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【札幌2歳S】レース相性抜群の須貝厩舎、マジックサンズに期待 単勝回収率251%データも後押し

2024 8/27 17:00貴シンジ
札幌2歳S 過去10年の主な前走競馬場の成績,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

3つのファクターから推奨馬を見つけ出す

今回は8月31日(土)札幌競馬場で行われる札幌2歳Sについて下記3つのファクターを組み合わせる、コンプレックスアナライズで分析を行っていく。

・レースの好走馬及び凡走馬の共通項を探る「重要データ」
・目には見えない上積みを探る「前走の内容」
・適性と素質を知るための「血統評価」

今回は特別登録のあった15頭から、すでに出走回避が発表されているキングスコールを除いた14頭を検討対象とし、過去10年のデータを使用する。

重要データ:前走函館組が優勢

前走競馬場別成績,ⒸSPAIA


札幌2歳Sは過去10年、全て札幌競馬場で開催されている。勝ち馬が出ている前走の競馬場を確認すると、同じ札幌競馬場が【3-6-6-53】で単勝回収率30%、複勝回収率69%で、勝率、複勝率、回収率の全てで思ったほど高い数字が出ていない。

他の競馬場を確認すると函館競馬場が【4-2-2-19】で単勝回収率251%、複勝回収率81%と優秀な数字。新潟競馬場が【1-0-0-6】で単勝回収率42%。東京競馬場が【2-1-0-3】で単勝回収率220%、複勝回収率143%。今回上位人気が予想されるアスクシュタイン、ファイアンクランツ、マテンロウサンはいずれも前走場所が札幌競馬場で好走データには該当しない。

上位人気が予想される馬で唯一該当する馬がマジックサンズ。マジックサンズは須貝厩舎ということも加点要素だ。須貝厩舎は過去10年で札幌2歳Sを2勝している実績があり、厩舎の順調な期待馬は札幌2歳Sを使う傾向がある。直近では20年のソダシが代表例で札幌2歳Sを勝利した後GⅠ馬にまで成長した。今年はマジックサンズに期待がかかる。

【前走函館競馬場、東京競馬場を走った出走予定馬】
・ショウナンマクベス
・マジックサンズ
・モンドデラモーレ
・レーヴドロペラ

前走の内容:マジックサンズの新馬戦

マジックサンズの前走は1800mの新馬戦で、結果は1着。1000m通過が1分5秒4と超スローペースだったこともあり、勝ち時計は1分54秒0と平凡。ただ内容には見どころが多かった。

まずスタートでは出負けしたことに加えて、両側の馬と接触があって1コーナーまでにかなり体力を使ってしまった。小回りの函館競馬場をマクる競馬で、4コーナーで先頭に並びかけると、そのまま追い出して最後は流してゴールという内容だった。

競馬自体はかなり大味で馬の能力だけで勝ってしまったような形だが、馬体重502kgもある大型馬のデビュー2戦目だけに上積みが見込める。加えてマジックサンズの新馬戦メンバーでは、既に本馬含めて3頭が勝ち上がり。レースレベルも水準以上だ。

血統解説:マジックサンズ

・マジックサンズ
日本での牝祖は4代母バレークイーン。フサイチコンコルド、アンライバルド、リンカーン、ヴィクトリー、アドミラブル、アリストテレスなど一流馬を多数輩出している名門一族だ。ファミリーの最大の特徴は瞬発力の高さ。一瞬でトップギアに入れられる馬が多く、アンライバルドが勝った皐月賞はまさにファミリーの特徴が出た一戦だ。機動力があるタイプも多く、小回りコースも対応可能だ。

母コナブリュワーズがJRA4勝のOP馬、本馬の半姉コナコーストは桜花賞、チューリップ賞でそれぞれ2着の実績馬、祖母アンブロワーズは函館2歳S勝ちや阪神JF2着と、本馬と近しいファミリーの活力は十分だ。

父にキズナを迎えた牡馬ということでパワータイプの馬に出た。まだ身体を使い切れていないところがあるのでコーナーが緩やかな札幌競馬場は差しやすいだろう。将来的にはダートでも走れそうな血統構成だが、2歳の現時点では芝のこの距離がベストだ。

マジックサンズの血統表,ⒸSPAIA

Cアナライズではマジックサンズを推奨

今回はマジックサンズを推奨する。ゲートに課題は残るが新馬戦の内容はハイレベルで、好走データにも合致する。また札幌2歳Sを得意としている須貝厩舎所属という点も好材料だ。血統的にも函館競馬場より札幌競馬場で良さが出そうで、新馬戦よりもパフォーマンスは大きく上昇するだろう。

【ライタープロフィール】
貴シンジ
競馬ライター。サラブレッドの血統をファミリー中心に分析する牝系研究家。3つのファクターから構築する「コンプレックスアナライズ」を駆使して競馬予想を行う。WEBサイト『ウマフリ』で「牝系図鑑」も連載中。競馬予想のほか商業誌での執筆、一口馬主クラブ募集馬やセリ馬の血統分析、血統の魅力の伝承、繁殖牝馬の配合提案などを独自の切り口から行う。

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