3つのファクターから推奨馬を見つけ出す
12月14日(土)に中山競馬場で行われるターコイズSについて下記3つのファクターを組み合わせる、コンプレックスアナライズで分析を行っていく。
・レースの好走馬及び凡走馬の共通項を探る「重要データ」
・目には見えない上積みを探る「前走の内容」
・適性と素質を知るための「血統評価」
特別登録のあった20頭を検討対象とし、オープンクラス時代の2014年も含めた過去10年のデータを使用する。
12月14日(土)に中山競馬場で行われるターコイズSについて下記3つのファクターを組み合わせる、コンプレックスアナライズで分析を行っていく。
・レースの好走馬及び凡走馬の共通項を探る「重要データ」
・目には見えない上積みを探る「前走の内容」
・適性と素質を知るための「血統評価」
特別登録のあった20頭を検討対象とし、オープンクラス時代の2014年も含めた過去10年のデータを使用する。
ターコイズSは牝馬限定のハンデ戦ということもあり様々なクラスからの出走がある。そのため、前走クラスは重要なデータの一つだ。
データ上、割引としたいグループはGⅢ、GⅡ組。GⅢ組は【1-1-1-19】単勝回収率25%、複勝回収率32%と低調。GⅡ組は【2-1-3-23】単勝回収率41%、複勝回収率70%と、GⅢ組よりは数字が高いものの、こちらも狙いづらい。
OP・L組は【1-3-3-32】単勝回収率12%、複勝回収率135%で勝ち切るところまではいかないが、人気薄の馬が馬券圏内に入っている印象。ハンデ戦らしいデータと言える。
好相性のとなるグループは3勝クラス組とGⅠ組の二つ。3勝クラス組は【2-3-1-26】単勝回収率119%、複勝回収率88%で、強い勝ち方をしてきた馬が斤量の恩恵を生かして勝ち切ることがある。GⅠ組は【4-1-2-26】単勝回収率126%、複勝回収率74%。GⅠを走っていたということから実力が上位であるのは確かだ。斤量が重くなりやすいなかで、ハンデキャッパーの見立て以上に結果を出していることがうかがえる。
今回は前走のカシオペアSを勝利したアルジーヌ、ヴィクトリアマイルとクイーンSで連続4着のドゥアイズや、春にフラワーCを勝ち、前走の秋華賞で6着だったミアネーロなどが出走予定。この3頭が上位人気になると予想される。
データ上は、アルジーヌが前走OP・Lで加点も割引もなし、ドゥアイズが前走GⅢで割引、ミアネーロが前走GⅠで加点となる。
【前走が3勝クラス or GⅠの出走予定馬】
・アドマイヤベル
・ビヨンドザヴァレー
・ミアネーロ
・ワイドラトゥール
前走秋華賞組は6着のミアネーロと12着のアドマイヤベルが出走予定だ。今年の秋華賞は前半5F57.1秒、後半5F60.0秒で前傾2.9秒のペース。ただ、セキトバイーストが一頭飛ばして逃げて、離れた2番手にクリスマスパレード、さらに後ろに3番手以下の馬たちといった隊列だった。60秒前後で前半1000mを通過していた3番手以下に関してはスローペースという判定でいいだろう。
上位の3頭はいずれも差してきたが、ペースに恵まれたわけではなく、実力がかなり高かったことによる好走とみている。ミアネーロは道中10、11番手から追い上げて6着。十分評価できる内容だ。対してアドマイヤベルは道中4~6番手での競馬。絶好のポジションだったにも関わらず12着と負けてしまったあたり、ミアネーロとの実力差は大きい。
・ミアネーロ
日本での牝祖は母ミスエーニョ。3代母Sassy Pantsが優秀で、産駒にはアッシュランドS(GⅠ・ダート8.5F)を勝利し、本馬の祖母でもあるMadcap Escapade(父Hennessy)と、バレリーナBCS(GⅠ・ダート7F)勝ちのDubai Escapade(父Awesome Again)という2頭のGⅠ馬がいる。
また、母ミスエーニョは現役時にデビュータントS(GⅠ・AW7F)を勝利。本馬の半姉にはファンタジーS勝ちのミスエルテがいて、繁殖としても優秀だ。
元々アメリカのダートで走れるファミリーのため、パワーは十分。ミスエーニョがスピードタイプだったことで、日本のスピードタイプの芝種牡馬をつければ芝で走れる馬が出ている。
本馬は父がドゥラメンテで成長は遅め。春先に重賞を勝ってはいるが、その頃よりもさらに力をつけてきている。ピッチで走るタイプだけに距離短縮は歓迎。坂を下りながらロングスパートをかける京都コースから中山コースに替わるのもプラスだ。
今回はミアネーロを推奨する。前走秋華賞は着順以上に強い内容。データとしても前走GⅠ組は過去10年で4勝、単勝回収率126%と好相性だ。
過去、中山マイルの菜の花賞では人気を裏切って負けているが、当時は馬体が緩く、仕上がりも完成度もかなり低かった。フラワーC、紫苑Sの結果を見ても、中山コースは得意中の得意。距離に関してもピッチ走法である点から短縮は歓迎とみる。
そのほか人気想定の馬を見ると、アルジーヌもドゥアイズも中山の経験がないことに加え、血統や走法から中山替わりがプラスに働くとは思えない。オッズ的には三つ巴になりそうだが、ここはミアネーロを信頼する。
【ライタープロフィール】
貴シンジ
競馬ライター。サラブレッドの血統をファミリー中心に分析する牝系研究家。3つのファクターから構築する「コンプレックスアナライズ」を駆使して競馬予想を行う。WEBサイト『ウマフリ』で「牝系図鑑」も連載中。競馬予想のほか商業誌での執筆、一口馬主クラブ募集馬やセリ馬の血統分析、血統の魅力の伝承、繁殖牝馬の配合提案などを独自の切り口から行う。
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