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【根岸S】武蔵野S組が10年で4勝と好相性 注目はタガノビューティー、4連勝中サンライズフレイムにも魅力あり

2024 1/21 17:03勝木淳
2024年根岸Sに関するデータ
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ⒸSPAIA

GⅠ直結の前哨戦

東京競馬場の年明けは、かつて日本初の洋式競馬場が横浜の根岸にあったことを伝える根岸Sから始まる。フェブラリーSの前哨戦は近年のローテ改革のなかで、むしろ存在感を増している。

昨年の勝ち馬はレモンポップ、22年勝ち馬テイエムサウスダンは本番2着、21年2着ワンダーリーデルは本番でも穴をあけた。20年モズアスコットも連勝でGⅠを奪取した。2016年から8年連続で本番3着以内馬を送る前哨戦は今どきでは珍しいほど。ダートの猛者たちは中2週など苦にしない。今年もGⅠのヒントがここにある。データは過去10年分を使用する。

根岸ステークスの人気別成績,ⒸSPAIA


本番直結の前哨戦とあって、1番人気【5-2-0-3】勝率50.0%、複勝率70.0%、2番人気【1-2-3-4】勝率10.0%、複勝率60.0%と下馬評通りの決着が目立つ。東京ダートのなかでも波乱傾向にある1400m戦らしく、6番人気【2-1-0-7】勝率20.0%、複勝率30.0%などひと波乱あるにはあるが、全体的には4番人気以内が強い。今年もメンバーが揃い、大荒れとはならないか。

根岸ステークスの年齢別成績,ⒸSPAIA


ダートはベテラン勢も早々引き下がらないが、スピード勝負の東京とあって、4歳【2-1-1-9】勝率15.4%、複勝率30.8%、5歳【4-2-2-23】勝率12.9%、複勝率25.8%と若い順に評価できる。6歳【3-4-3-32】勝率7.1%、複勝率23.8%、7歳以上【1-3-4-63】勝率1.4%、複勝率11.3%なので、数字上は決して軽く扱えないが、賞金加算という問題を抱える4、5歳の意欲を買いたい。

武蔵野Sとのつながり

4歳はドライスタウトの半弟サンライズフレイムなど、賞金的に厳しい馬たちばかり。タガノビューティーらベテラン勢にもチャンスがある。ここからは前走成績から好走ゾーンを探る。

根岸ステークスの前走クラス別成績,ⒸSPAIA


前走JRAのGⅠは【3-1-3-13】勝率15.0%、複勝率35.0%だが、ここは当然、チャンピオンズC【2-1-3-9】勝率13.3%、複勝率40.0%が大部分を占める。

根岸ステークスの前走GⅢ、レース別成績,ⒸSPAIA


今年の中心になるだろう前走GⅢ【6-4-2-28】勝率15.0%、複勝率30.0%について内訳をみる。同じ東京ダートが舞台の武蔵野Sが【4-2-1-7】勝率28.6%、複勝率50.0%と断然だ。今年は2着タガノビューティーなど複数が該当する。2着は【2-0-0-2】、4着以内【4-2-0-4】なので、惜敗組の巻き返しが目立つ。7歳タガノビューティーは一時期、得意としている東京でも結果を残せなかったが、武蔵野Sで反転してきた。これが今年も続くなら逆転候補でもいい。もともとベストは1400mだ。

カペラSは【2-2-1-19】勝率8.3%、複勝率20.8%と距離延長に壁を感じる。3着以内【2-2-1-6】、4着以下【0-0-0-12】なので6着ベルダーイメルは分が悪い。しかし、同馬は1400mでオープン勝ちがあり、東京マイルのグリーンチャンネルC2着。1200m向きとはいえず、舞台替わりで好走する余地は残る。

根岸ステークスの前走OP・L、距離別成績,ⒸSPAIA


最後に前走オープン・L【0-4-5-50】複勝率15.3%について距離別成績を出す。カペラSと同じく距離延長は【0-0-0-14】と大苦戦。同距離【0-3-4-32】複勝率17.9%など1400m以上の経験が必要だ。

前走1400m3着以内は【0-3-4-17】で、1着は【0-2-1-10】。前走1400mのオープンを勝ったことが必ずしも優位に働くわけではない。アルファマム、サンライズフレイム、フルムら1着馬は慎重に判断しよう。だが、霜月Sでフルムを下したアルファマムや、4連勝中の4歳サンライズフレイムに魅力を感じる。

特にサンライズフレイムは回避した有力馬ドライスタウトの半弟。弟は父ドレフォン。2019年以降、東京ダート1400mでドレフォン産駒は勝率14.8%と信頼度が高い。

根岸ステークスに関するデータ、インフォグラフィック,ⒸSPAIA


ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュース個人オーサーを務める。新刊『キタサンブラック伝説 王道を駆け抜けたみんなの愛馬』(星海社新書)に寄稿。



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