前走未勝利戦組に注目
アルテミスSは牝馬限定の2歳重賞ということで、キャリアの浅い馬同士の比較を求められるレースとなり、どうしても「数少ない実績」をもとに予想をすることになる。そのため前走で重賞勝ちや、新馬を強い内容で勝った馬が評価され人気になりがちである。
実際に過去10年の1番人気の前走を見てみると、4頭が新馬戦で快勝、2頭が1勝クラス勝ち、3頭は重賞から(うち2頭が前走1着、1頭が前走3着)で、何かしらの実績を評価されることが多く、未勝利戦勝ちからの馬は1頭しかいない。だが、1番人気馬の成績は【3-3-0-4】で、人気ほど安定しているとは言い難い。少ない実績で評価するのはなかなか難しいものである。
一方で、評価が低めな前走未勝利戦組の成績は【5-3-2-20】と、勝ち馬の半数を占めていた。新馬戦で土がついた馬の巻き返しがかなり決まっており、勝率16.7%、複勝率33.3%、単勝回収率は455%を誇っている。それだけ、人気が「数少ない実績」に吸われていることになる。前走未勝利戦組に注目し、積極的に青田買いしたい重賞だといえよう。
ちなみに、上述した前走未勝利戦勝ちから唯一1番人気になった1頭こそ、後にGⅠを4勝、2019年の年度代表馬にもなったリスグラシューだったりする。アルテミスSは人気に応えて勝利したが、そんな名馬でも新馬戦はクビ差2着に敗れていたのだ。
少ないキャリアのなかにも取りこぼしはある。未勝利戦勝ちの馬も、これまでのレース内容をちゃんと見ておきたい。