5つのデータから絞れた馬は?
本命に指名したダノンデサイルが1番人気に応えて日本ダービー以来となる勝利を飾ったが、2着マテンロウレオを記事では消しており、6点で勝負した三連単はハズレ。3~4着馬は消去を免れていただけに悔やまれる一戦となった。
さて今週は日曜の東京で行われるダートの短距離戦、根岸Sを取り上げる。今年はフルゲート16頭に対して23頭が登録。除外対象(*)の7頭を含めて、いつも通り過去10年のデータを基に複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップし、当てはまった馬を消していく。
『6歳以上』×『今回距離延長』★0.0%★
まずは年齢別データから過去10年で【3-6-6-91】(複勝率14.2%)の6歳以上を取り上げたい。他の重賞レースに比べて、高齢馬もしっかり走っている印象だが、前走から距離を延ばしてきた馬に限ると【0-0-0-31】(同0.0%)。6歳以上の馬を狙うなら同距離か距離短縮組がベターだろう。
今年は以下の3頭がこのデータに当てはまった。クロジシジョーとドンフランキーはメンバー上位の実績を持つが、今回は凡走データに従って消去する。
【今年の該当馬】
・クロジシジョー
・スズカコテキタイ
・ドンフランキー
『前走4角10番手以下』×『前走上がり4位以下』★0.0%★
続いて、前走時の4角通過順と上がり3ハロン順位の組み合わせに注目した。対象は前走4角を10番手以下で通過し、上がり4位以下の末脚しか使えなかった馬。2019年の1番人気サンライズノヴァなど過去10年で17頭がこのデータに該当していたが、そろって4着以下に沈んでいる(※前走海外の馬は上がりのデータがないため対象外)。
今年は以下の6頭が当てはまった。消去済みのスズカコテキタイに加えて、ペリエールら除外対象の3頭、さらにエイシンスポッターとスレイマンが消去リスト行きとなった。
【今年の該当馬】
・エイシンスポッター
・(スズカコテキタイ)
・スレイマン
・ナスティウェザー*
・ナチュラルハイ*
・ペリエール*
『美浦所属馬』×『前走3着以下』★4.5%★
3つ目は東西所属別データから美浦所属馬を取り上げたい。東京開催にもかかわらず関東馬の出走は過去10年で34頭と少なく、113頭の関西馬に圧倒されている。肝心の成績も【2-0-1-31】(複勝率8.8%)で、この段階で消去対象の複勝率10%未満だ。
ただ、ハイブリッド式では別のデータを掛け合わせることで精度を高める。今回は前走3着以下の条件を採用する。これで【1-0-0-21】となり、複勝率は4.5%まで下がる。
今年は8頭がこのデータに当てはまった。上位人気が予想されるコスタノヴァのほか、ショウナンライシンらが新たに消去対象となった。
【今年の該当馬】
・コスタノヴァ
・ショウナンライシン
・(スズカコテキタイ)
・タイセイサムソン*
・(ナスティウェザー*)
・(ナチュラルハイ*)
・バトルクライ*
・(ペリエール*)
『非社台系生産』×『中3週以下』★7.1%★
4つ目は生産牧場別データから非社台系牧場で生産された馬に注目した。過去10年の成績は【8-8-7-104】(複勝率18.1%)と決して悪くはない。ただし、前走から中3週以下で臨んだ馬に限ると【0-0-2-26】(同7.1%)で、複勝率は大きく低下する。
今年は社台系生産馬がノーザンファーム生産の5頭だけ。残りの18頭のうち8頭が凡走データに当てはまった。新たに消えるのはサトノルフィアン、メイショウテンスイ、そして除外対象のベルダーイメルの3頭だ。
【今年の該当馬】
・サトノルフィアン
・(ショウナンライシン)
・(ナスティウェザー*)
・(ナチュラルハイ*)
・(バトルクライ*)
・ベルダーイメル*
・(ペリエール)
・メイショウテンスイ
『前走がJRAのリステッド未満』×『前走馬体重500kg未満』★7.7%★
最後は前走クラスに注目した。前走でJRAのリステッド未満、つまりオープン特別以下のレースを走っていた馬は【1-5-4-46】(複勝率17.9%)。前走重賞組やリステッド組に比べて大きく劣るわけではない。ただし、前走馬体重が500kg未満だった馬に限定すると、【0-1-1-24】(同7.7%)で複勝率は10%を下回った。
今年は以下の3頭がこのデータに当てはまった。ロードフォンスは3勝クラス、オープンを連勝中と勢いに乗るが、初めての重賞挑戦で壁にぶち当たる可能性が高いとみた。
【今年の該当馬】
・アルファマム
・バトゥーキ*
・ロードフォンス
5つの条件を終えて残ったのは、アームズレイン、サンライズフレイム、タガノビューティー、バルサムノート、フリームファクシの5頭。この中から前走のJBCスプリントで悲願の重賞制覇を果たしたタガノビューティーを本命に挙げたい。
8歳という年齢に加えてメンバーで唯一の斤量59.0kgはかなりのハンデとなるだろう。ただ、これまで58kgにはしっかり対応しており、むしろオッズ妙味が生まれると判断する。中間の追い切り時計を見ても今が充実期だ。
馬券はタガノビューティーの単複、サンライズフレイムとのワイドを厚めに買いたい。また三連複をタガノビューティー1頭軸で残った4頭に流す。なお、1番人気が予想されるフリームファクシはあくまでも押さえ評価までとする。
【ライタープロフィール】
八木 遊
野球兼競馬ライター。スポーツデータ会社やテレビ局の校閲職などを経てフリーに。2023年8月から長期休養に入っていたが、24年6月に再開。今年はワイドを中心にコツコツ的中を狙う。
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