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【新潟2歳S】前走コースで明暗くっきり 東京マイル圧勝のコートアリシアン有力

2024 8/18 17:30勝木淳
過去10年のデータから見る新潟2歳S,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

中9週以上か中2週か

近年、クラシックロードでもっとも重要なのは、いかに早期にGⅠ出走を確実にし、消耗を最低限に抑えられるかにある。皐月賞を勝ったジャスティンミラノは3戦目でクラシックを制覇、前年のソールオリエンスもまた同じ。新馬から重賞Vはクラシックを制する黄金パターンになりつつある。

新潟2歳Sは夏競馬の2歳重賞のなかでも貴重な外回り芝1600m戦。将来に向け、その実力を試すまたとない機会でもある。早期の賞金加算と実力査定。どちらも叶えられる同レースは好素材が集まりやすい状況にある。

かつては新潟2歳Sを勝つと、その後は不振に陥るともいわれていた。しかし、勝ち馬からセリフォスやアスコリピチェーノといったGⅠ活躍馬も出現。その傾向も変わってきた。今年も好素材が目白押し。ここでのパフォーマンスは2歳GⅠ、そしてクラシックへつながっていく予感がある。データは過去10年分を使用する。

人気別成績,ⒸSPAIA


1番人気【4-3-0-3】勝率40.0%、複勝率70.0%をはじめ、3番人気【4-2-1-3】勝率40.0%、複勝率70.0%など勝ち馬はすべて4番人気以内。真っ向勝負の新潟外回りは末脚勝負の舞台。瞬発力の裏づけがある馬が強く、自然と人気馬同士の戦いになりやすい。伏兵は8番人気【0-0-3-7】複勝率30.0%など2、3着に入り込むものの、基本は上位人気による争い。無理せず、素直に下馬評を信じていいレースだ。

レース間隔別成績,ⒸSPAIA


冒頭にあげた理想のローテーションのように、使い込まず、間隔をとって休養十分で挑む形がいい。中9週以上は【2-3-3-18】勝率7.7%、複勝率30.8%。6月東京、京都の前半で新馬を勝ち、新潟2歳Sへというローテが理想だ。その反面、中2週【3-0-1-25】勝率10.3%、複勝率13.8%、連闘【1-1-0-1】勝率33.3%、複勝率66.7%など間隔が詰まってもいい。同じ新潟開催中に新馬を勝ち、勢いそのままにといったパターンもある。

左回りの新馬勝ち

6月1週目の東京芝1400m新馬を勝ったスターウェーブ、2週目東京芝1600m新馬のコートアリシアン、中2週では新潟芝1600m新馬を勝ったシンフォーエバーあたりが理想のローテか。

前走クラス別成績,ⒸSPAIA


前走新馬【7-6-8-61】勝率8.5%、複勝率25.6%に対し、未勝利【3-4-1-30】勝率7.9%、複勝率21.1%で未勝利からここに回ってくる馬もそれほど悪くない。一方でOP・L【0-0-0-17】とダリア賞を筆頭に同格がよくない。新馬、未勝利に絞ってさらにデータをみてみよう。

前走新馬・コース別成績,ⒸSPAIA


前走新馬は左回りが上位に並ぶ。まず中京芝1600m【2-1-0-7】勝率20.0%、複勝率30.0%は7月開催のデータであり、取り扱いは注意だ。同舞台の新潟芝1600m【2-0-2-7】勝率18.2%、複勝率36.4%や東京芝1600m【1-2-1-6】勝率10.0%、複勝率40.0%がいい。コートアリシアン、シンフォーエバー、ジョリーレーヌ、プロクレイアは素直に評価すべきだろう。スターウェーブの東京芝1400mは【1-0-0-7】勝率、複勝率12.5%。昨年、アスコリピチェーノが勝利し、負のデータを破った。

毎年書いている気がするが、前走ダリア賞は【0-0-0-14】。同レースのレベル云々より内回り芝1400mが影響しているだろう。新潟は内回りと外回りは他場以上に別物で、新潟芝1400mの新馬を勝った馬も【0-0-0-8】。同舞台未勝利勝ちも【0-0-0-1】で、とにかく内回りとの相性は悪い。前走未勝利で新潟【3-1-0-12】勝率18.8%、複勝率25.0%のうち芝1600mが【3-0-0-4】勝率、複勝率42.9%。該当するアルレッキーノは登録なし。今年は未勝利より新馬組を上位にとった方がいいだろう。

注目は2週目東京芝1600m新馬を0.8差圧勝のコートアリシアン。序盤600m37.4、前半800m49.4の超スローから後半800m11.9-11.5-10.9-11.4。4コーナー5番手から上がり最速の33.3で5馬身差はインパクトがある。後半のラップからいかにも新潟外回り向きだ。

過去10年のデータから見る新潟2歳S,ⒸSPAIA


ライタープロフィール
勝木 淳
競馬を主戦場とする文筆家。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュースエキスパートを務める。『キタサンブラック伝説 王道を駆け抜けたみんなの愛馬』(星海社新書)に寄稿。

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