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【NHKマイルC】アドマイヤズーム、ランスオブカオスは消し ハイブリッド式消去法

2025 5/7 06:00八木遊
過去10年のNHKマイルC『前走上がり4位以下』かつ『母父SS系』の成績,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

5つのデータから絞れた馬は?

今回は日曜に東京競馬場で行われる3歳マイル王決定戦、NHKマイルCを予想する。いつも通り、過去10年のデータを使って、複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップ。当てはまった馬を消していく。今年は22頭が登録しているが、除外対象の4頭を除く18頭を対象に進めていきたい。

『今回距離延長』×『前走3番人気以下』★0.0%★

まずは、前走からの距離変動別データから始めたい。前走で1600m未満を走った距離延長組は【1-0-2-32】(複勝率8.6%)。このデータだけでも消去対象となるが、ハイブリッド式では別のデータを掛け合わせる。今回は前走3番人気以下という条件をピックアップした。この組み合わせは過去10年で22頭いたが、そろって4着以下に沈んでいる。

対象の18頭中3頭がこのデータに当てはまった。ファルコンSを制したヤンキーバローズは前走が3番人気だったため、消去対象となった。

【今年の該当馬】
・トータルクラリティ
・モンドデラモーレ
・ヤンキーバローズ

『社台系生産』×『前走0秒6以上差で負け』★3.6%★

続いては生産者別データから、過去10年で【6-6-6-72】(複勝率20.0%)の社台系生産馬を取り上げる。複勝率は【4-4-4-77】(同13.5%)の非社台系を上回っているが、前走で0秒6以上の差をつけられていた馬は【0-1-0-27】(同3.6%)だった。一方、同条件の非社台系は【1-1-2-29】(同12.1%)で、巻き返しが期待できるのは後者の方だ。

今年このデータに当てはまったのは以下の8頭。消去済みのトータルクラリティのほか、重賞ウイナーのサトノカルナバル、マジックサンズなども消去リスト行きとなった。

【今年の該当馬】
・サトノカルナバル
・ショウナンザナドゥ
・チェルビアット
・ティラトーレ
・(トータルクラリティ)
・マジックサンズ
・マピュース
・ヴーレヴー

『非社台系生産』×『前走490kg以上』★4.8%★

続いて、非社台系生産馬からも消去条件を見つけた。注目したのが馬格の有無である。前走時の馬体重が490kg未満だった馬の【4-3-4-56】(複勝率16.4%)に対し、490kg以上の大型馬は【0-1-0-20】(同4.8%)。馬格のある非社台系生産馬は少し割り引いた方が良さそうだ。

今年の非社台系生産馬の中で、前走時に490kg以上あったのはランスオブカオスだけだった。実績から今回も上位人気の一角に支持されそうだが、関東遠征と左回りは未経験。クリアすべき課題も多く、今回はあえて軽視したい。

【今年の該当馬】
・ランスオブカオス

『前走上がり4位以下』×『母父SS系』★6.7%★

4つ目は前走上がり順位に注目した。過去10年で前走上がりが4位以下だった馬は【7-6-5-89】(複勝率16.8%)。同3位以内の【3-4-5-58】(同17.1%)とほぼ変わらない。ただし、母父がサンデーサイレンス(SS)系の馬に限ると【1-0-1-28】(同6.7%)で、複勝率は大きく下がる。

今年この条件に当てはまったのは以下の6頭。消去済みの2頭に加えて、上位人気が予想されるアドマイヤズームとアルテヴェローチェが消去対象となった。

【今年の該当馬】
・アドマイヤズーム
・アルテヴェローチェ
・コートアリシアン
・(トータルクラリティ)
・パンジャタワー
・(ヴーレヴー)

『栗東所属』×『今回馬体重4kg以上増』★7.4%★

ここまで4つの条件を終えて18頭のうち15頭を消去した。最後は過去10年で【6-4-8-96】(複勝率15.8%)の栗東所属馬を取り上げる。関東への長距離輸送が伴う関西馬にとって、馬体重の管理は非常に重要な要素といえる。

ただし、輸送を見越して、余裕を残しすぎるのも悪手になる可能性がある。実際にNHKマイルC当日に馬体重を4kg以上増やしていた関西馬は【0-1-1-25】(同7.4%)と凡走が目立っていた。実際、1番人気に推された22年セリフォスと、17年カラクレナイはそれぞれ4着と17着に敗れている。

消去の網をくぐり抜けてきた3頭のうち、栗東に所属しているのはマイネルチケットとミニトランザットの2頭。もし前走から4kg以上のプラス体重なら消去する。

【今年の該当候補】
・マイネルチケット
・ミニトランザット

5つの条件を終えて確実に残るのはイミグラントソングだけとなった。C.ルメール騎手との新コンビが決まり、陣営も勝負モード。馬券は本命馬の単勝と複勝、そして5つ目の条件をクリアした馬がいれば、ワイド流しを買い目に加えたい。

《ライタープロフィール》
八木 遊
野球兼競馬ライター。スポーツデータ会社やテレビ局の校閲職などを経てフリーに。2023年8月から長期休養に入っていたが、24年6月に再開。今年はワイドを中心にコツコツ的中を狙う。

◆前回の結果◆
<天皇賞(春)>
◎マイネルエンペラー(8番人気、5着)
〇ブローザホーン(5番人気、8着)
▲ビザンチンドリーム(6番人気、2着)
△ショウナンラプンタ(4番人気、3着)
※◎単勝、複勝→不的中。ワイド→的中(▲△)。

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