「腕の見せ所」2400m以上で活躍した騎手は?
「長距離は騎手で買え」という格言がある。読んで字のごとく、長距離戦では騎手の技量に注目して馬券を買うべし、の意だ。この格言が正しいかどうかは別として、道中の折り合いやペース判断、進路取りや周囲との駆け引きなど、ジョッキーにとって腕の見せ所であるのは確かだろう。
では、そんな「長距離戦」で昨年もっとも勝ち星を稼いだ騎手は誰か。2023年の中央競馬、2400m以上の平地競走を対象に調査した。
「長距離は騎手で買え」という格言がある。読んで字のごとく、長距離戦では騎手の技量に注目して馬券を買うべし、の意だ。この格言が正しいかどうかは別として、道中の折り合いやペース判断、進路取りや周囲との駆け引きなど、ジョッキーにとって腕の見せ所であるのは確かだろう。
では、そんな「長距離戦」で昨年もっとも勝ち星を稼いだ騎手は誰か。2023年の中央競馬、2400m以上の平地競走を対象に調査した。
栄えある「長距離戦リーディングジョッキー」には大方の予想通り?、C.ルメール騎手が輝いた。その成績は【16-10-6-14】で勝率34.8%、複勝率69.6%。勝ち星は2位に10もの大差をつけ、勝率、連対率、複勝率の全てでトップ(騎乗機会1の騎手を除く)だった。
極めて恐ろしいことに、昨年2400m以上の重賞レースでは【5-2-2-1】。悲痛なアクシデントのあった日本ダービーを除き、全ての騎乗機会で馬券圏内に入った。ジャスティンパレスで阪神大賞典と天皇賞(春)を連勝、ドゥレッツァで菊花賞を制し、スターズオンアースで「有馬記念史上初、16番からの馬券絡み」を達成(2着)。長距離戦でルメール騎手に逆らうのは無謀といっても過言ではない。
2位の川田将雅騎手は【6-4-2-15】で勝率22.2%、複勝率44.4%。勝率は高く、勝ち星も多いが、単回収率65%、複回収率61%は低め。川田騎手自身の2023年全体成績(勝率30.5%、複勝率60.0%、単回85%、複回85%)と比較してもかんばしくない。長めの距離はあまり得意ではないようだ。
3位は田辺裕信騎手で【5-5-4-15】勝率17.2%、複勝率48.3%。特に地元・福島の芝2600mでは3戦3勝。複勝率の高さに加え複回収率142%も非常に優秀で、人気、穴問わず上位に導いてくる。マークしておこう。
4位は短期免許期間だけで5勝を稼いだJ.モレイラ騎手。【5-3-3-5】勝率31.3%、複勝率68.8%だった。ただ、常に人気を背負う宿命からか回収率は100%を超えなかった。重賞はアルゼンチン共和国杯をゼッフィーロで制している。
5位は藤岡佑介騎手で【5-0-0-11】勝率と複勝率31.3%。5勝はいずれも先行押し切りであり、前走も「4角5番手以内」で通過していた馬だった。同騎手が長丁場で先行馬に乗っていれば要注意だ。
さて、惜しくもベスト5からは漏れたが、どうしても紹介しておきたいのが6位の富田暁騎手。その成績は【4-7-5-19】勝率11.4%、複勝率45.7%。なんといっても単回収率320%、複回収率148%が際立つ。活躍の舞台は主にローカルの芝2600mと、ダートの2400m戦だった。
コースを1周半する競馬では【4-5-5-12】、さらに2桁人気馬を除けば【4-5-5-5】複勝率73.7%、単回収率590%、複回収率250%と獅子奮迅の活躍だ。「長距離のルメール」以上に馬券貢献度の高い「ローカル長距離の富田暁」。ぜひとも活用していきたい。
<ライタープロフィール>
鈴木ユウヤ
東京大学卒業後、編集者を経てライターとして独立。中央競馬と南関東競馬をとことん楽しむために日夜研究し、X(Twitter)やブログで発信している。好きな馬はショウナンマイティとヒガシウィルウィン。
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