「スポーツ × AI × データ解析でスポーツの観方を変える」

【みやこS】3歳馬サンライズジパングがJDC3着から参戦 アウトレンジ、ロードアヴニールらオープン特別組も見逃せない

2024 10/27 17:30勝木淳
直近9回のデータから見るみやこS,ⒸSPAIA
このエントリーをはてなブックマークに追加

ⒸSPAIA

格の上下差なし、実力接近の激戦

このレース翌日の月曜日には佐賀と門別でJBCが行われる。ダート界のトップ戦線は年末まで実に忙しない。

そんなトップ戦線に食い込むためには賞金という壁を乗り越えなければならない。地方交流など賞金ボーダーが非常に高い中距離は重賞1勝ぐらいでは心もとない。だからこそ、JRAのダート重賞はハイレベルになる。

まずは中央で賞金を積まないことには先へ進めない。そんな決死の陣営が集えば、レースは必ずや厳しくなる。みやこSもチャンピオンズCの優先出走権だけではなく、その先を見据えた馬たちによる激しいサバイバルレース。忙しないトップ戦線への挑戦をかけた戦いになる。

データは過去10年分を使用する。ただし、2018年はJBC京都開催のため中止、20~22年は阪神で行われたので、注意しよう。


人気別成績,ⒸSPAIA


1番人気、2番人気どちらも【2-1-1-5】勝率22.2%、複勝率44.4%。以下、4番人気【1-1-2-5】勝率11.1%、複勝率44.4%、7番人気【2-0-1-6】勝率22.2%、複勝率33.3%など下位人気まで差がなく、実力接近の激戦であることが伝わる。

格の上下はないに等しく、いかに適性で上回るか、状態でライバルを凌駕するか。この見極めがポイントになりそうだ。


年齢別成績,ⒸSPAIA


経験を積み、いよいよ賞金加算を。そんな状況にある4歳が【4-2-0-25】勝率12.9%、複勝率19.4%で上位。5歳は【2-3-4-36】勝率4.4%、複勝率20.0%と落ちるも、6歳が【2-1-1-15】勝率10.5%、複勝率21.1%と高い。

若さか、経験か。実績を積み上げたベテランの壁を越えられるかどうかがカギを握る。


好相性のオープン特別とは

シリウスS2着オメガギネス、平安Sを制したミトノオーら重賞実績を積んだ4歳が上位人気を形成しそうだ。そこにロードアヴニールら伸びしろを感じる馬たちが挑み、ゲンパチルシファーやミッキーヌチバナ、プロミストウォリアらが立ちはだかる。

そして、3歳サンライズジパングが新設されたジャパンダートクラシック3着を引っ提げて参戦。世代幅の大きい戦いだ。


前走クラス別成績,ⒸSPAIA
前走GⅢ・主なレース別成績,ⒸSPAIA


今年は前走重賞組とオープン特別組が激突。その取捨がカギを握りそうな予感だ。

前走GⅢ【2-3-5-35】勝率4.4%、複勝率22.2%から傾向をみる。内訳に偏りはなく、前走シリウスS【1-1-3-15】勝率5.0%、複勝率25.0%、エルムS【1-1-0-10】勝率8.3%、複勝率16.7%に目がいく。

このうちシリウスSは今年中京で行われたが、中京シリウスSは【1-0-2-3】。距離が1900mとみやこSに近いのも要因か。だが、中京施行の年のみやこSは阪神。京都ではないので、つながりに気をつけよう。

中京シリウスSでは10着以下が【1-0-1-0】。大敗からの巻き返しに注意。2着オメガギネス、5着ロコポルティを評価するなら、10着ハピも加えよう。京都ダートは【0-2-0-0】。春の平安Sもミトノオーとタイム差なしだった。

エルムSは3着以内【1-1-0-1】、4着以下【0-0-0-9】。好走できなかったミトノオー、プロミストウォリアには厳しいデータだ。

前走OP・Lは【6-4-2-29】勝率14.6%、複勝率29.3%。5着以内【5-3-2-13】、6~9着【1-1-0-6】、10着以下【0-0-0-10】。掲示板はひとつ目安になる。

BSN賞2着ゲンパチルシファー、大阪スポーツ杯3着ロードアヴニール、ラジオ日本賞1着アウトレンジあたりがおもしろい。なかでも前走1800m5着以内は【4-2-2-8】。相性がいいのはラジオ日本賞【1-0-2-1】、とりわけ1着馬は【1-0-1-0】。アウトレンジは注目すべき一頭だ。

同世代のロードアヴニールも当然、注目。大阪スポーツ杯は今年京都に移り、さらに距離もダート1800mになったため、前走レース名では出てこないが、前走京都ダート1800mは【2-1-0-6】勝率22.2%、複勝率33.3%であり、気にしなくていい。ちなみに、通常日程では同じ時期に太秦Sが行われ、昨年は6番人気2着メイクアリープが太秦S5着から好走した。

3歳は【1-2-0-14】勝率5.8%、複勝率17.6%。昨年セラフィックコールが一気に重賞制覇を決めており、記憶に新しい。当時のセラフィックコールは4連勝と勢いがあった。

今年は三冠創設により、状況は異なる。サンライズジパングはジャパンダートクラシックではフォーエバーヤングと1秒2差。ラムジェットには先着を果たしており、世代上位は確実。ぜひここを突破し、ジャパンダートクラシックのレベルを証明してほしいところだ。

直近9回のデータから見るみやこS,ⒸSPAIA


ライタープロフィール
勝木 淳
競馬を主戦場とする文筆家。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュースエキスパートを務める。『アイドルホース列伝 超 1949-2024』(星海社新書)に寄稿。

《関連記事》
“イン突き”の岩田康誠騎手は内枠で単回収率900%超え GⅡで妙味のある騎手、厩舎を東大HCが調査
トライアルに強い騎手を特集 頭で狙いたい岩田望来騎手、「中山マイスター」津村明秀騎手に注目
【競馬】2024年に産駒がデビューする種牡馬まとめ ダート馬ルヴァンスレーヴが種付け数トップ