近年は雄大な馬体を持つ馬が勝利
今週は根岸Sが開催される。過去にはノンコノユメやコパノキッキング、モズアスコットといった名馬が勝利。秋開催だった2000年以前もフジノマッケンオーやブロードアピールなどが勝利してきた。
フェブラリーSへの前哨戦としても注目を集める一戦。今回は1986年のオープン時代も含めた根岸Sの記録を振り返る。データはすべて1986年以降のものとなる。
まずは馬体重に注目する。昨年の覇者、エンペラーワケアは534kgの雄大な馬体の持ち主。さらに2023年の勝ち馬レモンポップも馬体重522kgでの勝利だった。重さ順で勝ち馬の馬体重をランキングにすると以下のようになる。
<勝ち馬の馬体重ランキング>
1位 554kg テイエムサウスダン(2022年)
2位 534kg エンペラーワケア(2024年)
3位 526kg モーニン(2016年)
4位 522kg レモンポップ(2023年)
5位 518kg ビッググラス(2007年)
5位 518kg メイショウマシュウ(2013年)
1、2、4位は2022~2024年の勝ち馬で、近年は雄大な馬体の持ち主による勝利が続く。今年はクラスターCを600kg超えの馬体重で制したドンフランキーが登録している。以前の馬体重を維持しつつ、今回勝利すれば、テイエムサウスダンの記録を上回る。
1位のテイエムサウスダンはサウスヴィグラス産駒最後の中央重賞勝ち馬でもある。同馬は14世代を出したサウスヴィグラスにおける13世代目の産駒であり、2歳時に兵庫ジュニアグランプリを制するなど早くから活躍を果たした。
根岸Sには計3回出走した。初めての出走となった2021年は13着に終わったものの、そこから1年で交流重賞3勝をあげて翌年、再び根岸Sに挑戦。タガノビューティーなど強敵はそろっていたが1馬身差で完勝し、次走のフェブラリーSでも2着と好走した。2023年は根岸S連覇を狙ったが、14着大敗。この時の勝ち馬はレモンポップだった。
テイエムサウスダンは馬体重554kgで根岸Sを制覇したが、デビュー時の馬体重516kgからは40kg近く増加しており、成長したたくましい馬体を見せての勝利だった。またこの勝利で、2002、2003年に同レースを連覇した父サウスヴィグラスとの親子制覇も達成した。
テイエムサウスダンは、7歳になった2024年からは地方馬として現役を続けている。2025年の初戦は佐賀の重賞、ゴールドスプリントに出走し、勝ち馬から3.3秒離されたシンガリ負けを喫した。ここからの復活劇に期待したい。
ちなみに、根岸S制覇時に3着だった同期タガノビューティーは、昨秋にJBCスプリントを制覇。今年は根岸Sでの始動を予定している。
3位のモーニンは2016年の根岸Sに挑戦。当時は5戦4勝、3着1回という安定した経歴だった。初めての重賞挑戦だった前走の武蔵野S3着から臨み、新コンビの戸崎圭太騎手とともに勝利。そのまま次走のフェブラリーSも制覇した。フェブラリーSでは武蔵野Sで先着を許したノンコノユメ、タガノトネールを撃破し、リベンジを果たしての勝利だった。
その後は国内GⅠ未勝利で終わったモーニンだが、韓国のGⅠであるコリアスプリントを制するなど7歳まで現役で活躍。引退後は種牡馬になり、初年度から交流重賞の雲取賞勝ち馬ブルーサンを出した。