近年の中では好メンバーが揃う
今週日曜は東京競馬場でGⅠ・フェブラリーSが行われる。昨年勝ち馬ペプチドナイルに同2着ガイアフォース、東京ダート重賞2勝のエンペラーワケア、4歳馬ミッキーファイトにサンライズジパングなどフルゲート16頭が出走する。
今年もサウジ挑戦の有力馬が不在という点は変わらないものの、前哨戦の根岸S、プロキオンSの上位馬などが参戦し、比較的メンバーは揃った。昨年は3連単153万円の大波乱が起きた。今年はどのような結末になるだろうか。過去10年のデータから検討する。
今週日曜は東京競馬場でGⅠ・フェブラリーSが行われる。昨年勝ち馬ペプチドナイルに同2着ガイアフォース、東京ダート重賞2勝のエンペラーワケア、4歳馬ミッキーファイトにサンライズジパングなどフルゲート16頭が出走する。
今年もサウジ挑戦の有力馬が不在という点は変わらないものの、前哨戦の根岸S、プロキオンSの上位馬などが参戦し、比較的メンバーは揃った。昨年は3連単153万円の大波乱が起きた。今年はどのような結末になるだろうか。過去10年のデータから検討する。
<フェブラリーS 前走レース別成績>
チャンピオンズC【3-3-2-9】勝率17.6%/連対率35.3%/複勝率47.1%
東海S【3-1-1-15】勝率15.0%/連対率20.0%/複勝率25.0%
根岸S【4-2-3-43】勝率7.7%/連対率11.5%/複勝率17.3%
今年も16頭中6頭が前走地方重賞で、過去10年でも出走馬の約3分の1が前走で地方のレースを走っていた。しかし、そこから勝ち馬は出ておらず【0-3-3-44】、中心は中央重賞組であるのが現状だ。
チャンピオンズCからの直行組は複勝率47.1%で約半数が馬券に絡んでいる。また、着順との相関が強くない点が特徴。同レース6着以下が【3-1-2-7】。2桁着順でも【2-0-2-3】で、17年ゴールドドリーム、22年カフェファラオが勝利している。昨年好走したペプチドナイル、ガイアフォースはチャンピオンズCの敗戦を重く受けとめる必要はない。
東海S(今年のプロキオンSに相当)は好走馬の量、質ともに平均程度。昨年ペプチドナイルが6着から勝利したが、この年は京都開催だった。中京開催時に限ると【2-1-1-11】で、その3着以内が【2-1-1-5】。チャンピオンズCとは異なり、着順との相関が強い。今年はプロキオンSの上位3頭が出走しており、警戒が必要だ。
最も出走数が多く、4勝を挙げているのが根岸S組。こちらは同じ東京開催だからか、2着以内【4-2-3-4】と信頼度が高い。前走0秒7差で勝利したコスタノヴァにも重い印を打ちたい。
他のローテーションを含めて距離別にみると、前走1800m組【6-4-3-30】複勝率30.2%に対し、2000m【0-2-2-16】同20.0%と成績が落ちる。2000m組は5番人気以内に限っても【0-2-1-7】と人気馬でも苦戦している。
それ以上の距離からの参戦例は16回あるが、馬券に絡んだのは20年2着ケイティブレイブのみで、基本的に400m以上の距離短縮組は対応できていない。今年ではミッキーファイト、ウィリアムバローズなどを疑問視する。
<フェブラリーS 脚質別成績>
逃げ【1-1-0-8】勝率10.0%/連対率20.0%/複勝率20.0%
先行【6-1-2-32】勝率14.6%/連対率17.1%/複勝率22.0%
差し【2-6-4-45】勝率3.5%/連対率14.0%/複勝率21.1%
追込【1-2-4-43】勝率2.0%/連対率6.0%/複勝率14.0%
脚質別成績では先行馬が最多の6勝。軸にするなら先行馬が適している。さらに2番人気以内だと【5-0-0-5】(残る1勝は昨年のペプチドナイル)、1番人気は【3-0-0-0】と全勝だ。コスタノヴァ、エンペラーワケア、ペプチドナイルといった上位人気濃厚な先行馬には大チャンスと言える。ただしエンペラーワケアは1枠が気になる。
逃げ馬の2連対はどちらも5番人気以内。今年はどの馬が逃げるのか、どのような人気になるか不透明だが、馬券に組み込むかどうかの一つの指標になるだろう。
差し馬は勝率こそ低いが、複勝率では逃げ先行とそん色ない。前走が差しだった馬の好走例はチャンピオンズC組か前走着順がいい馬に集中している。チャンピオンズC組を除くと、前走2着以内【2-3-0-14】、3着【0-0-1-5】、4着以下は【0-0-0-26】と全滅だ。
また前走が追込だった馬も2着以内【1-2-2-1】に対し、3~4着が【0-2-0-4】、5着以下が【0-1-0-20】。今回、後方脚質でチャンスがあるのはサンライズジパングくらいだろう。
◎ペプチドナイル
昨年の当レースはドンフランキーが逃げて前半1000m57秒9というハイペース。2~7着を差し馬が占めたところ、4角4番手から勝利した。その後は勝利こそないが掲示板を外していない。
前走と2走前どちらもレモンポップに敗れたが、パフォーマンスを見比べるに、流れの速くない1800m戦は苦手な可能性が高い。
今年も前走逃げた馬はアンモシエラ、ウィリアムバローズ、サンデーファンデー、ミトノオーがおり、ペースが流れるのは間違いない。チャンピオンズC11着から連覇したカフェファラオのような返り咲きに期待する。
◯コスタノヴァ
芝の新馬戦と初の1200m戦だったクラスターCを除けば、7戦して連対を外していない。欅Sではエンペラーワケア(根岸S、武蔵野S勝ち馬)に完勝している。
前走の根岸Sは6か月の休養明けや乗り替わりといった不安材料をはねのけ0秒7差の圧勝。改めて強さをみせた。中2週のローテーションや、OPクラス以上では未経験のマイル戦という懸念点はあるが、根岸S組の好データを信じて重い印を打つ。
▲サンライズジパング
再びダートに転向した昨年9月以降、全て重賞を走り【2-1-1-1】。チャンピオンズCは道中でマクリを打ち、中京ダートで外を回ったのが敗因であり、6着でも健闘の部類に入る。
プロキオンSも外を回った分の負けとみていい。今回は外枠有利の東京替わりで外枠をゲット。その点では歓迎と言える。
ただし本馬は1800m以上をずっと使っており、距離短縮が不安材料。流れに乗れず最後方からの競馬となって差し損ねる可能性を考慮し、3番手評価とする。
以下、エンペラーワケア、ガイアフォースまで印を回す。馬券は◎◯-印の馬連で勝負する。
▽フェブラリーS予想▽
◎ペプチドナイル
◯コスタノヴァ
▲サンライズジパング
△エンペラーワケア
×ガイアフォース
《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。
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