2024年神戸新聞杯にキズナ産駒が大挙参戦
2024年神戸新聞杯に7頭の産駒が登録したことで話題のキズナ。今年、産駒初のクラシックホースであるジャスティンミラノを輩出し、勢いに乗っている。
そんな同産駒のプラス条件、マイナス条件についてデータで分析する。なお、参照するデータは2019年9月21日~2024年9月16日のものとする。
2024年神戸新聞杯に7頭の産駒が登録したことで話題のキズナ。今年、産駒初のクラシックホースであるジャスティンミラノを輩出し、勢いに乗っている。
そんな同産駒のプラス条件、マイナス条件についてデータで分析する。なお、参照するデータは2019年9月21日~2024年9月16日のものとする。
<キズナ産駒の「プラス条件」>
芝×不良馬場【10-4-6-56】
勝率13.2%/連対率18.4%/複勝率26.3%/単回収率232%/複回収率108%
芝×2歳1勝クラス【10-5-3-29】
勝率21.3%/連対率31.9%/複勝率38.3%/単回収率510%/複回収率147%
ダ×1800m以上【135-119-123-785】
勝率11.6%/連対率21.9%/複勝率32.4%/単回収率127%/複回収率96%
ダ1800m以上×距離短縮【26-19-26-136】
勝率12.6%/連対率21.7%/複勝率34.3%/単回収率165%/複回収率107%
この章ではキズナ産駒のプラス条件について検討する。
まずは芝について。代表産駒の1頭であるディープボンドが体現しているように、スタミナが求められるタフな条件が狙い目となる。
不良馬場では【10-4-6-56】で単回収率は232%と妙味十分。距離もある程度長い方が良く、1600m以下では【148-131-140-1216】で同82%なのに対し、1800m以上では【248-215-193-1431】で同122%と妙味の差が大きい。
関連して、前走からの距離延長がハマりやすく、【100-93-101-751】で単回収率118%、複回収率109%と、単複ともにプラス域だ。
また、世代限定戦に強く、3歳戦では【127-94-83-916】で単回収率130%。2歳戦でも【104-95-86-570】で同128%となっている。さらに2歳1勝クラスに限定すると、【10-5-3-29】で勝率21.3%、単回収率510%と秀逸だ。
一方、ダートでは砂被りを苦手とする産駒が多いのか、8枠成績が良好なのが特徴の一つだ。1〜7枠の複勝率が26.5%なのに対して、8枠は同32.5%、単回収率も114%とプラス域で、見かけたら狙いたい。
ダートでも距離は長い方が良く、1800m以上では【135-119-123-785】で単回収率は127%となっている。なかでも、中京ダ1800m【27-16-18-126】単回収率270%や京都ダ1800m【15-12-9-92】同214%が好成績。阪神競馬場の改修で、中京や京都開催が増える期間を積極的に狙っていきたい。
芝とは逆でダート1800m以上の場合、前走からの距離短縮がハマりやすく、【26-19-26-136】単回収率165%、複回収率107%と単複ともにプラス域をマークしている。
<キズナ産駒の「マイナス条件」>
小倉芝【31-35-28-298】
勝率7.9%/連対率16.8%/複勝率24.0%/単回収率47%/複回収率63%
芝×5歳以上【29-40-41-436】
勝率5.3%/連対率12.6%/複勝率20.1%/単回収率51%/複回収率80%
ダ1600m【13-12-13-112】
勝率8.7%/連対率16.7%/複勝率25.3%/単回収率39%/複回収率86%
次にキズナ産駒のマイナス条件についても見ていく。
前提として同産駒はオールラウンダーで、極端に回収率の低い条件は少ない。芝なら中央10場のうち7場で単回収率が100%を超えているほどで、非常に優秀な種牡馬であると言える。
そんなキズナ産駒が苦手としている数少ない条件が小倉芝。芝で単回収率100%以下を記録する3場のうち、中京は同81%、京都は同93%と悪くないが、小倉は【31-35-28-298】勝率7.9%、単回収率47%と苦戦している。
ほか、芝では5歳を境にガクッと成績が落ちている。4歳以下【367-306-292-2211】勝率11.6%、単回収率113%に対して、5歳以上【29-40-41-436】勝率5.3%、単回収率51%。勝率は半分以下に、回収率も50%以上、下落している。
思い返せば、キズナ自身も5歳以降は勝ち星を挙げることができなかった。ディープボンドのような例外はいるにしろ、基本的には4歳までが狙い目である。
ダートでは、スプリント戦やマイル戦といった比較的短い距離での苦戦が目立っている。
ダ1600m【13-12-13-112】勝率8.7%、単回収率39%、ダ1200m【13-13-14-200】勝率5.4%、単回収率67%と、やはり1800m以上に比べて見劣りしてしまう。中長距離以上で狙うのが賢明だ。
《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。
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