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競馬の魅力 再発見(1) 本命馬まさかの降着 ほろ苦いデビュー戦

2017 2/21 09:38うまじろう
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Photo by The Len/shutterstock.com


  競馬、それはギャンブルであると同時に、すぐれて知的なスポーツエンターテイメントである。レースの結果は、馬の能力や状態だけでなく、騎手の手腕、コースの相性、天候など様々な要素に左右される。常に本命馬が勝つとは限らないし、初心者の成績がベテランを上回ることも珍しくない。本コラムでは、競馬を見始めてから25年ほどになる筆者の体験談を元に、競馬が持つ様々な魅力について紹介していく。

競馬が見せるのは、筋書きのないドラマ

 筆者の競馬との出会いは中学生のときであった。父親が日曜日になると、スポーツ新聞を片手に札幌のJRA(日本中央競馬会)の場外馬券場に馬券を買いに行っているのを見て興味を持った。

 父におねだりして、初めて買ってもらった馬券は1991年の天皇賞・秋だった。天皇賞は数あるGIレースのなかでも格式が高いことで知られる。春の天皇賞は京都競馬場の3200mで競争するスタミナ勝負のレースなのに対して、秋の天皇賞は東京競馬場の2000mでスピードが要求される。東京競馬場は東京都府中市にあることから「府中」とも称される。府中は左回りのコースで、直線コースが約500mと日本一長い。そして、出馬ゲートを出てからすぎにカーブを迎えるため、騎手泣かせの難しいコースだ。

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▲東京競馬場で2月12日に行われた共同通信杯

 単なるスピード馬では府中の2000mを勝つのは難しい。スピードとスタミナ、そして何より勝負根性が求められる。運も大切だ。そんな舞台で行われる天皇賞・秋は筆者が最も好きなGIレースの1つである。

 当時のレース、1番人気はメジロマックイーンだった。マックイーンは芦毛の馬体でスタミナは抜群、天皇賞・春も制するなど長距離に強いことは実証済みだった。しかし2000mのスピード競馬に対応できるか、少し不安視されていたが、雨で不良馬場となったことは同馬に有利に働きそうだった。

 メジロマックイーンの鞍上は武豊。武豊はいまでも現役で活躍するトップ騎手である。当時はまだ若く、端正なマスクと天才的な騎乗ぶりで絶大な人気を集めていた。筆者はメジロマックイーンを軸に、相手に前走で実績のあるプレクラスニーを選んだ。

 マックイーンは好スタートを切り、3番手につけた。4コーナーで先頭を走るプレクラスニーに並びかけると、直線半ばで交わし、あとは離す後続を引き離す一方の圧勝だった。2着にはプレクラスニーが粘った。初馬券が見事当たりか??

 そう思ったのも、束の間だった。レース中に審議の青ランプが点灯。長い審議時間を経て、メジロマックイーンが他馬の進路を妨害したとしてなんと18着に降着になったのである。マックイーンに賭けていた多くのファンが「まさか・・・・」と悔しがったに違いない。

 競馬は筋書きのないドラマであると、誰かが言っていたが、本当にその通りだと思う。同じ馬で同じレースをしても結果が同じになるとは限らない。枠順や天候、騎手の乗り方1つでこうも大きく変わってくる。筆者にとって初体験となった天皇賞・秋は競馬の面白さと難しさを同時に実感させられるものになった。

必勝の秘訣は、下調べにあり

 話は変わるが、競馬を楽しむのに欠かせない存在がテレビと新聞である。競馬を見るのに必ずしも、競馬場に行く必要がない。毎週土曜日と日曜日、午後3時から1時間の枠で競馬中継が放送されるからだ。筆者は子どものころ、北海道に住んでいたため、夏の札幌競馬を除いては、もっぱらテレビ中継での観戦だった。

 テレビ中継は土曜日がテレビ東京系列、日曜日はフジテレビ系列で放送されるが、有名なのがフジテレビの「みんなのKEIBA」である。

 テレビが良いのは、競馬場に行くよりも、レースが見やすいことにある。競馬場では目の前で馬が走る臨場感を味わえるが、テレビと違って、馬の姿を追うのが大変な気がする。そしてもう1つがパドックでの解説である。

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▲東京競馬場のパドック

 パドックとは馬の下見場のことである。競馬場では間近で馬を見ることできるが、馬の状態について分析できるようになるまでにはある程度の知識や経験が必要だ。一方で、テレビ中継の場合、パドックでの馬の様子と併せてコメンテーターが馬の状態について解説してくれるのがよい。

 競馬場に行く場合、パドックで馬を見て、本馬場入場も確認して、その後、馬券売り場に並んで、その後、観戦席に戻ってとなると、移動が大変である。馬券はレース時間の直前に発売を締め切ってしまうため、筆者は「早く買わないと」などと焦ってしまう。

 そこで、大切なのは事前の研究であり、強い味方になるのが新聞だ。一般紙には競馬のページがほとんどないため、競馬の専門紙かスポーツ新聞を購入する必要があるのだが、初心者にはスポーツ新聞を薦める。値段が安いうえに、競馬以外のスポーツ記事も読めるうえ、紙面は写真も多く、カラフルで見やすいからである。

 筆者が愛読していたのは日刊スポーツだった。最初は競馬のある土日だけ買っていたが、次第に親に頼んで、平日も購読してもらうようになった。平日は週末のメインレースに出馬が予想される有力馬の調教の様子などの記事が載っており、「今週はこの馬が出るのだな」と心の準備と情報収集ができる。そして土日の新聞には確定版の出馬表と直前の気配も反映した記者の最終的な予想が載っている。

 筆者の場合、記者の予想は参考にはするが、それをそのまま買うことはほとんどない。競馬の醍醐味は何といっても自分で予想することにあるからだ。

 予想をするうえでのほとんどの情報はスポーツ新聞から得られる。馬名、騎手名はもちろんだが、筆者が重視するのは直近のレース成績である。前走が1~3着に入っている馬をまずチェックする。前回好成績の馬が今回も好走するケースは多いからだ。

 ただ同じ着順でもレースの格や周囲の馬のレベルがあるため、タイムも参考にする。馬場状態やペースにも留意が必要だ。これらはすべて新聞の出走データから読み取れる。

 競馬の予想に必要な様々なデータを読み解くには、ある程度の知識が必要だが、「覚えなきゃ」と焦る必要はない。習うより慣れろで、何度も見ているうちに自然と頭に入ってくる。最初は自分の誕生日の数字や、好きな色の組み合わせなどで買ってもよい。このような買い方をしないといけないということはなく、誰もが100円から気軽に楽しめるのが競馬の魅力である。

 

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