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【NHKマイルC】波乱のGⅠ、攻略のカギは「近況」「差し」「キンカメ系」 条件全クリの激走候補とは?

2025 5/7 17:06逆瀬川龍之介
NHKマイルCで注目したい条件と該当馬,ⒸSPAIA
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2016年を最後に1番人気の勝利なし

NHKマイルカップは堅くは収まらないレースだ。それを如実に表しているのが1番人気の成績で、直近の勝利は9年前の2016年メジャーエンブレムまでさかのぼる。

過去10年の成績も【1-2-1-6】で、2017年以降は未勝利。高松宮記念と並んで最も長く1番人気が勝利していないGIとなる。

今年は朝日杯フューチュリティステークスの覇者アドマイヤズームが1番人気に推されそうだが、前哨戦のニュージーランドトロフィーで2着に敗れているように、絶対的な主役とは言いづらい。

そこで今回は、直近5年の間に単勝オッズ10倍以上で馬券に絡んだ7頭をチェック。共通項を見つけ出し、今年の穴候補をピックアップしたい。


3つの激走条件

(1)「前走GⅡ3着以内」or「前走重賞かつ前々走1着」
人気薄といっても、近況さっぱりの馬が来ることはまずない。該当した7頭は前走GⅡで馬券内に好走していたか、前走が重賞かつ前々走で1着という共通点があった。

2022年に最低人気で3着に激走したカワキタレブリーも、前走のアーリントンカップこそ11着と大敗していたが、前々走の白梅賞では1着だった。

これは余談だが、古くは07年に同じく最低人気で3着だったムラマサノヨートーも、前走のニュージーランドTは14着ながら、前々走の500万下(現・1勝クラス)を快勝していた。前走の大敗で人気を落としている馬は、簡単に見限らない方がいい。

【今年の該当馬】
▼ 前走GⅡ3着以内
・アドマイヤズーム
・イミグラントソング
・コートアリシアン

▼ 前走重賞かつ前々走1着
(・アドマイヤズーム)
・ショウナンザナドゥ
・ヴーレヴー

(2)重賞で「3角6番手以下」かつ「3着以内」実績
近年のNHKマイルCでは差しタイプが幅を利かせている。特に人気薄はその傾向が強く、該当7頭のうち実に6頭が3角6番手以下の馬だった。

22年3着カワキタレブリーは15番手、23年1着シャンパンカラーは12番手、同年は2着のウンブライルも16番手からの上位進出。したがって、穴を狙うなら“先行馬よりも差し馬”が基本となる。

ここでは、重賞で「3角6番手以下」かつ「3着以内」実績、という参考条件に合った馬を該当馬とする。

【今年の該当馬】
▼ 3角6番手以下で重賞3着内の実績あり
・アルテヴェローチェ
・イミグラントソング
・コートアリシアン
・ショウナンザナドゥ
・チェルビアット
・パンジャタワー
・マジックサンズ
・マピュース
・ミニトランザット
・ヤンキーバローズ
・ランスオブカオス

(3)父がキングカメハメハ系
キングカメハメハといえば04年のNHKマイルCの覇者だが、その子孫もこのレースで好成績を残している。

とりわけ23年以降に単勝オッズ10倍以上で馬券に絡んだ3頭を見ると、23年1着シャンパンカラーはドゥラメンテ産駒、同年2着ウンブライルはロードカナロア産駒、そして昨年3着のロジリオンはリオンディーズ産駒と、いずれもキングカメハメハの孫だった。今年もキングカメハメハの直系子孫からは目が離せない。

【今年の該当馬】
▼ 父キングカメハメハ系
・コートアリシアン(父サートゥルナーリア)
・チェルビアット(父ロードカナロア)


“条件全クリ”は1頭だけ

以上3つの関門を全てクリアしたのは1頭だけ、それがコートアリシアンだ。

昨年6月に東京芝1600mの新馬戦を5馬身差で圧勝。その後は重賞を4戦して勝ち切れていないが、結果は2着、6着、4着、3着。堅実な末脚を武器に、一度も大崩れしていない。

前走ニュージーランドTにしても、勝ち馬イミグラントソングや2着アドマイヤズームから0秒2差だから十分に逆転圏内だ。

鞍上の菅原明良騎手は過去3回のタッグで1着、2着、3着というベストパートナー。人馬一体の走りで好配当の立役者となることを期待したい。

《ライタープロフィール》
逆瀬川龍之介
国内の主要セール、GIのパドックはもちろん、時には海外のセリにも足を運ぶ馬体至上主義のライター。その相馬眼を頼りにする厩舎関係者、馬主は少なくない。一方、マニアック、かつ実用的なデータを駆使して、ネット媒体や雑誌などにも寄稿するなど、マルチな才能を持っている。

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