大型の先行馬が大活躍
近年のダートGI、JpnⅠは大型馬が圧倒的に強い。14年以降のJRAダートGI・24レースの勝ち馬の馬体重を見ると、うち15頭が500kg以上。そして520kg以上の超大型馬も19年チャンピオンズCのクリソベリル、24年フェブラリーSのペプチドナイルなど9頭もいた。かつてはアドマイヤドンやタイムパラドックスなど、400kg台半ばのダート王も珍しくなかったが、今後は見られなくなるのかもしれない。
それはさておき、「ダート王への登竜門」とされるレパードSも大型馬の活躍が目立つレースだ。新設された2009年以降、520kg以上の馬は【2-3-3-16】の勝率8.3%、複勝率33.3%。回収率は単勝103%、複勝140%で単複ともに100%を超えている。とりわけ近年は伏兵の健闘が光る。18年は該当3頭で522kgのヒラボクラターシュが2着(10番人気)、530kg で9番人気のビッグスモーキーが3着(9番人気)、19年は該当1頭で544kgのトイガーが3着(11番人気)、そして22年は該当1頭で546kgのカフジオクタゴンが1着(7番人気)だった。
これは偶然だろうか。いや、新潟ダート1800mの特徴を考えると、決してそうは思えない。多くのファンが知っているように、このコースは圧倒的に逃げ先行馬が有利。それだけに大型馬が前に行くと、惰性で粘り込むシーンが目立つのだ。実際、レパードSで馬券に絡んだ520kg以上の8頭のうち、4頭が4角3番手以内、そして7頭が同5番手以内だった。したがってレパードSの大型馬は先行してこそ! と断言していいだろう。
今年のメンバーを見てみよう。登録17頭のうち、前走馬体重が520kg以上だったのはソニックスター、ミッキーファイトの2頭。前者はイントゥミスチーフ産駒の米国産馬で、伯父のビーチパトロールは米GIを3勝している。1勝クラス→青竜Sと連勝中で、ここも中心的な存在だ。一方の後者も曾祖母がエアグルーヴという血統馬。デビュー2連勝を果たし、前走のユニコーンSは3着。当時の上位2頭がいない今回は重賞初制覇が期待される。そしてもう1頭、是非とも押さえておきたいのがバロンドール。前走は海外で馬体重の測定がなかったが、前々走のヒヤシンスSは526kgだった。前に行けない脚質がネックだが、4角までに前に取りつければ出番があっていい。
最後にもう一度繰り返すが、レパードSは「大きいことが正義」のレースだ。あれこれ考えず、馬体重の重い馬から順番に買って、しっかりと馬券を仕留めたい。
《ライタープロフィール》
逆瀬川龍之介
国内の主要セール、GIのパドックはもちろん、時には海外のセリにも足を運ぶ馬体至上主義のライター。その相馬眼を頼りにする厩舎関係者、馬主は少なくない。一方、マニアック、かつ実用的なデータを駆使して、ネット媒体や雑誌などにも寄稿するなど、マルチな才能を持っている。
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