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【毎日王冠】上位人気のトニービン内包馬が大活躍 良血ローシャムパークの舞台適性に魅力あり

2024 10/3 06:00坂上明大
2024年毎日王冠の注目血統,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

傾向解説

秋のGⅠ戦線を占う重要なステップレース・毎日王冠。4回東京開催の初週に行われ、GⅠ実績馬と上がり馬が激突する注目の一戦です。過去10年の平均3F別ラップが35.3-35.5-34.3という東京芝1800m戦らしい典型的な決め手勝負になりやすい重賞。本記事では血統面を中心に、毎日王冠のレース傾向を整理していきます。

日本で直線勝負に強い血統といえばやはりディープインパクト。特に同馬×Storm Catの黄金配合です。本レースはディープインパクト産駒の出走頭数が非常に多く「父ディープインパクト」というだけでは選定が難しいです。

しかし、国内外で9頭のGⅠ馬を出すディープインパクト×Storm Catからは、エイシンヒカリ(2015年1着)、リアルスティール(2017年1着)、サトノアラジン(2017年2着)、ダノンキングリー(2019年1着、2021年2着)と数多くの好走馬が出ています。

ディープインパクトの瞬発力源であるHalo≒Sir Ivorの2×4をStorm Catの母Terlinguaが刺激しており、高速馬場の直線勝負に滅法強い黄金配合と言えるでしょう。

また、ディープインパクト×Storm Catに類似する配合形にも要注目。特に同馬×Unbridled's SongはStorm Catとの組み合わせ以上に優秀と言えるほどです。

Unbridled's SongはCequillo≒IncantationなどがHalo≒Sir Ivorを刺激するため、Storm Catと同様に高速馬場の決め手勝負ではとにかく強い配合形。今後は父×母父の組み合わせに限らず、ディープインパクト+Storm Catと併せて覚えておきたい配合パターンです。

東京芝1800mディープインパクト産駒の母父別成績(通算),ⒸSPAIA


<東京芝1800mディープインパクト産駒の母父別成績(通算)>
StormCat【14-7-4-27】
勝率26.9%/連対率40.4%/複勝率48.1%/単回収率112%/複回収率90%
Unbridled'sSong【6-1-0-9】
勝率37.5%/連対率43.8%/複勝率43.8%/単回率156%/複回率115%

ただ、これらの配合パターンで成功したディープインパクト系の後継種牡馬たちにとっては、スタミナや柔軟性の補強が次の課題です。

そのなかでもトニービンやMill Reef、Rivermanなどが注目血統に挙げられ、特にトニービンについては既に本レースでも素晴らしい成績を残しています。2022年は4頭の該当馬から1着サリオス、3着ダノンザキッド、4着レイパパレが上位入線。今後はさらに存在感を増す注目血統といえるでしょう。

東京芝1800mディープインパクト産駒の母父別成績(通算),ⒸSPAIA


<単勝オッズ19.9倍以下のトニービン内包馬の成績(過去10年)>
該当馬 【3-0-3-3】
勝率33.3%/連対率33.3%/複勝率66.7%/単回収率193%/複回率145%

有力馬の血統を解説

・ローシャムパーク
3代母に女帝エアグルーヴを持つ名牝系に属し、母レネットグルーヴは二冠馬ドゥラメンテと同じキングカメハメハ×サンデーサイレンスの組み合わせ。ハービンジャー産駒の本馬も牝系譲りのストライド走法で、同牝系の東京での好成績は素晴らしいの一言です。

トニービン内包馬という点も魅力大。ディープインパクト×Storm Catのようなスパッと切れるタイプではありませんが、3~4角から徐々にスピードに乗っていく雄大な走りが容易にイメージできる良血馬です。

シックスペンス
母フィンレイズラッキーチャームはアメリカのダ7FGⅠ・マディソンSの勝ち馬。Cryptoclearanceの4×3やDanzigの4×4などが中心のスピード馬で、初仔の本馬も母譲りのスピードが持ち味のマイラー体型に出ています。

2400mからの距離短縮はプラス材料で、高速馬場なら東京芝1800mも守備範囲。ベストではないものの、そつなくこなしてきそうな優等生タイプです。

エルトンバローズ
昨年の毎日王冠優勝馬。ただ、父ディープブリランテはLyphardの4×5を持つ機動力型ディープインパクト直仔で、本馬は母父にブライアンズタイムを持つ馬力型の配合形でもあります。

ディープインパクト系+Seattle Song(母Incantation)という準該当馬だけに血統傾向には合っていますが、年齢とともに配合通りの馬体に変化してきており、現状は小回りの中距離戦を前々で運ぶ競馬が理想ではないでしょうか。

毎日王冠の有力馬と血統,ⒸSPAIA


ライタープロフィール
坂上明大
1992年生まれ、岐阜県出身。元競馬専門紙トラックマン(栗東)。2019年より競馬情報誌サラブレにて「種牡馬のトリセツ」「新馬戦勝ち馬全頭Check!」などの連載をスタートさせ、生駒永観氏と共同執筆で『血統のトリセツ』(KADOKAWA)を上梓。2023年11月には本島修司氏との共同執筆で『競馬の最高戦略書 予想生産性を上げる人の取捨選択の技術』(主婦の友社)を出版。現在はYouTubeチャンネル『競馬オタク』を中心に活動し、パドック解説や番組出演、映像制作、Webメディアでの連載もこなす。

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