近5年で4度のワンツーフィニッシュ
かれこれもう10年以上、芝・マイル以上の重賞ではディープインパクト系の天下が続いている。質、量ともに他の系統を圧倒しているので、それもむべなるかな。しかしながら、新潟記念に限っては少し様子が違うようだ。
これまでに延べ48頭が59回出走して【3-4-4-48】の勝率5.1%、複勝率18.6%だから全くダメというわけではない。ただ、近3年に限ると延べ17頭・18回の出走で【0-0-1-17】の勝率0%、複勝率5.6%。2021年のザダル(父トーセンラー)、2023年のサリエラ(父ディープインパクト)と1番人気が2頭とも馬券圏外に沈むなど、かなりの苦戦を強いられている。
対照的に、新潟記念で猛威を振るっているのが“種牡馬界の2大巨頭”のもう1頭、キングカメハメハの血を引く馬だ。
血統表の2代前までにキングカメハメハの血を持つ馬は、延べ27頭が31回出走して【5-4-1-21】勝率16.1%、複勝率32.3%の好成績。これだけの出走頭数がありながら回収率は単勝129%、複勝113%とプラスだから、あれこれと理由を考えずに狙うべきではないか。
しかも、近年は輪をかけて走っている。2018年から6年続けて該当馬が少なくとも1頭は3着以内。とりわけ19、20、22、23年の4回はワンツーフィニッシュだから凄い。
22年は該当馬が7頭と多かったとはいえ、1着が10番人気のカラテ(父の父キングカメハメハ)、2着が9番人気ユーキャンスマイル(父キングカメハメハ)で、馬連2万8,250円の万馬券。23年は該当4頭で、1着が2番人気ノッキングポイント(母の父キングカメハメハ)、2着が7番人気ユーキャンスマイル。馬連6,240円の好配当だった。
それでは、今年のメンバーを見てみよう。登録13頭のうち、血統表の2代前までにキングカメハメハの血を持つ馬は2頭だ。
1頭目はキングズパレス(父キングカメハメハ)。今回と同舞台の前々走・新潟大賞典がハナ差の2着。前走の七夕賞も2着だから、重賞タイトルは手の届くところに来ている。血の後押しも受けて、今度こそタイトル奪取といきたい。
そしてもう1頭はシンリョクカ(母の父キングカメハメハ)。一時期は不振に陥ったが、前々走・中山牝馬Sで3着と健闘。衰えがないことを示した。前走の福島牝馬Sで転倒してキ甲を骨折した影響がカギだが、力を出し切れれば上位争いになっていいだろう。
今年の新潟記念は登録13頭のうち、実に過半数の8頭がディープインパクト系となった。しかし、データを信じれば怖れることはない。そんな時だからこそ、尚更キンカメ系を狙うべきなのだ。馬券は2頭の単勝が本線。さらに2頭の馬連とワイドを買って、少点数で大金ゲットといきたい。
ライタープロフィール
逆瀬川龍之介
国内の主要セール、GIのパドックはもちろん、時には海外のセリにも足を運ぶ馬体至上主義のライター。その相馬眼を頼りにする厩舎関係者、馬主は少なくない。一方、マニアック、かつ実用的なデータを駆使して、ネット媒体や雑誌などにも寄稿するなど、マルチな才能を持っている。
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