「スポーツ × AI × データ解析でスポーツの観方を変える」

【中山記念】前走マイル組が全ての率でトップ ソウルラッシュの距離延長はマイナスにあらず

中山記念の前走距離別連対率(過去10年)

ⒸSPAIA

中距離路線とマイル路線の激突

今週日曜は中山競馬場でGⅡ・中山記念が行われる。昨年勝ち馬マテンロウスカイのほか、マイルCSを快勝したソウルラッシュ、1800m重賞2勝のシックスペンス、鳴尾記念2着以来の実戦となる9歳馬ボッケリーニなど16頭が出走予定だ。

勝ち馬に大阪杯の優先出走権が与えられるレースではあるが、1800mという距離設定からマイル路線の馬も集まり、粒ぞろいのメンバーとなった。昨年は7、10、4番人気の波乱決着だった本レース、今年はどうなるか。過去10年データから検討する。

マイル組が優勢

中山記念の前走距離別成績,ⒸSPAIA


<中山記念 前走距離別成績>
1600m【3-3-4-23】
勝率9.1%/連対率18.2%/複勝率30.3%
1800m【0-0-2-4】
勝率0.0%/連対率0.0%/複勝率33.3%
1900m以上【7-6-4-61】
勝率9.0%/連対率16.7%/複勝率21.8%

前述の通りマイラーと中距離路線組が激突する本レース。果たしてどちらが優勢なのか。

前走距離別成績を見てみると、1600m組が勝率、連対率、複勝率の全てで距離短縮組を上回っていた。また、今回該当する4頭のローテーションにはいずれも好走例があった。

まずソウルラッシュの香港マイルは【1-0-1-3】で、5頭とも同レース5着以下から参戦の馬だった。同2着ソウルラッシュにはこれ以上の成績を期待できる。

前走マイルCSは【1-0-2-8】。18年にはマルターズアポジーが前走15着から3着に大きく前進した。ただ、これは逃げ残りの多い中山記念(過去10年で逃げ【1-1-3-5】)と同馬の脚質がマッチしたものであり、真逆の追込馬タイムトゥヘヴンは厳しいか。

前走東京新聞杯は【1-1-0-7】。連対した2頭はどちらも前走5着以内だった(24年マテンロウスカイ、22年カラテ)。同じローテーションで臨む前走5着マテンロウスカイ、そして逃げ有利の舞台で前走3着メイショウチタンの再びの逃げ残りには警戒したい。

同距離1800m組は連対例がないが、5番人気以内だった馬は1頭のみ。24年ジオグリフが4番人気3着。悪くないと言える。

一方の距離短縮組は7勝を挙げているが、複勝率は21.8%とやや低い。3番人気以内に限っても【5-1-2-14】複勝率36.4%と大きくは上がらない。

好走馬の多くが前走GⅠ【4-3-1-16】だが、今年はGⅠからの距離短縮馬がいない。例年の数字以上に割り引いて考える必要がある。

GⅠ以外からの距離短縮で唯一結果を残しているのが同じ中山を舞台とする中山金杯組。成績は【3-1-1-6】、特に勝ち馬は【2-1-0-1】であり、アルナシームはチャンスだ。

また3着以内まで広げても【3-1-1-3】。間にAJCCを挟んでいるものの、中山金杯3着ボーンディスウェイにも注目したい。

GⅠ馬の意地 懸念点2つは克服可能

◎ソウルラッシュ
6歳時の5戦はGⅠ・3戦を含め全て馬券圏内。特に2走前のマイルCSは0秒4差の圧勝だった。7歳を迎えるがまだ衰え知らずの存在だ。

今回の懸念点は2つ。およそ3年半ぶりとなる1800m以上の距離と、先行有利のレース傾向だ。

前者に関しては、差す競馬をしてきた馬で問題ないとみる。データでもマイルからの距離延長組はいい。後者については5歳時に中山マイルの京成杯AHを59kgで先行して勝った経験があり、こちらも大きな問題にはならない。メンバー唯一のGⅠ馬として実力を発揮すれば勝ちきれる。

◯シックスペンス
前走先行した馬のうち、最も実績があるのはこの馬。キャリア5戦で【4-0-0-1】、2400mのダービーを除けば、1800m重賞2勝を含む全勝だ。

同コースのスプリングSは時計平凡も、毎日王冠は一定の評価ができる。同レースは前後半59秒4-57秒6というスローペースを4番手追走。直線では逃げるホウオウビスケッツを最後に捕らえて勝利した。

前残り決着ともいえるが、2着ホウオウビスケッツは次走の天皇賞(秋)3着、3着馬エルトンバローズも次走マイルCS2着と後のGⅠで馬券圏内に好走。負かした相手は弱くなかった。

ハイペース適性は不明だが、今回は明確な逃げ馬がおらず(前走逃げたメイショウチタンも2走前以前は好位からレースしていた)、ペースが流れるとは考えにくい。1枠1番を生かして先行すれば、前走に続いて好勝負可能だ。

▲ボーンディスウェイ
同コースの常総Sを勝ってOP入りすると、その後は重賞勝利こそないが、リステッドで連対2回の実績がある。今年初戦の中山金杯は3着。1、2着に後方脚質の馬が来たなか、不利な8枠、4角3番手からの好走は着順以上の価値がある。

AJCCは距離が長く、8枠18番で外を回され、4~6着馬が4角10番手以下の差し決着という三重苦で度外視可能だ。

前述の通り中山金杯での好走歴はデータ的にも好材料。久しぶりに内枠を引き、先行有利の1800mに距離短縮と舞台は好転。前進は間違いない。

以下、メイショウチタン、マテンロウスカイ、アルナシームまで印を回す。馬券は◎◯-印を打った馬の馬連で勝負する。

▽中山記念予想▽
◎ソウルラッシュ
◯シックスペンス
▲ボーンディスウェイ
△メイショウチタン
×マテンロウスカイ
×アルナシーム

《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ中山大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。


《関連記事》
【中山記念】ソウルラッシュ、シックスペンスは消し ハイブリッド式消去法
【中山記念】昨年覇者マテンロウスカイの逆襲に注目 実績最上位ソウルラッシュ、4歳シックスペンスの評価は?
【中山記念】過去10年のレースデータ

 コメント(0件)
    SPAIAちゃんねるバナー