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【シンザン記念】本命は近年のトレンド「1戦1勝馬」 前走場所も好データに合致

2025 1/9 11:00門田光生
シンザン記念のキャリア別成績(過去10回),ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

新馬戦組が好調

2025年1月13日に、今年は中京競馬場で行われる第59回シンザン記念。日程的に阪神JFや朝日杯FS、そしてホープフルSの上位馬の出走は望みづらいとはいえ、2018年の1着馬アーモンドアイ(牝馬三冠など)を筆頭に、2016年2着ジュエラー(桜花賞優勝)、2021年1着ピクシーナイト(スプリンターズS優勝)、2022年1着マテンロウオリオン(NHKマイルC2着)など、上位入線馬の中には、後のGⅠ活躍馬も多数含まれている。

そんな彼ら、彼女らも3歳になったばかりの頃は、まだ素質馬の1頭に過ぎなかった。今年もダイヤの原石は転がっているのだろうか。楽しみいっぱいのこのレースには、果たしてどんな傾向が出ているのか。過去10年の成績を基にして傾向を調べていこう。

☆所属
美浦2勝(3連対)、栗東8勝(17連対)。この数字だけで見ると栗東所属馬が圧倒しているが、勝率と連対率は美浦所属馬の方が上。複勝率だけ栗東所属馬が上回っている。東西の差はなしとしておく。

出走馬の所属,ⒸSPAIA


☆性別
牡馬、セン馬が7勝(15連対)、牝馬が3勝(5連対)。数字こそ少ないが牝馬は勝率14.3%、連対率23.8%と大きく上回っている。複勝率もわずかだが上で、ここは牝馬優勢としたい。

出走馬の性別,ⒸSPAIA


☆キャリア
キャリア1、2戦で計7勝。勝率、連対率ともに優秀だ。そのほかでは、キャリア5戦も、好走率が高い。一方、キャリア3、6戦からは勝ち馬が出ておらず、7戦以上では馬券に絡んだ馬がいない。

出走馬のキャリア,ⒸSPAIA


☆前走クラス
勝ち馬が出ているのは、新馬、未勝利、1勝クラス、そしてGⅢ組。最も多く連対馬が出ているのは1勝クラス組で、8頭(4勝)が連対している。勝率がいいのは新馬組で15.0%もある。またサンプル数は少ないが、GⅢ組も【2-0-0-6】と悪くない。

出走馬の前走クラス,ⒸSPAIA


☆前走着順
前走1着馬が5勝(11連対)。1、2着馬の半分以上を占めている。ただ、好走率としては特に目立ったものではない。好走率が高いのは前走2着馬で【2-1-0-7】勝率20.0%、連対率30.0%。前走5着以下となると、好走率は一気に下がってしまう。

出走馬の前走着順,ⒸSPAIA


☆前走着差
前走1着馬を比較すると、「着差0.2秒以上」が「着差0.1秒以内」と比べて、かなり高い好走率となっている。

また、1.2秒以上で負けた馬は3着以内に1頭もきていない。

出走馬の前走着差,ⒸSPAIA


☆前走人気
前走で1番人気に支持されていた馬が6勝(11連対)。勝率、連対率、複勝率も抜けて高い。同2番人気や5番人気以下の数字は可もなく、不可もなくといったところ。

良くないのは前走3、4番人気で、該当する24頭から連対馬は出ていない。

出走馬の前走人気,ⒸSPAIA


☆前走距離
前走が1200m、もしくは2000mで、連対した馬は1頭もいない。

出走馬の前走距離,ⒸSPAIA


☆前走場所
前走が東京競馬場だった馬が勝率23.8%と良好。一方、サンプルが10頭以上いて、勝ち馬が出ていないのは、前走で中京競馬場を走っていた馬。今年は中京開催だが、中京で行われた3回のデータに絞っても【0-1-0-6】となっている。

出走馬の前走場所,ⒸSPAIA


☆その他
その他で気になったデータは2つ。まず毛色で、栗毛の勝ち馬は出ていない。また、前走がダートだった馬はすべて着外だった。

その他のデータ,ⒸSPAIA


まずは抽選突破を……

シンザン記念のデータをまとめてみよう。

【好走率アップ】
A「牝馬」
B「キャリア1、2戦」
C「前走2着」
D「前走着差0.2秒以上で勝利」
E「前走1番人気」
F「前走東京競馬場」

【勝率ダウン】
G「前走5着以下」

【勝ち馬なし】
H「キャリア3、6戦」
I「前走GⅠ、GⅡ」
J「前走中京競馬場」
K「栗毛」

【連対馬なし】
L「キャリア7戦以上」(該当馬なし)
M「前走着差1.2秒以上で負け」
N「前走3、4番人気」
O「前走1200m、2000m」
P「前走ダート」

まず、プラスデータを勝率順に並べてみる。結果は「F>C>E>B(キャリア1戦)>A>B(キャリア2戦)>D」となる。

出走登録馬24頭のうち、プラスデータを最も多く持つ馬はエリカエクスプレス(ABDE)、ゴールデンカイト(BDEF)、ホウオウガイア(ABCF)の3頭。このうち、ゴールデンカイトは(P)、ホウオウガイアは(NO)という、連対馬が出ていないデータを持っているので、印候補からは除外する。

残ったエリカエクスプレスを本命……としたいところだが、残念ながら同馬は前日に開催されるフェアリーSへの出走が本線のようだ。データとしては文句なしだが、「注」印としておく。

続いて、プラスデータ3つを持つのは、エストゥペンダ(ADF)、カラヴァジェスティ(BEF)、グラフィティアート(BDE)、マイエレメント(ABF)、リラエンブレム(BDE)の4頭。このうち、マイエレメントは連対馬が出ていない(N)に該当するので除外だ。

マイナスデータを持たないのは、カラヴァジェスティとリラエンブレム。共通で持つ(BE)以外の1データで両者を比較すると、前者の持つF「前走東京競馬場」の方が、後者のD「前走着差0.2秒以上で勝利」よりも好走率で上回っているので◎カラヴァジェスティ、◯リラエンブレムとする。

この2頭は、2年連続で優勝馬が出ている「1戦1勝馬」であり、ここ最近のトレンドとも合致する。

残るエストゥペンダとグラフィティアートは、勝ち馬が出ていないHとKを持つが、相手候補としてなら大きな問題はないと判断。ただし、エストゥペンダもフェアリーSが本線のようなので「注」印。グラフィティアートを▲とする。

◎カラヴァジェスティ
◯リラエンブレム
▲グラフィティアート
注エリカエクスプレス
注エストゥペンダ

《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想などを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて園田・姫路競馬を中心に予想・記事を執筆中。
昨年12月23日から始まった連続勤務も、ようやく終わりが見えてきました。得たものはお金(ほぼ馬券)、失ったものは健康。休みがきたら、1日中寝たいです。

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