5つのデータから絞れた馬は?
先週のオールカマーは、レーベンスティールとニシノレヴナントの二択で迷ったが、妙味ありとみて後者を本命に抜てきした。ところが、スタートで立ち遅れると、終始後方を進む想定外の競馬。前残りの展開も味方せず、上がり3F最速を使うも9着に惨敗した。他にはサリエラ、ヤマニンサンパ、キラーアビリティにも印を回していたが、いずれも着外に敗れ馬券は惨敗に終わった。
今週は日曜日に中山競馬場で開催されるスプリンターズSを予想していく。今回は新潟で開催された2014年を除く、過去10回(13年、15~23年)を対象に複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップ。当てはまった馬を消していく。なお今回は除外対象(*)の2頭も含め、登録があった18頭を対象に進めていく。
『前走ローカル』×『前走5着以下』★4.4%★
まずは前走をローカルで走っていた馬を取り上げる。秋競馬が開幕して間もないレースということもあり、夏のローカル戦から参戦する馬が多く、過去10回でその成績は【4-6-6-84】(複勝率16.0%)だった。このうち前走4着以内だった馬は【3-5-6-41】(同25.5%)と高い確率で馬券に絡んでいた。しかし前走5着以下は【1-1-0-43】(同4.4%)。4着と5着の間に大きな壁がある。
今年このデータに当てはまったのは、以下の6頭。悲願のGⅠ制覇を狙うナムラクレアは、前走キーンランドCで上位争いに加わっていたが、僅差5着だったため消去対象となった。
【今年の該当馬】
・ダノンスコーピオン
・ナムラクレア
・ピューロマジック
・ルガル
・レイベリング*
・ヴェントヴォーチェ
『母父SS系』×『前走で人気を上回る着順』★5.6%★
続いては血統データから母父サンデーサイレンス(SS)系の馬に注目した。その成績は【3-2-0-40】(複勝率11.1%)で、このデータだけでも苦戦していることがうかがえる。特に前走で人気を上回る着順に好走していた馬は【1-0-0-17】(同5.6%)と軒並み馬券圏外に敗れていた。唯一の例外は、16年に3番人気で本レースを制したレッドファルクスだけだった。
今年この条件に当てはまったのは、オオバンブルマイとトウシンマカオの2頭。どちらも上位人気候補の実力派だが、今回は消去とする。
【今年の該当馬】
・オオバンブルマイ
・トウシンマカオ
『5歳以上』×『前走馬体重500kg以上』★7.1%★
3つ目の消去データは、年齢別から5歳以上の馬を取り上げる。成績は【6-4-5-91】(複勝率14.2%)とまずまずだった。ただし、前走馬体重が500kg以上の大型馬は【2-0-1-39】(同7.1%)と複勝率は半分にまで下がる。
今年は以下の6頭が該当。新たに1番人気が予想される夏の上がり馬サトノレーヴらが消去リスト行きとなった。
【今年の該当馬】
・ウイングレイテスト
・エイシンスポッター
・サトノレーヴ
・マッドクール
・ムゲン
・(ヴェントヴォーチェ)
『美浦所属馬』×『今回乗り替わり』★9.1%★
4つ目は所属別データから美浦所属馬を取り上げる。過去10回の成績は【4-2-3-25】(複勝率26.5%)で頭数は少ないものの、好走率は栗東所属馬を圧倒している。9頭が馬券に絡んでいるが、このうち8頭に共通していたのは、騎手が継続騎乗だったこと。今回乗り替わりだと【1-0-0-10】となり、唯一の勝ち馬は20年優勝馬グランアレグリアのみ。それ以外の10頭は4着以下に敗れている。
想定騎手を見る限り、今年は前走キーンランドCで4着のモリノドリームがデータに当てはまる可能性が高い。同馬は除外対象の1番手。想定通りなら出走できたとしても消去対象とする。
【今年の該当馬】
・モリノドリーム*
『前走上がり4位以下』×『今回7~8枠』★5.0%★
4つの条件を終えて、登録馬18頭のうち14頭が消えた。最後は前走レースの上がり3Fが4位以下だった馬を取り上げる。過去10回の成績は【3-9-7-83】(複勝率18.6%)。このうち特に苦戦していたのが、距離ロスが大きくなる外目の枠に入った馬たちだ。具体的には、当日7~8枠だった馬は【0-1-0-19】(同5.0%)と20頭中1頭しか馬券に絡んでいなかった。
残っている4頭のうち前走の上がり3Fが4位以下だったのは、ママコチャとモズメイメイの2頭。香港馬のビクターザウィナーも地元GⅢで大敗しており、条件に当てはまるかもしれないが、香港では上がり3Fタイムの計測がないため、対象には含めない。
【今年の該当候補】
・ママコチャ
・モズメイメイ
全ての条件を終えて確実に残るのは、ウインマーベルとビクターザウィナーの2頭。本命は当日の馬場次第とする。良馬場なら文句なしでウインマーベル。道悪ならビクターザウィナーとする。
買い目は本命馬の単勝と複勝、さらに消去を免れた最大4頭のワイドをボックスで押さえる。願わくは2年前の本命馬ウインマーベルがその雪辱を果たすシーンを見たいが、一方で馬場が悪化して時計が掛かるようなら、香港馬ビクターザウィナーが高松宮記念3着の実力を発揮してもおかしくないだろう。
【ライタープロフィール】
八木 遊
野球兼競馬ライター。スポーツデータ会社やテレビ局の校閲職などを経てフリーに。2023年8月から長期休養に入っていたが、24年6月に再開。今年はワイドを中心にコツコツ的中を狙う。
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