セレクトセールで2億3,100万円
過去10年の宝塚記念当日に行われた芝1800mの新馬戦を制した馬では、ダノンプレミアムとダノンザキッドが、敗れた馬からもキラーアビリティやドゥラエレーデ、デルマソトガケが後のGⅠホース(JpnⅠ含む)へと出世している。今年も注目が集まるなか、キズナ産駒エリキングが勝利を挙げた。
週末は、金曜日に22.0mm、土曜日の夕方から日曜日の早朝にかけて34.0mmの雨量。一旦はあがったものの、1Rが始まるあたりから再び雨が降り始めて重馬場での開催。1頭が取消、さらに放馬による除外もありゲートインを果たしたのは8頭だった。
オッズは、川田将雅騎手×中内田充正厩舎のタッグで挑んだエリキングが単勝1.7倍で1番人気、近親にサラキアやサリオスといったGⅠ馬が名を連ねるエピファネイア産駒サラコスティが単勝2.9倍で続いた。
新馬戦らしく、ゲートが開いてからの反応が鈍かったエリキングは道中5番手の外を追走。前半1000m通過は1:04.5、ラップを見ても13.0-11.5-13.2-13.5-13.3と遅いペースだった。
それでもしっかりと折り合い、下り坂で川田騎手が軽く促すと4角では3番手まで進出する。残り300mで外から堂々先頭に立ち、右ムチが1発入ったが最後まで脚色は鋭く、1馬身半差をつけた。
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
勝ちタイムは1:52.1。しかし、残り600m地点で11.8へと一気にペースアップすると直線は11.5-11.3と最後まで加速ラップでまとめた。ペースが遅かったこともあるが、ラストの数字は能力の高さを裏付ける。
母ヤングスターは現役時代、重馬場で行われたオーストラリアのクイーンズランドオークスで勝利した良血。セレクトセール1歳では2億3,100万円の高値がついたが、落札した藤田晋氏にとっては十分期待に応えてくれたデビュー戦だったと言えるだろう。次走以降、良馬場でどのようなパフォーマンスを見せてくれるのか楽しみにしたい。
2着に敗れたサラコスティは、序盤に折り合いを欠く場面もあって最後方を追走。ゴール前では勝ち馬と同じ脚色となってしまったが、上がり最速タイの3F34.3で伸びてきたあたりはさすが良血馬という印象を受けた。
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)