傾向解説
皐月賞と同じ中山芝2000mを舞台に行われる京成杯。GⅠ戦線に乗り遅れた馬のための賞金加算の舞台ともいえ、春のクラシック本番に向けて非常に重要な一戦です。本記事では血統面を中心に、京成杯のレース傾向を整理していきましょう。
まず、紹介したいデータは前走距離別成績。過去10年の馬券圏内馬30頭中29頭が前走芝1800~2000mからのローテーションで、マイル以下からの距離延長馬には厳しいレースとなっています。
もともと中山芝2000mは若駒にはタフなコースレイアウトですが、前年末からの連続開催により馬場の消耗が進んでいることもこの傾向に大きく関係しているのでしょう。先行馬の苦戦傾向もこの適性予想を裏付けており、やはりスピードだけでは乗り切れないレースといえそうです。
<前走距離別成績(過去10年)>
1400m【0-0-0-1】
勝率0.0%/連対率0.0%/複勝率0.0%/単回収率0%/複回収率0%
1600m【0-1-0-16】
勝率0.0%/連対率5.9%/複勝率5.9%/単回収率0%/複回収率64%
1800m【4-1-1-31】
勝率10.8%/連対率13.5%/複勝率16.2%/単回収率108%/複回収率47%
2000m【6-8-9-59】
勝率7.3%/連対率17.1%/複勝率28.0%/単回収率49%/複回収率77%
血統面では、Sadler's WellsやRobertoといった重厚な中長距離血統の活躍が目立ちます。前述の通り、スピード重視のマイラーには厳しいレースですから、中長距離血統の活躍は当然の血統傾向といえるでしょう。
特に2016年1着プロフェット、2022年3着ヴェローナシチー、2024年1着ダノンデサイルはRobertoのクロス、2015年3着クルーガー、2018年3着イェッツト、2020年2着スカイグルーヴ、2022年1着オニャンコポンはNureyev≒Sadler's Wellsの3/4同血クロスを持つなど、近年は中長距離血統が豊富な馬の好走が目立ちます。
また、現役種牡馬ではハービンジャーの血を引く馬に注目。2015年にはベルーフ、2016年にはプロフェットが2年連続で本レースを制し、昨年も母父にハービンジャーの血を持つアーバンシックが2着に入るなど多くの好走馬を出しています。
<血統別成績(過去10年)>
Sadler's Wells内包馬【4-1-7-18】
勝率13.3%/連対率16.7%/複勝率40%/単回収率101%/複回収率129%
Roberto内包馬【6-4-8-37】
勝率10.9%/連対率18.2%/複勝率32.7%/単回収率102%/複回収率103%
ハービンジャー内包馬【2-2-1-7】
勝率16.7%/連対率33.3%/複勝率41.7%/単回収率138%/複回収率124%