ラスト11.2-11.0-11.1を差し切る
サトノクラウン産駒タスティエーラの勝利で幕を閉じた日本ダービーから1週間、早くも2021年産まれの2歳馬たちによる新馬戦がスタートした。今年も毎週末撮影した中で目に留まった、来年のスター候補を取り上げていく。
今世代最初の注目2歳馬として紹介するのは、6月4日(日)の東京5R、牝馬限定の芝1600m戦を勝利したダイワメジャー産駒ボンドガール(美浦・手塚貴久厩舎)。半兄はダノンベルーガ、2022年のセレクトセールで2億3,100万円で落札されるなど注目を集めていたが、その前評判に違わぬレースぶりが光った。
金曜日から土曜日にかけて262mmもの雨量を計測したが、馬場は急速に回復してレースは稍重で行われた。
レースは1番人気の支持を集めたチェルヴィニアが逃げ、1馬身離れた2番手にマスクオールウィンが続く展開で、前半800m通過49.2とスローペースで流れる。ボンドガールはこれら2頭を見る形で3番手のインでじっと脚を溜める競馬だった。
本馬は直線の残り400m標識を過ぎるところで進路を外に切り替え、追い出されると素晴らしい末脚を発揮。ラスト11.2-11.0-11.1(33.3)の瞬発力勝負になるところ、上がり33.0をマークして残り50mでチェルヴィニアを捉えると、3/4馬身差をつけて勝利。2歳の6月という時期と前半のペースを考慮すると、1:34.6というタイムは文句なし。まさに優等生という走りで将来が楽しみな逸材と言えるだろう。