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【スプリンターズS】複勝率50%に迫る「4歳牝馬」モズメイメイを推奨 セントウルS組も上位評価

2024 9/25 11:00門田光生
スプリンターズステークスの前走人気別成績(過去15年),ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

データ上は「4歳牝馬」がベスト

2024年9月29日(日)に中山競馬場で行われる第58回スプリンターズS。秋のGⅠ第一弾として、すっかり定着(以前は12月に行われていた)している。暑い時期を充電にあてた実績馬と、その夏に力をつけた上り馬が激突する一戦。ここで弾みをつけて暮れの香港へ、という路線も確立しつつある。

そんなスプリンターズSにはどんな傾向があるのか。今回はGⅠということで、過去15年の成績を基にして検証していきたい。

☆所属
美浦所属馬58頭に対して、栗東所属馬は170頭と約3倍近い差がある。結果は美浦が5勝(8連対)、栗東は9勝(21連対)だが、勝率、連対率、複勝率では美浦所属馬が少しだけ上回っている。海外馬の好走は、2010年ウルトラファンタジー(香港)の1勝のみ。

出走馬の所属,ⒸSPAIA


☆性別
出走頭数が2倍近い牡馬、セン馬が11勝(20連対)で、牝馬は4勝(10連対)。複勝率は牝馬が上回っているが、勝率、連対率では差はほとんどない。

出走馬の性別,ⒸSPAIA


☆年齢
4、5歳馬がそれぞれ10頭の連対馬を出している。4歳馬は勝率、連対率、複勝率の3部門で他の世代を引き離しており、これを牝馬に限定すると勝率14.3%、複勝率47.6%。特に優秀な成績を残している。

出走馬の年齢,ⒸSPAIA


☆前走クラス
連対馬が出ているのは、前走で重賞(海外含む)を走っていた馬だけ。GⅢ組が11連対、GⅡ組が13連対、そしてGⅠ組が5連対。GⅠ組は数こそ少ないが、勝率や連対率、複勝率ではGⅡ、GⅢ組を上回っている。

出走馬の前走クラス,ⒸSPAIA


☆主な前走
出走頭数が多いのは、セントウルS(84頭)とキーンランドC(64頭)の2レース。連対数は前者が13頭(連対率15.3%)、後者が5頭(同7.8%)と、大きな差がついている。

出走馬の主な前走,ⒸSPAIA


☆前走着順
前走1着、または2着馬の勝率が10%を超えており、好走傾向。3、4着馬も勝率5%で、可もなく、不可もなく。一方、11着以下も勝率7%台と悪くないが、5~10着馬は勝率が1%台と振るわない。

出走馬の前走着順,ⒸSPAIA


☆前走人気
前走1番人気が連対率24.4%と優位に立っており、次いで2~4番人気が良好となっている。

出走馬の前走人気,ⒸSPAIA


☆毛色
芦毛は16頭出走して4勝、2着2回。出走頭数を考えると、馬券によく絡んでいる。対して、栗毛はこれまで54頭が出走し、1頭も勝ち馬が出ていない(2着は4回)。

出走馬の毛色,ⒸSPAIA


☆その他
その他、気になったデータは3つ。まず前走でのタイム差。タイム差なしで負けた馬は【4-1-1-9】。複勝率40.0%と馬券に絡んでいるが今回は該当馬なしだった。

続いて前走馬体重。短距離戦は大型馬有利の傾向があり、当レースも例外ではない。前走馬体重が460kg以下の小柄な馬は0勝となっている(2着は2回)。

最後に前走距離。前走で1400mを走っていた組からは連対馬が出ていない。

その他データ,ⒸSPAIA


セントウルS組が多数浮上

スプリンターズSのデータをまとめてみよう。

【好走率アップ】
A「4歳牝馬」
B「前走セントウルS」
C「前走1、2着」
D「前走1番人気」
E「芦毛」

【好走率ダウン】
F「前走5~10着」

【勝ち馬なし】
G「栗毛」
H「前走馬体重460kg以下」

【連対馬なし】
I「前走1400m」

5つあるプラスデータのうち強力なのは、複勝率47.6%のA「4歳牝馬」と、勝率25.0%、連対率37.5%のE「芦毛」。4歳牝馬はモズメイメイ、芦毛はマッドクールのみが該当した。

マッドクールは好データが「E」だけに対して、モズメイメイは「A」「B」の2つを持つ。「B」のセントウルSは、好走率はそれほど高くないが、近15年で7頭の勝ち馬を出している。ここ2年、セントウルS組は馬券に絡んでいないので、そろそろ順番が回ってきてもおかしくはない。よって、モズメイメイが本命だ。

マッドクールは「芦毛」というだけで推すことになるが、マイナスデータを持たず、他にこれといった馬も見当たらないので相手筆頭としたい。

モズメイメイ以外でプラスデータを2つ持っているのは、ウインマーベル(CD)、トウシンマカオ(BC)、ピューロマジック(BD)、ママコチャ(BC)。このうち、ママコチャだけが唯一マイナスデータを持っていないので、これを3番手とする。

ウインマーベルは連対馬が出ていないI「前走が1400m」に該当するので除外。トウシンマカオ(G)、ピューロマジック(H)はマイナスデータを持っているが、いずれも連対馬は出ているデータということで、相手候補として考えたい。この両馬の比較では、H「前走馬体重460kg以下」と比べてG「栗毛」の方が連対頭数は多く、好走率もわずかだが高いので、トウシンマカオを4番手、ピューロマジックを5番手としたい。

◎モズメイメイ
◯マッドクール
▲ママコチャ
△トウシンマカオ
×ピューロマジック

《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想などを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて園田・姫路競馬を中心に予想・記事を執筆中。
23日の朝に現地取材へ赴いたとき、ようやく涼しくなってきたと実感。ただ、日が昇ると「まだまだ暑いなあ」と関係者。朝から厩舎作業をしている方々には、もっと涼しくなってほしいというのが本音のようです。

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