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【チャンピオンズC】「前走地方JpnⅠで負けた馬」が複回収率167%! データで導く穴馬候補3頭

2024 11/28 17:00鈴木ユウヤ
チャンピオンズカップ2024 データで探す穴馬候補,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

データで見る「穴候補3頭」

今週日曜の中京メインはチャンピオンズC。下半期にJRAで行われる唯一のダートGⅠ競走だ。

先週のジャパンCとは打って変わって、当レースは過去10年で3連単の平均配当が29万円超、8番人気以下が10頭馬券に絡むなどよく荒れている。舞台となる中京ダート1800mは外を回ると不利が大きいコース形態で、枠順や立ち回りによる紛れがしばしば起こる。

今年、残るGⅠで大穴馬券を狙うなら、ここかホープフルSの2択だろう。今回も様々な切り口のデータを駆使して3頭の穴候補を導き出した。

「地方JpnⅠで負けた馬」は絶好の狙い目 ペプチドナイル

まず1頭目はペプチドナイル。フェブラリーSで11番人気の低評価を覆したGⅠ馬だが、想定オッズを見るに今回も人気はそこまで上がらず4~5番人気くらいで買えそうな情勢だ。

チャンピオンズCでは毎年、南部杯やJBCといった地方交流の大レースを使ってきた馬と、シリウスS、みやこS、武蔵野SなどJRAの前哨戦を叩いてきた馬が合流する。一見、比較が難しいようでいて、これは明確に「JpnⅠ組」が上と考えてよい。

賞金を十分に持っているトップ層は基本的にJpnⅠ(あるいは海外遠征)に回るため、JRAの前哨戦はそうでない馬中心のメンバー構成になる。往々にしてレースレベルに大きな差がある。

チャンピオンズC 前走レース別成績,ⒸSPAIA


過去10年のデータを見る。前走がJpnⅠ(※京都開催の18年JBCはこちらに含める)だった馬は【8-6-4-45】複勝率28.6%、単回収率196%、複回収率134%。一方のJRAダート重賞組は【1-4-5-62】複勝率13.9%、単回収率10%、複回収率58%と劣勢だ。まずは前走JpnⅠ組に狙いを絞る。

ただし、前走JpnⅠだった馬のうち、その勝ち馬は【2-1-0-12】とあまり振るわないことに注意。砂質もコース形態も違う地方→中央の連勝は難しいようだ。2着以下【6-5-4-33】複勝率31.3%、単回収率245%、複回収率167%の方が馬券的には狙い目だ。

南部杯では2着に敗れたペプチドナイルだが、ダート1800m以上では5勝を挙げた実績がある。先着を許したレモンポップは1600m以下がベターの馬。200m延長で逆転可能だ。フェブラリーSの勝ち方も前半3F33.9秒のハイペースで他の先行勢が軒並み潰れる中、4番手から早めに抜け出して押し切る強い内容だった。春秋統一王者になるだけの能力は有している。

「前年の4着以内馬」が複回収率180% ドゥラエレーデ

2頭目はドゥラエレーデを挙げる。芝GⅠ・ホープフルSの勝ち馬にして、ダートとの両刀使い。昨年のこのレースは3着だった。

チャンピオンズC 前年着順別成績,ⒸSPAIA


他の秋GⅠでも登場した観点だが、このチャンピオンズCも「リピーターレース」の側面がある。昨年の好走馬が再び上位に走ってくる。

名称変更&中京移転の翌年(2015年)以降で「前年の4着以内馬」は【3-2-1-15】複勝率28.6%、単回収率455%、複回収率180%という成績。なお回収率は15年に12番人気で勝ったサンビスタが跳ね上げているが、仮にそれを除いても単複ともに100%超。芝に比べて新陳代謝が緩やかなダート路線だけあって、前年実績馬は侮れない。

また「前年4着以内馬」の好走6例はいずれも「前走0.3秒差以上負け」からの参戦だった。ドゥラエレーデはみやこS大敗からの出走となるが、それで人気を落とすならむしろ好都合と解釈しよう。

前走の負けは内でかなり揉まれてしまい、力を出し切れなかったもの。昨年のチャンピオンズC、東京大賞典のように先行して砂を被らない形で運べれば変わり身があるはずだ。

ダート1800mの穴男・菱田裕二 アーテルアストレア

ラストは紅一点のアーテルアストレアを選ぶ。いずれも牝馬限定とはいえ交流重賞3勝の実績馬。JBCレディスクラシックではなく、あえてコチラに挑んできた。鞍上は落馬負傷から復帰した主戦の菱田裕二騎手に戻る。

菱田裕二騎手の条件別成績,ⒸSPAIA


菱田騎手はダート1800m戦が得意。過去5年で【23-24-18-195】複勝率25.0%、単回収率113%、複回収率118%と黒字圏内に入っている。このうち、6番人気以下なら複回収率は145%までアップ。「ダ1800mの穴男」としてマークしておきたいジョッキーだ。

アーテルアストレアは左回り巧者で、中京ダ1800mでも4勝を挙げている。コース適性は申し分ない。問題は牡馬との力関係に尽きる。

基本的にダート中距離のトップクラスは牡馬の方が牝馬より強く、牝馬がJRAの牡馬混合ダートGⅠで馬券に絡んだのはわずか5例。近20年ではサンビスタとソダシの2頭に限られる。人気薄になって当然だ。

ただし、今年はJpnⅠ・川崎記念でグランブリッジ、アイコンテーラーの牝馬2頭が馬券に絡んだ。路線としての牡牝格差は例年ほど大きくない。そしてアーテルアストレアは前走、その2頭と0.1秒差だった。得意舞台でパフォーマンスを上げてくれば馬券圏内に食い込む余地はある。

<ライタープロフィール>
鈴木ユウヤ
東京大学卒業後、編集者を経てライターとして独立。中央競馬と南関東競馬をとことん楽しむために日夜研究し、X(Twitter)やブログで発信している。好きな馬はショウナンマイティとヒガシウィルウィン。

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