前走クラスと年齢に傾向あり
年明けに行われる古馬芝中距離のGⅡといえば、日経新春杯とアメリカジョッキークラブカップ(AJCC)の2鞍だ。前者が2400m、後者が2200mと距離が200mしか違わないこともあって同じようなイメージで捉えられているかもしれないが、実際は似て非なるレース。近10年の両レースを比較しつつ、今年の狙い馬をピックアップしたい。
最初の注目点は、日経新春杯がハンデ戦なのに対し、AJCCは別定戦ということ。これが大きく影響しているのが、前走クラス別成績だ。まずは日経新春杯だが、前走が条件クラスだった馬が【3-5-3-16】勝率11.1%、複勝率40.7%と好成績を残している。これは実にハンデ戦らしい傾向だ。20年には該当5頭中3頭で馬券圏内を独占、21年には唯一の該当馬だった7番人気ショウリュウイクゾが勝利するなど、近年も活躍が目立つ。
対照的に前走がGⅢかOP・Lだった馬は【0-3-3-55】勝率0.0%、複勝率9.8%で苦戦傾向といえる。一方、AJCCは前走が条件クラスだった馬が【1-0-1-13】勝率6.7%、複勝率13.3%。14年に1番人気レッドレイヴンが4着に終わるなど、人気を裏切るケースも多い。
続いては年齢別の成績だ。日経新春杯は特徴的で、4歳馬が【7-3-1-19】勝率23.3%、複勝率36.7%と優秀。出走があった9回中8回馬券に絡んでおり、22年には該当2頭でワンツーフィニッシュを決めている。逆に7歳以上は45頭が出走して全て4着以下。かつての実績で重いハンデを背負わされたベテランの出番は少ない。一方、AJCCは4歳馬が【2-4-3-16】勝率8.0%、複勝率36.0%。決して悪い数字ではないが、馬券に絡んだ9頭中7頭が3番人気以内で、人気馬が無難に走っている印象だ。そして7歳以上は人気薄も含めて5頭が馬券に絡んでおり、決して無視できない。