傾向解説
春の東京GⅠが終了し、芝1800mという条件設定からも多路線から賞金加算を狙う馬が集まる一戦。今年も様々な路線から有力馬が参戦しており、能力比較、舞台適性、成長曲線など多くのファクターが入り乱れる難解なレースとなりそうです。本記事では血統面を中心に、エプソムCで求められる適性等を整理していきます。
まず、ポイントとして挙げたいのは4歳馬の活躍が目立つということ。日本の主流条件のため、世代交代も早いところは安田記念と同様の傾向。さらに、5歳以上の実力馬はGⅠ競走に出走している可能性が高いため、5歳以上の出走馬のレベルは必然的に低くなる傾向にあります。
それに対して、4歳時であれば素質馬であっても賞金が足りないケースも少なくないため、エプソムCは「4歳馬の出世レース」と位置づけられる重賞ともいえるでしょう。
<年齢別成績(過去10年)>
4歳【6-5-4-21】勝率16.7%/連対率30.6%/複勝率41.7%/単回収率94%/複回収率189%
5歳【3-2-2-35】勝率7.1%/連対率11.9%/複勝率16.7%/単回収率53%/複回収率42%
6歳【1-3-3-30】勝率2.7%/連対率10.8%/複勝率18.9%/単回収率59%/複回収率61%
7歳以上【0-0-1-41】勝率0.0%/連対率0.0%/複勝率2.4%/単回収率0%/複回収率12%
適性面については、道悪適性が近年のテーマ。開催後半に行われることから馬場の消耗が進んでおり、さらに梅雨入り前後に行われるため雨の影響も受けやすいです。絶好の馬場状態で行われることが多い毎日王冠とは同コースであっても、好走血統が大きく異なります。今年も週中から雨予報が続くため、日本の主流血統とは少々異なる馬の方が走りやすいレースとなりそうです。
注目血統はNureyev≒Sadler's Wells=Fairy Kingなどの欧州血統。特に、良馬場以外で同血脈を持つ馬の成績は非常に優秀で、良馬場以外で行われた2018年(重)、2019年(稍重)、2020年(不良)、2022年(重)はいずれもNureyev≒Sadler's Wells=Fairy Kingを持つ馬が勝利しています。
<血統別成績(過去10年・良馬場以外)>
Nureyev【3-2-3-16】勝率12.5%/連対率20.8%/複勝率33.3%/単回収率151%/複回収率232%
Sadler's Wells【1-0-1-6】勝率12.5%/連対率12.5%/複勝率25.0%/単回収率91%/複回収率48%
Fairy King【0-1-1-1】勝率0.0%/連対率33.3%/複勝率66.7%/単回収率0%/複回収率166%
掲載しているデータではSadler's Wellsの成績がパッとしませんが、昨年は5頭が出走して勝ち馬から0.2秒差以内に4頭が入り、2020年にも人気薄馬が掲示板入り。もともと道悪巧者が多い血統でもあり、出走数が増えれば自然と成績も向上する血脈といえるでしょう。