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【クイーンC】前走上がり2位以内が7勝 阪神JFで上がり2位タイのコートアリシアンを推奨

2025 2/11 18:00貴シンジ
クイーンカップの前走上がり3F別成績(過去10年),ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

3つのファクターから推奨馬を見つけ出す

15日、東京競馬場で行われるクイーンカップについて、下記3つのファクターを組み合わせる、コンプレックスアナライズで分析を行っていく。。

・レースの好走馬の共通項を探る「重要データ」
・目に見えない上積みを探る「前走内容」
・適性と素質を知るための「血統評価」

特別登録のあった14頭を検討対象とし、過去10年のデータを使用する。

重要データ:前走上がり順位に着目

前走上がり3F順位別成績(一部),ⒸSPAIA


クイーンCは競馬場の違いはあるが、距離1600mで直線の長い東京コースということから、桜花賞と類似性があり、重要な前哨戦の一つだ。本レースの特徴としてまず挙がるのは、とにかく堅いレース。ということ。過去10年の単勝回収率は30%、複勝回収率も57%となっており、基本的に人気馬を中心に絞って買うのがおすすめだ。

今回注目するのは、前走の上がり3F順位別成績。1位だった馬は【5-4-2-27】単勝回収率47%、複勝回収率50%、2位は【2-2-1-20】単勝回収率26%、複勝回収率136%となっている。回収率は決して高くないが、堅い本レースで計7勝している。

今回は阪神JF4着のショウナンザナドゥが人気の中心となりそうだが、本馬は好走データに該当しない。

【前走上がり3F2位以内の出走予定馬】
・エストゥペンダ
・エンブロイダリー
・コートアリシアン
・スライビングロード
・ティラトーレ
・マディソンガール
・マピュース
・ヴィヴァラリス

前走内容;阪神JF

昨年の阪神JFは前半4F46.5秒、後半4F46.9秒でGⅠとはいえ2歳戦の中ではハイペースに入る部類。上位2頭の通過順位を見ても後方有利だった。阪神JFに出走していたメンバーでは4着ショウナンザナドゥと6着コートアリシアンが出走予定だ。

ショウナンザナドゥは3番手追走だったことから評価の高い4着だったといえる。コートアリシアンは最後方からレースを進めて上がり2位の脚を使った。数字だけを見るとレース展開に恵まれたように見えるが、スタートで約2馬身の出遅れがあり、直線ではかなり荒れた内側を選択していたことから、こちらも苦しいレースだったと考えられる。

着順こそ4着と6着だが、どちらもハイレベルなパフォーマンスを見せている。今回は阪神JF組に期待できそうだ。

血統解説:コートアリシアン

コートアリシアンの血統表,ⒸSPAIA


・コートアリシアン
日本での牝祖は祖母コートアウト。同馬は重賞勝ちこそないがマザリーンS(アメリカGⅠ・ダート8.5F)で2着に入った実績馬。繁殖としては非常に優秀で、コートアリシアンの伯父で安田記念勝ち馬ストロングリターン(父シンボリクリスエス)、伯母で桜花賞2着のレッドオーヴァル(父ディープインパクト)を輩出している。

コートアリシアンは4番仔できょうだいは全て牝馬だが活躍馬はいない。とはいえ母コートシャルマンはJRAの芝とダートで3勝しておりスピード能力が高い。牝系の活力は今回のメンバーでもトップレベル。重賞勝ち馬になってもおかしくない血統背景を持っている。

本馬は父にサートゥルナーリアを迎えた。ファミリーとしては徐々に良くなってくるタイプで、母は2歳戦で2勝をあげているが、ハーツクライ産駒ということを考えれば本格化はダートで1勝を挙げた4歳秋頃だろう。

サートゥルナーリア×ハーツクライという日本の主流血統の組み合わせらしく、胴伸びの良い馬体に柔らかさを持った走りをここまで見せている。ただトモの入りはまだまだ甘く、それがゲートの遅さにも繋がっているのだろう。将来的に先行して押し切るような競馬ができるようになれば、GⅠも目指せるだけの逸材だ。

イメージとしては2歳から活躍し、5歳になってからGⅠを3連勝したリスグラシューに近いタイプ。現時点の馬体でも今回のメンバーであれば十分に差し切れる。前走はペースが流れた分、追走に手一杯だったが、今回はスローペースになりそうなメンバー構成、本馬にも出番がありそうだ。

Cアナライズはコートアリシアンを推奨

今回のCアナライズはコートアリシアンを推奨する。阪神JFはペースが流れたことや荒れた場所を走ったことなど、向かないことが多かった。新馬戦からずっとゲートが課題だが、東京マイルなら出遅れても取り戻せる。追走力は高くないため、スローペースになることを願いたい。

阪神JF4着のショウナンザナドゥは、好走データに合致しなかったが期待できる一頭だ。こちらは展開が向かなかったGⅠでもしっかり結果を残した。スローペースなら前々から良い競馬ができるだろう。

《ライタープロフィール》
貴シンジ
競馬ライター。サラブレッドの血統をファミリー中心に分析する牝系研究家。3つのファクターから構築する「コンプレックスアナライズ」を駆使して競馬予想を行う。WEBサイト『ウマフリ』で「牝系図鑑」も連載中。競馬予想のほか商業誌での執筆、一口馬主クラブ募集馬やセリ馬の血統分析、血統の魅力の伝承、繁殖牝馬の配合提案などを独自の切り口から行う。

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