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【フェブラリーS】昨年は“レース史上最高”3連単153万円超え 府中のダートGⅠを「記録」で振り返る

2025 2/17 17:00緒方きしん
フェブラリーステークス、思い出の記録,ⒸSPAIA

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ゴールドティアラやトゥザヴィクトリーなど牝馬の好走歴も

今週はフェブラリーSが開催される。過去にはカネヒキリやヴァーミリアン、エスポワールシチーなど、ダート界を代表する名馬たちが勝利してきた一戦であり、近年ではカフェファラオやレモンポップの好走も記憶に新しい。今回は、GⅠに昇格した1997年以降のフェブラリーSの記録を振り返る。

今年はアンモシエラやアーテルアストレアと2頭の牝馬が参戦予定(キャリックアリードは出走回避を表明済み)。アンモシエラは昨年のJBCレディスクラシックで強い勝ち方をしており、今回は真価が問われる一戦となる。

牝馬のフェブラリーS挑戦は、過去に37回あった。うち20回は2桁着順に敗れているように、牡馬の壁は分厚く苦戦も多いが、それでも掲示板内(5着以内)に食い込む活躍を見せた牝馬たちもいる。牝馬のフェブラリーS好走ランキングは下記の通り。

1位 2着 ゴールドティアラ(2000年)
2位 3着 ファストフレンド(2000年)、トゥザヴィクトリー(2001年)、ソダシ(2022年)
5位 4着 トゥザヴィクトリー(2002年)
6位 5着 キョウエイマーチ(1999年)、ゴールドティアラ(2001年)、レッツゴードンキ(2018年)

フェブラリーSで牝馬が掲示板に食い込んだのは、1999年~2002年にかけて6回あったが、2003年~2017年では一度もなかった。しかし2018年にレッツゴードンキが5着に食い込むと、2022年にはソダシが3着と好走した。

2023年にも地方馬のスピーディキックが御神本訓史騎手とともに6着と善戦しており、空白期間を抜け出した印象を受ける。この流れに続きたい牝馬は多いだろう。

過去、最もフェブラリーS制覇に近づいた牝馬はゴールドティアラで、2000年2着、2001年5着と2度も掲示板に入っている。同馬はクイーンC3着、クリスタルC5着(2005年まで開催されていた芝1200m重賞)など芝重賞で好走していたが、秋華賞での大敗後は主にダートで走るようになった。

シリウスS勝利→平安S3着と重賞で好走すると、続くフェブラリーSでウイングアローの2着という結果を残した。地方の雄メイセイオペラ、良血馬キングヘイローなど骨っぽいメンバーが集まったなかでの好走は、これからも牝馬ダート史に残り続けるだろう。その後もマイルチャンピオンシップ南部杯制覇、かしわ記念3着などダート界をけん引した。

ゴールドティアラは引退後に繁殖牝馬としても活躍。その子孫には2017年大阪杯2着のステファノスや2024年富士S勝ち馬ジュンブロッサムなどがいる。

ゴールドティアラのほかにも、フェブラリーSで掲示板に入った牝馬は繁殖としても活躍した馬が多い。トゥザヴィクトリーは重賞馬のトゥザグローリーやトゥザワールド、トーセンビクトリーらを輩出し、キョウエイマーチの一族にはナミュールやラヴェル、マルシュロレーヌやバーデンヴァイラーなど数えきれないほどの活躍馬がいる。レッツゴードンキやソダシの仔にも期待が持てる。

コパノリッキーとケイティブレイブ、16番人気馬が2度激走

昨年は1着に11番人気のペプチドナイル、3着に13番人気のセキフウが食い込み、3連単はフェブラリーSの最高配当記録を更新した。ちなみに、馬券に食い込んだ二桁人気馬の数は、2023年まで4頭だったが、昨年で一気に2頭増える形になった。フェブラリーSでの3連単配当ランキングは下記の通り。

1位 2024年
1着 ペプチドナイル(11番人気)
2着 ガイアフォース(5番人気)
3着 セキフウ(13番人気)
3連単配当 15305倍

2位 2014年
1着 コパノリッキー(16番人気)
2着 ホッコータルマエ(2番人気)
3着 ベルシャザール(1番人気)
3連単配当 9491.2倍

3位 2020年
1着 モズアスコット(1番人気)
2着 ケイティブレイブ(16番人気)
3着 サンライズノヴァ(3番人気)
3連単配当 4649.2倍

2位の2014年、3位の2020年はいずれも馬券圏内に16番人気の伏兵が食い込んだ。

2014年に勝利したコパノリッキーは、伏竜S、兵庫CSを制して世代トップクラスの戦績を残していたが、古馬との対決では霜月Sで10着、フェアウェルSで9着と連敗。明け4歳となり、田辺裕信騎手に乗り替わって挑んだ初めてのGⅠがフェブラリーSだった。

レースでは2番手の競馬を試みると、そのまま上がり3位の末脚で後続を完封。ホッコータルマエ、ベルシャザール、ベストウォーリア、ワンダーアキュートと当時のダート一線級を一気に撃破した。コパノリッキーは同年にJpnⅠを2勝し新世代のダート王者として競馬界を盛り上げ、翌年には堂々の1番人気でフェブラリーS連覇を達成している。

2020年に16番人気で2着に食い込んだのはケイティブレイブ。こちらは7歳と高齢での好走だった。3歳時にはコパノリッキーと同じく兵庫CSを制覇。続くJDDから3戦連続で2着に敗れたものの、秋には白山大賞典、浦和記念を連勝するなど早い時期から活躍を見せた。

古馬になってからは帝王賞や川崎記念を制するなどダートのトップホースとして君臨したが、6歳時に浦和記念を勝利してからは東京大賞典で8着、年明けの川崎記念で6着と連敗した。続くフェブラリーSでは一つ下となる6歳馬のモズアスコット、インティ、サンライズノヴァが1〜3番人気を独占したなか16番人気。意地の好走だった。

ケイティブレイブはその次走かしわ記念でも2着に食い込み、8歳となった翌年はJBCクラシックで5着と実力を見せ続けた。引退後は種牡馬として、父アドマイヤマックス、母父サクラローレルの血を後世に残すべく奮闘している。

今年は二桁人気の馬たちが、どんな走りを見せてくれるだろうか。

ライタープロフィール
緒方きしん
競馬ライター。1990年生まれ、札幌育ち。家族の影響で、物心つく前から毎週末の競馬を楽しみに過ごす日々を送る。2016年に新しい競馬のWEBメディア「ウマフリ」を設立し、馬券だけではない競馬の楽しみ方をサイトで提案している。好きな馬はレオダーバン、スペシャルウィーク、エアグルーヴ、ダイワスカーレット。

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