前走クラスと馬体重をチェック
牝馬限定のハンデ重賞らしく、マーメイドSはとにかく荒れるレースだ。ハンデ戦となった06年以降の18回を見ると、3連単は1回の7桁配当、12回の6桁配当を含め、全て万馬券。3連複も15回で万馬券なら、馬連も08年の7万4,000円を筆頭に6回も5桁配当が出ている。「人気は全くアテにならないレース」と言っても過言ではない。
では、どういったタイプの馬が波乱の主役となるのか。同じく06年以降の全18回をチェックすると、ローテーションに特徴があった。前走がGⅢだった馬は【2-3-3-45】の勝率3.8%、複勝率15.1%。うち5番人気以内に支持された馬は【1-1-1-15】だから、かなりの不振となっている。昨年はビッグリボンが1番人気に応えたが、これはかなりのレアケースだった。
逆に穴狙いでオススメしたいのは「前走が3勝クラス」だった馬だ。延べ86頭で【8-5-5-68】の勝率9.3%、複勝率20.9%。さらに「前走で4着以内」だった馬に絞ると、49頭で【7-5-2-35】の勝率14.3%、複勝率28.6%。回収率は単勝が163%、複勝が94%となる。18年に10番人気のアンドリエッテ、19年に7番人気のサラス、20年に7番人気のサマーセントが制するなど伏兵の激走も多数。このゾーンの馬の単勝をベタ買いするだけでも、それなりの回収が見込めるのだ。そして、さらに絞り込むなら馬体重をチェック。当日が440~479kgだった馬に限ると、32頭で【6-4-2-20】の勝率18.8%、複勝率37.5%。回収率も単勝が205%、複勝が123%にまで上昇する。極端に小柄ではなく、かといって大きすぎない馬が走りやすい傾向となっている。
今年のメンバーを見てみよう。抽選対象の5頭を含めた20頭のうち、「前走が3勝クラスかつ4着以内」だったのはアグラシアド、インザオベーション、エーデルブルーメ、ベリーヴィーナスの4頭。そのうち「前走の馬体重が440~479kg」だったのは478kgのインザオベーションの1頭のみ。ただ、アグラシアドは484kg、エーデルブルーメは486kgだったので、当日の増減次第では十分に〝範囲内〟に収まる可能性がある。
前走のダイワスカーレットCが強い内容だったエーデルブルーメは上位人気に推されるだろう。ただ、アグラシアドとインザオベーションの2頭は伏兵評価。ともに現時点では5分の1の抽選対象だが、せめてどちらかは出走にこぎつけてほしい。その際には高配当を届けてくれるに違いない。
《ライタープロフィール》
逆瀬川龍之介
国内の主要セール、GⅠのパドックはもちろん、時には海外のセリにも足を運ぶ馬体至上主義のライター。その相馬眼を頼りにする厩舎関係者、馬主は少なくない。一方、マニアック、かつ実用的なデータを駆使して、ネット媒体や雑誌などにも寄稿するなど、マルチな才能を持っている。
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