傾向解説
中山芝2200m(外)を舞台に行われるAJCC(アメリカジョッキークラブカップ)。特殊なコースレイアウトで施行されるため、中山芝2200m巧者には要注意の一戦です。
同コースで行われる重賞競走はセントライト記念、AJCC、オールカマーの3レース。古馬重賞の2つはともに別定戦のためリピーターが走りやすく、素直にコース実績を信頼していい舞台といえるでしょう。
◆中山芝2200m重賞(AJCCを含む)の複数回好走馬の例
ミトラ:2015年AJCC2着、2015年オールカマー3着
ゼーヴィント:2016年セントライト記念2着、2017年AJCC2着
タンタアレグリア:2017年AJCC1着、2017年オールカマー3着
ミッキースワロー:2017年セントライト記念1着、2018年AJCC2着、2019年オールカマー2着
ダンビュライト:2018年AJCC1着、2018年オールカマー3着
ステイフーリッシュ:2020年AJCC2着、2020年オールカマー3着
ラストドラフト:2020年AJCC3着、2021年AJCC3着
ボッケリーニ:2022年AJCC3着、2024年AJCC2着
血統面での注目はSadler's Wells。もともと後半の持続力勝負になりやすいコースですが、AJCCは連続開催の最終日にあることから、よりスタミナや底力が必要な舞台となっています。そこで強さを発揮するのが欧州で最大勢力を築く同馬の血。過去10年で5頭の勝ち馬を輩出するなど圧倒的な実績を残しています。
また、同様の理由からRobertoも注目血統のひとつ。元来、Sadler's WellsとRobertoは好走条件が似ており、AJCCにおいても両馬の馬力やスタミナは大きなアドバンテージとなっています。
特に、Roberto系ではシンボリクリスエス→エピファネイアなどが出るKris S.系よりもブライアンズタイムやSilver Hawk、リアルシャダイなどのスタミナ系統の方が強さを発揮するため、Roberto系の分類にも注目してみるといいでしょう。
日本の最大勢力であるサンデーサイレンス系ではステイゴールドに注目。こちらも、このレースに限らずSadler's WellsやRobertoとは好走条件が似ているため、2016年7番人気3着のショウナンバッハ(父ステイゴールド)や2022年11番人気2着のマイネルファンロン(父ステイゴールド)など複数の穴馬が好走しています。
ちなみに昨年は不良馬場での開催でしたが、Roberto内包馬であるチャックネイト、ボッケリーニが1、2着、Nureyev(≒Sadler's Wells)の5×4を持つクロミナンスが3着と、血統傾向通りの決着となりました。
<血統別成績(過去10年)>
Sadler's Wells内包馬【5-2-1-21】
勝率17.2%/連対率24.1%/複勝率27.6%/単回収率248%/複回収率90%
Roberto内包馬【4-6-4-39】
勝率7.5%/連対率18.9%/複勝率26.4%/単回収率38%/複回収率119%
ステイゴールド内包馬【0-3-4-17】
勝率0.0%/連対率12.5%/複勝率29.2%/単回収率0%/複回収率158%