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【競馬】上級条件や左回りが狙い目 ロードカナロア産駒の「買える条件・買えない条件」

ロードカナロア産駒の買える条件・買えない条件,ⒸSPAIA
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新時代のリーディングサイアー・ロードカナロア

香港スプリント連覇などGⅠ・6勝を挙げ、歴代最強スプリンターの呼び声高いロードカナロア。種牡馬としてもGⅠ・9勝の名牝アーモンドアイやサウジCを制したパンサラッサを輩出するなど大活躍中である。今年に入ってもキミワクイーンやべラジオオペラ、ファストフォースら5頭が中央重賞を制覇しており、その勢いは健在だ。

今週は、そんなロードカナロア産駒の「買える条件・買えない条件」をデータから分析する(参照するデータはロードカナロア産駒がデビューした2017年6月4日~2023年8月27日)。


中京芝、京都ダートが狙い目

ロードカナロア産駒の「買える条件」,ⒸSPAIA


<ロードカナロア産駒の「買える条件」>
重賞【61-46-33-433】勝率10.6%/連対率18.7%/複勝率24.4%
母父サクラバクシンオー【38-42-16-129】勝率16.9%/連対率35.6%/複勝率42.7%
中京芝【81-57-46-473】勝率12.3%/連対率21.0%/複勝率28.0%
京都ダート【28-30-22-165】勝率11.4%/連対率23.7%/複勝率32.7%

まずはロードカナロア産駒の買える条件について。

特徴的なのは、上級条件ほど成績が良くなる点だ。重賞では勝率10.6%、単勝回収率121%とベタ買いするだけでプラス。特に妙味があるのがGⅢで【29-22-15-237】で勝率9.6%、単勝回収率149%を記録している。また、オープンクラスでも【48-46-30-331】で勝率10.5%、単勝回収率98%とまずまず。条件戦を突破し、オープン入りを果たした産駒の信頼度は比較的高いと言える。

血統面では最強スプリンター同士の夢の配合・母父サクラバクシンオーをピックアップ。勝率は16.9%、複勝率は42.7%で、単勝回収率も145%と非常に優秀だ。該当馬にはファストフォース(23年シルクロードS10番人気2着、23年高松宮記念12番人気1着)やサンキューユウガ(23年CBC賞8番人気2着)、キルロード(22年高松宮記念17番人気3着、22年京成杯10番人気2着)がおり、中京のスプリント戦での激走が目立っている。

また、母父シンボリクリスエスも【46-26-35-244】で勝率13.1%、複勝率30.5%と好成績を記録している。サブライムアンセム(23年阪神牝馬S10番人気2着)やレッドガラン(22年新潟大賞典7番人気1着)、ジューンベロシティ(23年東京ジャンプS6番人気1着)も母父シンボリクリスエスであり、人気薄での重賞好走が目立つ。その他、母父アグネスタキオンや母父ダイワメジャーが単勝回収率100%超えを果たしている。

競馬場別では、中京芝が狙い目。その中でも1200m、1600mの成績が優秀だ。1200mでは【23-11-11-110】で勝率14.8%、単勝回収率186%を、1600mでは【31-15-21-144】で勝率14.7%、単勝回収率113%を記録している。特に1200mは妙味たっぷりで、今年の重賞戦線でも先述したファストフォースやサンキューユウガが穴をあけている。その他、新潟芝が勝率11.2%で単勝回収率は118%とプラス域。左回りコースが得意な傾向にある。

また、京都ダートでの成績も良好。なかでも1900mでは【4-2-1-8】勝率26.7%、複勝率46.7%と抜群の安定感だ。ただ妙味があるのは、1200mと1800m。1200mでは【9-15-7-50】勝率11.1%、単勝回収率142%、1800mでは【7-4-5-54】で勝率10.0%、単勝回収率189%でベタ買いするだけでプラスになる。今年4月のリニューアル後も、【5-4-0-21】で勝率16.7%、単勝回収率124%と好調を維持。この傾向は今後も続くとみてよさそうだ。


下級条件では低調

ロードカナロア産駒の「買えない条件」,ⒸSPAIA


<ロードカナロア産駒の「買えない条件」>
未勝利戦【294-272-242-2188】勝率9.8%/連対率18.9%/複勝率27.0%
福島芝【25-23-22-219】勝率8.7%/連対率16.6%/複勝率24.2%
ダート×1700m以上【88-81-84-902】勝率7.6%/連対率14.6%/複勝率21.9%
距離延長【155-159-132-1632】勝率7.5%/連対率15.1%/複勝率21.5%

次に買えない条件についても紹介する。

上級条件での活躍が目立つ一方、下級条件での成績はやや物足りない。特に未勝利戦は勝率9.8%、単勝回収率75%と他の条件よりも見劣りする。下級条件で狙うよりは、上級条件まで勝ち上がってきた産駒を中心に狙うのが良さそうだ。

競馬場別では、福島芝の成績が勝率8.7%、単勝回収率57%と低調であり、妙味度も低い。その他、函館芝では勝率12.0%、単勝回収率54%、中山芝では勝率11.7%、単勝回収率55%と、いずれも勝率はそこそこでも妙味がない。パワーのいる洋芝や器用な立ち回りが求められる小回りコースでは、下位人気は割引だ。

また、ダートの1700m以上では勝率7.6%にとどまっている。特に2100m以上では【1-0-0-24】と壊滅的だ。逆にマイル以下では【203-174-170-1489】で勝率10.0%、単勝回収率80%とまずまず。ダートで狙う場合はマイル、短距離で狙うのがオススメだ。

距離延長も大きな減点材料。勝率7.5%、単勝回収率75%は、同距離組(勝率11.3%、単勝回収率85%)や距離短縮組(勝率11.9%、単勝回収率95%)と比べると大きく見劣りする。さらに、500m以上の距離延長では【6-5-9-163】で勝率3.3%まで成績が下落する。

ロードカナロア産駒の「買えない条件」,ⒸSPAIA


《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。

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