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【フェブラリーS】2強に不安あり、スピードの暴力でタイトルかっさらう 京大競馬研の本命はシャールズスパイト

過去10年フェブラリーS着順別成績,ⒸSPAIA

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中東の暑さに負けないほどの熱戦を

2月19日(日)に東京競馬場でフェブラリーS(GⅠ)が行われる。根岸Sを勝って堂々ここに駒を進めたレモンポップや、一昨年の全日本2歳優駿覇者ドライスタウト、地方のGⅠ(JpnⅠ含む、以下同じ)で存在感見せるメイショウハリオやショウナンナデシコなどが集った。

サウジアラビアで1着賞金1000万ドル(約13億円)のサウジカップが創設されて以降、毎年のようにそちらにトップホースが出走するようになり、こちらは寂しいメンバーになることが多くなっている。サウジC5着賞金>フェブラリーS1着賞金では仕方のないところか。しかしファンの熱狂ぶりはあちらに勝るとも劣らない。中東の暑さに負けないほどの熱戦をこちらでも期待したい。


前走GⅠなら着順不問 格を重視で点数を絞れ

過去10年フェブラリーS前走クラス別成績,ⒸSPAIA


過去10年の前走着順別成績を調べた。前走1着の馬が【6-3-3-25】の複勝率32.4%。馬券になった12頭は川崎記念やチャンピオンズカップなどのGⅠ勝ち馬、あるいは前哨戦である根岸S、東海Sの勝ち馬で占められており、1着の6回は全て前哨戦からの連勝だった。前走2着馬は【0-3-3-14】、前走3着馬は【0-1-0-14】。馬券内7頭の前走内訳は、先述した前走1着馬と同様、GⅠ、根岸S、東海Sの3択だった。レベルの高いGⅠや前哨戦の好走馬は素直に買っておきたい。

注目したいのは前走6-9着馬が【2-2-1-27】、前走10着以下【2-0-2-20】と合わせて4勝をあげており、巻き返しが多い点だ。カフェファラオが2年連続でチャンピオンズカップ大敗から巻き返すなど、東京ダ1600mに向いた馬が不適な条件から脱出して好走するのが共通パターンで、前走6着以下から一変した9頭のうち8頭は前走GⅠ、しかもチャンピオンズカップや東京大賞典、川崎記念といった1周コースからの距離短縮であった。中距離GⅠを使っていた馬は全部あげておきたい。一方で根岸S、東海Sで凡走した馬の巻き返しはなく、今年もこの傾向に従いたい。

巻き返した馬で唯一の例外が2014年1着のコパノリッキー。当馬は3歳時に兵庫CSを圧勝し世代上位を示していたが、故障明けのオープン2戦でよいところがなかったため殿人気になっていた。ドライスタウトも全日本2歳優駿を勝ちながら、兵庫CSで脚を滑らせて半年棒に振るなどコパノリッキーと共通点を見いだせる。4歳筆頭として相応の走りを期待して良いだろう。

「前走GⅠ」あるいは「前哨戦で好走した馬」に該当するのがシャールズスパイト、ショウナンナデシコ、ソリストサンダー、メイショウハリオ、レッドルゼル、レモンポップの6頭。世代上位の故障明けにあたるドライスタウトを含めた7頭で印の強弱をつけたい。


海外からの刺客、手薄な相手なら一捻りがあっても

◎シャールズスパイト
ドバイターフの叩きにここを選んだ。スパイツタウン産駒はアメリカダートで必要なスピードをよく引き継いだ馬が多く、日本では主にダート短距離で重賞級を輩出している。当馬はダート未勝利ではあるものの日本ダートの適性がないとは思わない。オーナーが吉田勝己氏と親交があり、種牡馬入り後を見据えた宣伝や、引退の近いモレイラ騎手に日本での騎乗機会を与えるなど、やりたいことが多数あるからこその参戦であると考える。高い遠征費用を払ってまで騎手の凱旋、能力の披露をしにきたからには、大敗するような状態で出してくるとは思えない。データ上の問題もなく、他の上位人気馬に不安要素も多い。一発あってもおかしくない。

◯ドライスタウト
前走は横の川田騎手に締められて追い出しが遅れた分の2着で悲観する必要はない。全日本2歳優駿のレコード勝ちが大変素晴らしく、脚を滑らせた兵庫CS以外での安定性も評価。今回は相手がこれまでより一気に強化されることと、外回しの楽な競馬が多い経験面の浅さも不安要素。前走のように締められたり砂を被ったりするとどうか。とはいえ、レモンポップに他馬のマークが流れるようであればスムーズに走ることは容易で、三連系の軸としてはこちらを推奨したい。

▲レモンポップ
1400mの根岸Sを勝利。追い込みが届く展開を先行して勝ちきった内容は着差以上の価値がある。しかし気になるのは今回戸崎騎手がドライスタウトに騎乗するということ。出否が決まらなかったため戸崎騎手が先約を優先したものと思われるが、1週前追い切りまで出否を保留にするほど反動があった点は信用に欠ける。調教師も疲れがあったことを認めている。中2週でも根岸S程度の走りをされたら上位は避けられないため印は打つが、配当的には正直飛んでほしい。

△レッドルゼル
1600mへの距離延長はマイナス。最後方待機でどれだけ末脚伸ばせるか。

×ソリストサンダー
前走こそ凡退も、それ以外は安定。昨年4着で当時の上位馬がいない今回は必然的に繰り上がる。

×ショウナンナデシコ
かしわ記念覇者。昨年秋は疲れがあった。休んで一変に期待。

メイショウハリオは久しぶりのマイルが不安であることと、JBCクラシックの騎手コメントで「左回りがダメ」と明言されており、人気に比して不安要素が多く消しとした。馬券は印6頭の三連複ボックス20点とシャールズスパイトの単勝で勝負する。(文:福山)

フェブラリーS 予想印
◎シャールズスパイト
◯ドライスタウト
▲レモンポップ
△レッドルゼル
×ソリストサンダー
×ショウナンナデシコ

ライタープロフィール
京都大学競馬研究会
25年以上の歴史がある京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えを目指す本格派が揃う。



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