意とする騎手を紹介する。

◼︎藤岡佑介
・巧者率:20.2%-10.7%=9.5%

小倉芝では条件問わず通算の単回収率が185%となっており、とりあえず買い目に入れておいて損はない。

なかでも中距離(1800m、2000m)で信頼度が高く、芝1800mでは【8-0-4-19】勝率25.8%、単回収率358%と凄まじい成績。芝2000mも【6-3-2-19】勝率20.0%、単回収率132%を叩き出している。

◼︎川田将雅
・巧者率:35.6%-27.7%=7.9%

騎乗馬の平均人気が1.6番人気と人気を背負いながら、全体の単回収率は115%とプラス域をマークしている。

芝1800mを除く全てのコースで単回収率100%超を記録しており、重賞も【2-2-1-2】複勝率71.4%、複回収率125%とベタ買いでプラス。まさに小倉の鬼である。

◼︎松山弘平
・巧者率:20.0%-12.1%=7.9%

全29勝中15勝が芝1200mで挙げたもので、同距離では【15-8-5-38】勝率22.7%、単回収率119%を記録している。

また、クラスでは新馬戦を得意としており、【8-2-2-14】勝率30.8%、単回収率215%と素晴らしい成績を残している。

◼︎坂井瑠星
・巧者率:19.2%-13.5%=5.7%

最も勝ち星を稼いでいるのが芝1200m【9-4-3-23】で勝率23.1%、単回収率118%とプラス域をマークしている。

また、芝1800mでは【5-11-4-14】で勝率こそ14.7%も、連対率47.1%に複勝率58.8%と抜群の安定感。単回収率103%、複回収率122%とベタ買いプラス条件だ。


芝ダート兼用のアメリカンペイトリオット

種牡馬別芝コース「小倉巧者率」,ⒸSPAIA


次に小倉のダートコースを得意とする種牡馬を紹介する。

◼︎American Pharoah
・巧者率:21.7%-14.9%=6.8%

なかでもダート1000mでは【3-0-0-6】でピンかパーかだが、単勝回収率は176%をマークしている。

その他の特徴としては揉まれ弱い産駒が多く、外枠がベター。1~4枠では【1-0-0-7】なのに対して、5-8枠では【4-1-0-10】と対照的な成績となっている。

◼︎アメリカンペイトリオット
・巧者率:12.2%-6.1%=6.1%

芝に続いてダートでも登場。小倉ダートでは全体の単回収率が366%と素晴らしい成績で、芝ダート兼用の小倉巧者となっている。

なかでも実績は小倉ダート1700mに集中していて、同条件では【5-4-2-18】勝率17.2%、単回収率517%というとてつもない成績を叩き出している。

◼︎ミッキーアイル
・巧者率:11.4%-6.9%=4.5%

小倉ダートでは全体の単勝回収率が194%、複勝回収率も113%とアタマでも軸でもお買い得だ。

なかでもダート1000mで【7-12-7-35】勝率11.5%、単回収率257%を記録。一方、ダート1700mでは【3-3-4-17】複勝率37.0%、複回収率126%なので、条件によって狙いたい券種も変わってくる。


種牡馬別芝コース「小倉巧者率」,ⒸSPAIA


最後に、小倉のダートコースを得意とする騎手を紹介する。

◼︎鮫島克駿
・巧者率:18.6%-9.7%=8.9%

なかでもダート1000mで【2-1-0-7】勝率20.0%、単回収率117%とプラス域をマークしている。

また、距離に関わらず内枠に入った際も狙い目で、1~2枠では【4-3-2-9】勝率22.2%に複勝率50.0%、単回収率が95%で複回収率も96%と上々だ。

◼︎藤懸貴志
・巧者率:9.6%-4.9%=4.7%

小倉ダートでは単回収率271%、複回収率147%とベタ買いでプラスになる。

最も得意としているのが小倉ダート1700m戦。成績は【7-4-5-38】勝率13.0%、単回収率388%とさらに数字が上がる。

◼︎田口貫太
・巧者率:10.3%-5.7%=4.6%

特に小倉ダート1000mが【3-1-3-12】複勝率36.8%、複回収率102%の好成績。また、1勝クラスで【2-2-2-12】単回収率123%、複回収率120%とプラス域をマークしている。


騎手、種牡馬別の小倉巧者,ⒸSPAIA


《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をも大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。

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