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冬の小倉で狙える騎手は誰? 藤岡佑介騎手は“芝の上位人気”でも目が離せない

2025 1/21 17:00高橋楓
1、2月の小倉競馬場 単勝回収率ランキング,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

騎手の特徴を知ることが重要

どれだけ一流の騎手であったとしても、コースによって勝率や回収率に差は生まれるものだ。昨年、リーディングジョッキーに輝いたC.ルメール騎手も勝率33.9%(新潟競馬場)~12.1%(中京競馬場)のように大きな開きがあった。

いつも無条件で買い続けるのではなく、得意不得意を知ることも馬券を購入するうえでは重要だ。

さて、今回は今週末から開幕する小倉競馬で狙えるジョッキーを紹介していく。集計期間は2020~2024年の1、2月の5年間とする。

芝は藤岡佑介騎手が高回収率

はじめに小倉競馬場で10勝以上している騎手を単勝回収率順に見ていこう。

冬の小倉競馬 回収率ランキング,ⒸSPAIA


<冬の小倉競馬 騎手の回収率ランキング>
1位 藤岡佑介【40-18-22-151】単勝回収率125%/複勝回収率86%
2位 小沢大仁【11-6-10-139】単勝回収率121%/複勝回収率105%
3位 松本大輝【13-12-9-114】単勝回収率112%/複勝回収率92%
4位 松若風馬【18-13-5-136】単勝回収率106%/複勝回収率63%
5位 菅原明良【11-6-4-90】単勝回収率106%/複勝回収率65%

このなかでも特徴的なデータを持つ2名に注目してデータを見ていく。まずはトップの藤岡佑介騎手。特筆すべきは芝とダートで成績に大きく差がある点である。

芝【33-15-13-110】単勝回収率148%/複勝回収率80%
ダート【7-3-9-41】単勝回収率59%/複勝回収率103%

ちなみにダートの勝ち星はすべて1700m戦であげている。それでは単勝回収率148%を記録している芝の成績をもう少し詳しく見ていこう。

<藤岡佑介騎手 芝の距離別成績>
1200m【14-3-7-51】単勝回収率116%/複勝回収率76%
1800m【7-2-2-30】単勝回収率273%/複勝回収率84%
2000m【9-8-3-22】単勝回収率100%/複勝回収率85%
2600m【3-2-1-7】単勝回収率93%/複勝回収率78%

1200m戦と1800m戦は単勝が二桁人気の馬で1回ずつ勝利しているとはいえ、基本は3番人気以内の馬での勝利が多く、安定した成績を残している。

芝の3番人気以内だと勝率34.2%、連対率46.8%、複勝率55.7%、単勝回収率128%を記録。回収率は少し落ちるが、好走率はグッと上がる。芝の藤岡佑介騎手は軽視できないことを覚えておきたい。

次にデビュー5年目を迎える松本大輝騎手。まだ人気馬にそこまで多く騎乗機会がない中で13勝をマークしている。注目すべきは特定人気のときに良績が集中していることだ。

<松本大輝騎手 人気別成績>
1番人気【4-1-0-2】単勝回収率167%/複勝回収率100%
2~5番人気【1-9-3-15】単勝回収率21%/複勝回収率95%
6番人気【3-0-1-3】単勝回収率672%/複勝回収率195%
7番人気【4-0-0-11】単勝回収率546%/複勝回収率97%
8番人気以下【1-2-5-83】単勝回収率21%/複勝回収率82%

直前まで人気は確定しないため、なかなかピンポイントで狙い撃つのは難しいかもしれないが、中穴の6、7番人気の馬に松本大輝騎手が騎乗するときは狙いどき。ということを覚えておくと、思わぬ高配当にありつけるかもしれない。

絶好の狙い所は「浜中俊騎手」×「ダート1700m」

次にコースごとに回収率が上昇する騎手を探していきたい。特徴的なデータがあったのは「芝2000m」と「ダート1700m」だ。まずは芝2000m戦から見ていこう。

冬の小倉競馬 芝2000m戦 ピックアップ騎手,ⒸSPAIA


<芝2000m戦のピックアップ騎手>
横山和生【7-4-3-11】単勝回収率174%/複勝回収率132%
丹内祐次【12-8-6-67】単勝回収率102%/複勝回収率79%

横山和生騎手は特に未勝利戦での成績が良く【5-1-1-4】で単勝回収率335%、複勝回収率111%と好成績を残している。近2年は騎乗機会がなかったが、チャンスがあればぜひ狙いたい。

丹内祐次騎手は牝馬限定戦で【6-2-1-15】と勝ち星の半分をあげ、単勝回収率130%になることを覚えておきたい。

次にダート1700m戦を見てみよう。

冬の小倉競馬 ダート1700m戦 ピックアップ騎手,ⒸSPAIA


<ダート1700m戦のピックアップ騎手>
浜中俊【11-6-4-23】単勝回収率181%/複勝回収率119%
佐々木大輔【5-4-6-33】単勝回収率148%/複勝回収率103%
亀田温心【7-4-5-65】単勝回収率136%/複勝回収率92%
泉谷楓真【6-7-4-31】単勝回収率130%/複勝回収率106%

この中でも人気馬に乗る機会が多い浜中俊騎手の回収率が181%もあることに驚いた。全11勝すべてを6番人気以内でマークしており、もっとも単勝配当がついたレースでも1,660円。それだけにこの単勝回収率がいかに優れているかが分かる。ダート1700m戦では必ずマークシートに塗っておきたい騎手だ。

乗り替わりは藤岡佑介騎手、継続騎乗は横山和生騎手

最後に総合成績で10勝以上をマークしている騎手の中から「乗り替わり」と「継続騎乗」のときに単勝回収率が上昇する騎手を調べていく。

冬の小倉競馬 乗り替わりで狙える騎手,ⒸSPAIA


<乗り替わりで狙える騎手>
藤岡佑介【21-12-17-101】単勝回収率144%/複勝回収率93%
菅原明良【6-5-3-64】単勝回収率125%/複勝回収率72%
鮫島克駿【28-24-18-164】単勝回収率121%/複勝回収率96%
松本大輝【8-7-5-79】単勝回収率113%/複勝回収率82%
松若風馬【11-8-5-93】単勝回収率113%/複勝回収率64%

20勝以上しながら単勝回収率100%を超えている騎手が2名いる。藤岡佑介騎手は総合ランキングで1位の成績を残しており、乗り替わりでも心配無用。また佐賀県出身の鮫島克駿騎手は昨冬に16勝中14勝を乗り替わりでマークしており、今シーズンも要注目だ。

次に、継続騎乗の成績を見てみよう。

冬の小倉競馬 継続騎乗で狙える騎手,ⒸSPAIA


<継続騎乗で狙える騎手>
小沢大仁【5-3-4-44】単勝回収率248%/複勝回収率146%
横山和生【14-3-5-28】単勝回収率177%/複勝回収率92%
団野大成【8-8-7-30】単勝回収率151%/複勝回収率120%
松若風馬【7-5-0-38】単勝回収率101%/複勝回収率66%

単勝回収率100%オーバーを記録したのは上記の4名。中でも横山和生騎手と松若風馬騎手は二桁人気での勝利がない中でこの数字をマークしている。横山和生騎手は芝2000mでもピックアップしており、あわせて狙ってみたい。

《ライタープロフィール》
高橋楓。秋田県出身。
サクラローレルの馬体の美しさに魅せられて競馬の世界に惹きこまれる。他に好きな馬はホクトベガ、サイレンススズカ。一口馬主を趣味とし、楽しさを伝える事にも注力している。
競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』にてライターデビュー。競馬、ボートレースの記事を中心に執筆している。

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