例外は“ワールドクラス”の2頭だけ
近年の安田記念は東京巧者が圧倒的に強い。“そんなことは当たり前!”と思われるかもしれないが、その度合いが尋常ではないのだ。
まずは直近5年の安田記念で馬券圏内となった15頭をチェックしてみよう。

・2020年
1着 グランアレグリア(2018サウジアラビアロイヤルC)
2着 アーモンドアイ(2020ヴィクトリアマイル)
3着 インディチャンプ(2019安田記念など)
・2021年
1着 ダノンキングリー(2019毎日王冠など)
2着 グランアレグリア(2021ヴィクトリアマイルなど)
3着 シュネルマイスター(2021NHKマイルC)
・2022年
1着 ソングライン(2021富士S)
2着 シュネルマイスター(2021毎日王冠など)
3着 サリオス(2020毎日王冠など)
・2023年
1着 ソングライン(2023ヴィクトリアマイルなど)
2着 セリフォス(2022富士S)
3着 シュネルマイスター(2021毎日王冠など)
・2024年
1着 ロマンチックウォリアー
2着 ナミュール(2023富士S)
3着 ソウルラッシュ
驚いたことに、15頭中13頭に直近2年以内の東京芝1600~1800m重賞を勝った実績があった。
ちなみに、例外2頭は昨年1着ロマンチックウォリアー(東京未経験)と3着ソウルラッシュ。ご存じのように共にワールドクラスの名馬で、今年のドバイターフでワンツーフィニッシュを決めたことは記憶に新しい。それぐらいの大物でない限り、このデータを覆して勝ち負けするのは難しいということだ。
「富士S」と「毎日王冠」に注目
では、今年のメンバーではどうか。直近2年以内に東京芝1600~1800mの重賞を勝っているのは、五十音順にウォーターリヒト、サクラトゥジュール、シックスペンス、ジャンタルマンタル、ジュンブロッサム、ブレイディヴェーグの6頭だ。
ここからどう絞り込むか。近年は高齢馬が苦戦傾向なので、8歳のサクラトゥジュールは手を出しづらい。逆に評価を上げたい馬が2頭いる。
1頭目はジュンブロッサム。近年の安田記念のトレンドといえば、「富士Sの勝ち馬」だ。2022年から安田記念を連覇したソングラインは2021年の富士S優勝馬で、2022年の富士Sを勝ったセリフォスは2023年の安田記念で2着。さらに2023年の富士Sを制したナミュールが昨年の安田記念で2着と、現在3年連続で連対中なのだ。
ジュンブロッサムは昨年の富士Sの勝ち馬。上述した馬たちと比べると伏兵のイメージだが、だからこそ配当妙味があるといえる。
そして2頭目はシックスペンスだ。毎日王冠の勝ち馬も安田記念とは相性抜群で、2021年にダノンキングリーが8番人気で1着と激走。2022年にも2番人気シュネルマイスターが2着、8番人気サリオスが3着になるなど、好走例が多い。
シックスペンスはC.ルメール騎手とのコンビで4戦4勝、1800m以下で5戦5勝というデータもあり、そういった意味でも期待は膨らむ。
最後に馬券の買い方だ。まずはシックスペンスとジュンブロッサムの単勝を厚く。そして馬連&ワイドは2頭からウォーターリヒト、シックスペンス、ジャンタルマンタル、ジュンブロッサム、ブレイディヴェーグに流した各7点。これで好配当ゲットといきたい。
《ライタープロフィール》
逆瀬川龍之介
国内の主要セール、GⅠのパドックはもちろん、時には海外のセリにも足を運ぶ馬体至上主義のライター。その相馬眼を頼りにする厩舎関係者、馬主は少なくない。一方、マニアック、かつ実用的なデータを駆使して、ネット媒体や雑誌などにも寄稿するなど、マルチな才能を持っている。
《関連記事》
・【安田記念】過去10年のレースデータ
・【安田記念】ドバイターフを制したソウルラッシュが抜けた存在 データはダービー卿CT組が単回収率406%
・【安田記念】ドバイターフ7着ブレイディヴェーグに好データ 三度目の正直へ、レッドモンレーヴが波乱のカギ