1000m通過1:01.4、4番手の外を追走
七夕賞当日の福島競馬場に向かうため、福島駅東口のターミナルに設置されていた温度計を見ると、朝8時台にもかかわらず33℃と表示されていた。人馬ともに体力が消耗する暑さの中で新馬戦2レースが組まれていたが、今回は芝2000m戦を戸崎圭太騎手とのコンビで勝利したヘンリーバローズ産駒のジェットマグナムをピックアップする。
父ヘンリーバローズはシルバーステートの全弟。現役時代に新馬戦でワグネリアンのハナ差2着になるなど将来を期待されるも、脚部不安で2戦1勝で引退した。今年の2歳が2世代目でJRAの新馬戦としてはこれが初勝利。今年の4月に産駒初勝利をあげたジェットブレイクはジェットマグナムの全兄で、種付け料もリーズナブルな血統ながら兄弟での勝ち上がりとなった。
デビュー戦の馬体重は474kg、五分のスタートを切ってスタンド前から1角までは5番手を追走。2角から向正面に入ったところで4番手の外に1つポジションを押し上げた。勝負所では外から徐々に進出を開始すると、ゴール前で逃げ粘っていたリトルジャイアンツを差し切るという内容だった。
そのリトルジャイアンツが1000m通過1:01.4と新馬戦としては速いペースで淀みなく逃げ、ラスト11.6-11.8とやや減速したなかで、ジェットマグナムは唯一の上がり3F34秒台の34.7でまとめた。勝ちタイムは2:01.2という好タイム。戸崎騎手からはゴール前で交わせるという余裕も感じた。
調教でも目立った動きをみせる馬が少なかったなか、栗東CWコースで2週に渡って6F82秒台をマーク。関西からただ一頭遠征しての出走でしっかりと結果を残した。メンバーレベルについては疑問符がつくが、ここでは力が違った印象。次走以降、さらに強い相手と戦ってどこまでやれるのか注目したい。
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)