傾向解説
秋のGⅠ戦線を占う重要なステップレース・毎日王冠。4回東京開催の初週に行われ、GⅠ実績馬と上がり馬が激突する注目の一戦です。過去10年の平均3F別ラップが35.3-35.5-34.3という東京芝1800m戦らしい典型的な決め手勝負になりやすい重賞。本記事では血統面を中心に、毎日王冠のレース傾向を整理していきます。
日本で直線勝負に強い血統といえばやはりディープインパクト。特に同馬×Storm Catの黄金配合です。本レースはディープインパクト産駒の出走頭数が非常に多く「父ディープインパクト」というだけでは選定が難しいです。
しかし、国内外で9頭のGⅠ馬を出すディープインパクト×Storm Catからは、エイシンヒカリ(2015年1着)、リアルスティール(2017年1着)、サトノアラジン(2017年2着)、ダノンキングリー(2019年1着、2021年2着)と数多くの好走馬が出ています。
ディープインパクトの瞬発力源であるHalo≒Sir Ivorの2×4をStorm Catの母Terlinguaが刺激しており、高速馬場の直線勝負に滅法強い黄金配合と言えるでしょう。
また、ディープインパクト×Storm Catに類似する配合形にも要注目。特に同馬×Unbridled's SongはStorm Catとの組み合わせ以上に優秀と言えるほどです。
Unbridled's SongはCequillo≒IncantationなどがHalo≒Sir Ivorを刺激するため、Storm Catと同様に高速馬場の決め手勝負ではとにかく強い配合形。今後は父×母父の組み合わせに限らず、ディープインパクト+Storm Catと併せて覚えておきたい配合パターンです。
<東京芝1800mディープインパクト産駒の母父別成績(通算)>
StormCat【14-7-4-27】
勝率26.9%/連対率40.4%/複勝率48.1%/単回収率112%/複回収率90%
Unbridled'sSong【6-1-0-9】
勝率37.5%/連対率43.8%/複勝率43.8%/単回率156%/複回率115%
ただ、これらの配合パターンで成功したディープインパクト系の後継種牡馬たちにとっては、スタミナや柔軟性の補強が次の課題です。
そのなかでもトニービンやMill Reef、Rivermanなどが注目血統に挙げられ、特にトニービンについては既に本レースでも素晴らしい成績を残しています。2022年は4頭の該当馬から1着サリオス、3着ダノンザキッド、4着レイパパレが上位入線。今後はさらに存在感を増す注目血統といえるでしょう。
<単勝オッズ19.9倍以下のトニービン内包馬の成績(過去10年)>
該当馬 【3-0-3-3】
勝率33.3%/連対率33.3%/複勝率66.7%/単回収率193%/複回率145%