「年齢」や「前走格」が重要
2024年9月8日に行われる第38回セントウルS。今年は変則開催のため中京競馬場で行われるが、2020年以降に本来の阪神競馬場で行われたのは2023年だけ。2020~2022年は中京競馬場で行われた。
2016年から7年連続で1番人気馬が勝利する堅いレースだったが、昨年は14番人気のテイエムスパーダが低評価を覆し、大穴をあけたのは記憶に新しい。そんなセントウルSにはどんな傾向があるのか。過去10年の成績を基に検証していきたい。
☆所属
過去10年で美浦所属馬の出走は25頭と少なく、1勝、2着1回、3着0回。勝率、連対率、複勝率の全てで栗東所属馬が上回っている。
☆性別
性別では、牡馬・セン馬が95頭出走して6勝(13連対)。牝馬は53頭が出走して4勝(7連対)。勝率、連対率、複勝率のいずれもほぼ互角だった。
☆年齢
年齢別で比較すると、5勝を挙げる4歳馬の活躍が目立つ。3歳馬は出走頭数が15頭と少ないが、連対率、複勝率で4歳馬を上回っており、この2世代が中心。【4-3-4-26】と最も馬券に絡んでいる5歳馬も悪くない。6歳以上は勝ち馬なし。また、8歳以上だと馬券に絡んだ馬はいない。
☆前走クラス
連対馬が出ているのは重賞を走っていた馬。特に、GⅡ、GⅠ、そして海外組の好走率が高い。
☆主な前走
レース別で見ると、北九州記念(GⅢ)が3勝、2着3回と、最も連対馬を出している。ただ、出走頭数が51頭と多く、勝率5.9%と高くない。今年は北九州記念とCBC賞の日程が入れ替わっているので、参考程度でいいだろう。また母数は少ないが、高松宮記念組は5頭中2頭が連対している。
☆前走着順
前走着順を「1着」「2~5着」「6~9着」「10着以下」で分けると、着順が良い方が好走傾向にある。特に前走1着の馬は勝率15.8%、複勝率36.8%と好成績だ。
☆主な前走人気
前走5番人気以内の馬で比較してみる。前走1、2番人気から9頭の連対馬を出しており好調。特に2番人気に注目。勝率こそ1番人気より低いが、連対率は42.9%と優秀だ。
対して、同3~5番人気では2着馬が1頭いるだけだった。前走3番人気からは連対馬が出ておらず、前走5番人気では馬券にも絡んでいない。
☆主な前走距離
母数が多いこともあり、連対馬を多く出しているのは前走1200m組(13頭)だが、好走率が高いのは前走1600m組だった。
☆前走馬体重
前走馬体重が459kg以下と小柄な馬は、【0-1-3-22】と振るっていない。
貴重な“マイナスデータなし”
セントウルSのデータをまとめてみよう。
【好走率アップ】
A「3、4歳馬」
B「前走がGⅡ、GⅠ、海外」
C「前走1着」
D「前走2番人気」
E「前走が1600m」
【好走率ダウン】
F「美浦所属馬」
【勝ち馬なし】
G「6、7歳馬」
H「前走4番人気」
I「前走馬体重が459kg以下」
【連対馬なし】
J「8歳以上」
K「前走が重賞以外」
L「前走3、5番人気」
今回はプラスデータを複数持っている馬が少なく、ジョウショーホープ(A、C、D)、ダノンスコーピオン(B、E)、テンハッピーローズ(B、C、E)、ピューロマジック(A、C)、モズメイメイ(A、C)の5頭。うち、ジョウショーホープ(K)、ピューロマジック(L)、モズメイメイ(L)は連対馬なしデータに該当するので除外。
残ったのは2頭。ダノンスコーピオンはマイナスデータに該当していないが、テンハッピーローズは勝ち馬なしデータ(G、I)に該当する。よって、今回はダノンスコーピオンを本命とする。前走安田記念組は2020年に、ダノンスコーピオンと同じ「5歳」で「ダノン」の冠名がつくダノンスマッシュが勝利。これも何かの縁かもしれない。
テンハッピーローズに該当したマイナスデータは、勝ち馬こそ出ていないが、2、3着馬は出ている。相手候補としてなら問題ないとみて2番手とする。
ほか、プラスデータ持ちかつ、連対馬なしデータ(J、K、L)に該当しないのは、アサカラキング、サウザンサニーの2頭。いずれも、好走率ダウンのF「美浦所属馬」に該当。加えて、同じ4歳馬で前走は函館SSを走っている。前者が9着、後者は4着だった。過去10年では前走9着は勝ち馬なし、同4着は1勝を挙げている。よって、前走4着サウザンサニーを3番手、アサカラキングを4番手としたい。
◎ダノンスコーピオン
◯テンハッピーローズ
▲サウザンサニー
△アサカラキング
《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想などを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて園田・姫路競馬を中心に予想・記事を執筆中。
先週は台風に振り回された1週間でした。進路から到着日時まで、これだけ予報が外れたのは久しぶりかも。ちなみに、某欧州の台風予測サイトで、九州に上陸したあと、Uターンして沖縄方面へ戻っていく予測をしたところがありました。もしかしたら、今回の複雑な進路を当てた予報士やコンピューター(AI?)がいるなら、間違いなく穴党だと思います。
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