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【愛知杯】本命カピリナの前走は負けて強し 穴馬候補モリノドリーム、ワイドラトゥールは展開次第で一発も

中京芝1400m5番人気以内の好走条件と複勝率(過去10年)

ⒸSPAIA

場所が替わった1400m牝馬限定重賞

今週日曜に中京競馬場でGⅢ・愛知杯が行われる。シルクロードS2着のグランテスト、中京芝1400mのレコードホルダーであるクランフォード、桜花賞4着馬でオークス以来10か月ぶりのレースとなるスウィープフィートなど、フルゲート18頭が出走予定だ。

レース名は「愛知杯」だが、位置付けとしては例年2月に施行していた「京都牝馬S」が名称、時期、コース全てを新たにして行われる重賞。メンバーも混戦模様で非常に難解だ。過去9年の京都牝馬S、そして中京芝1400mの特徴から予想していく。

3勝クラス勝利後の動向に注目

愛知杯(京都牝馬S過去9年)の条件別成績,ⒸSPAIA


<京都牝馬Sの条件別成績(過去9年)>
1~2番人気【6-3-1-8】
勝率33.3%/連対率50.0%/複勝率55.6%
9番人気以内【9-9-6-57】
勝率11.1%/連対率22.2%/複勝率29.6%
前走3勝クラス【0-4-4-14】
勝率0.0%/連対率18.2%/複勝率36.4%

初めに京都牝馬Sの結果から、レースと相関性があるデータをピックして検討する。

まずは人気別成績。順当に人気馬が結果を出しており、1番人気【4-3-0-2】、2番人気以内が【6-3-1-8】となっている。連対馬は全て9番人気以内で馬連平均配当は約4200円だ。

一方、3着には2桁人気から3度の激走例があり、3連複の平均配当は約4万6000円。買う券種によってどこまで穴馬を狙うかが変わるレースと言える。

前走クラス別で注目したいのが3勝クラス組。勝ち馬はいないが複勝率が高く、複勝回収率は143%。7番人気以内で絞ると【0-4-3-5】複勝率は58.3%まで高まる。3勝クラスで敗れた格上挑戦馬にも好走例がある。

また「2走前に3勝クラス勝利→前走が昇級戦」という馬も【2-1-1-10】で複勝回収率107%。昨年勝ち馬ソーダズリングもこの戦歴だった。OP入り初戦で結果が出なかった馬も見限れない。

今年はカピリナ、クランフォード、セントメモリーズが該当する。特に前走差し届かなかったカピリナ、追込決着に泣いたクランフォードは見直し可能だ。

距離延長組が優勢

中京芝1400m、1~5番人気馬の成績,ⒸSPAIA


<中京芝1400m 1~5番人気馬の成績(過去10年、古馬2勝クラス以上)>
差し【26-15-13-65】
勝率21.8%/連対率34.5%/複勝率45.4%
上がり3位以内【36-21-19-35】
勝率32.4%/連対率51.4%/複勝率68.5%
距離延長【8-7-8-27】
勝率16.0%/連対率30.0%/複勝率46.0%
→前走上がり5位以内【6-4-4-10】
勝率25.0%/連対率41.7%/複勝率58.3%

続いてコース傾向を見ていく。現在の中京芝1400mで古馬の重賞が行われた例は一度もなく、今回は2勝クラス以上の古馬戦を対象とする。ここでは1~5番人気に推された馬のデータを詳しく見ていく。

脚質別では、短距離戦ながら前に行った馬が苦戦している。逃げは【0-3-4-17】と勝利がない。先行【21-11-15-65】複勝率42.0%は悪くないが、差し【26-15-13-65】複勝率45.4%が上回っている。追込も【5-11-10-44】で複勝率37.1%と悪くない。上がり3Fでは3位以内が【36-21-19-35】で複勝回収率131%。末脚のある馬が結果を残している。

次に前走距離別で見ると、距離延長組が連対率、複勝率でトップ。前述の脚質と組み合わせて、前走上がり5位以内だと【6-4-4-10】で単複回収率も100%を超える。

「前走で鋭い末脚を見せたが届かなかった」という馬の距離延長が狙い目だ。今回該当するのはカピリナ、想定6番人気以下も含めればモリノドリーム、ワイドラトゥール。これらの馬の前進に期待する。

相手緩和、距離延長で好機到来

◎カピリナ
半姉に短距離重賞2勝のレイハリアがいる血統。昨年芝に転向してからの成績は【3-0-1-1】で掲示板を外していない。2勝クラス、3勝クラスをそれぞれ0秒7、0秒3差で難なく突破して迎えたシルクロードSは4着。本馬より前にいた3頭が先着したもので、力負けではなかった。

芝1400mは初挑戦だが、ダートでは1800mまで使われた経験があり、距離の問題はない。データ上の狙い目にも合致しており、前走以上の末脚は必至だ。

◯モリノドリーム
4走前にOPの青函Sを勝利。3走前のキーンランドCでは勝ち馬サトノレーヴ(後に香港スプリント3着)にこそ離されたが、2着とはタイム差なしの4着。ナムラクレア、ダノンマッキンリーといった重賞勝ち馬には先着した。

カーバンクルSでも上がり3F4位タイの脚で3着馬とはタイム差なし。脚質に合う展開なら好走できる。差し有利の本コースなら輝ける可能性はある。

▲ワイドラトゥール
キャリア3勝のうち2勝が芝1400mで、世代限定とはいえリステッドの紅梅Sを勝った実績馬。前走の淀短距離Sは大外を回って10着。このレースは5着~14着までの差が全てクビ以下という大接戦で、着順ほどの負けではない。

前走が上がり最速だったのは今回のメンバーでこの馬ただ1頭。展開がハマれば一発があってもおかしくない。

以下、グランテスト、オードリーバローズ、クランフォードまで印を回す。馬券は◎軸の馬連で勝負する。

▽愛知杯予想▽
◎カピリナ
◯モリノドリーム
▲ワイドラトゥール
△グランテスト
×オードリーバローズ
×クランフォード

《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。


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