中山芝2000mを舞台にGⅢ・中山金杯が行われる。昨年暮れの中日新聞杯2着マテンロウレオ、同コースのホープフルSで3着の実績があるラーグルフ、ラジオNIKKEI賞勝ち馬フェーングロッテン、目下3連勝中の上がり馬レッドランメルトの明け4歳勢、重賞で善戦が続くアラタ、一昨年の目黒記念以来となる勝利を目指すウインキートスなどがタイトル奪取を狙う。
競馬ファンにとっては新年の到来を感じさせるレース。「一年の計は金杯にあり」の格言もあり、的中でスタートを切りたいところ。過去10年のデータを参考に攻略のカギを探っていく。
＜中山金杯・前走着順別成績＞
5着以内【8-9-8-38】勝率12.7%/連対率27.0%/複勝率39.7%
6着以下【2-1-2-91】勝率2.1%/連対率3.1%/複勝率5.2%
※過去10年
中山金杯は前走着順を素直に信頼したいレースで、過去10年の馬券圏内30頭中25頭が前走で掲示板に入っていた。6着以下から巻き返したのは2013年3着ジャスタウェイ、2014年1着オーシャンブルー、2015年2着ロゴタイプ、2019年1着ウインブライト、2020年3着テリトーリアル。テリトーリアルを除いてGⅠで活躍を見せた馬が並んでおり、同等のプロフィールに欠ける今年の該当馬は望み薄か。出走メンバー中前走で掲示板に入ったのはアラタ、エヴァーガーデン、カレンルシェルブル、マテンロウレオ、ラーグルフ、ラーゴム、レッドランメルトの7頭。ここから軸候補を考える。
前走掲示板組のうち、斤量増となる馬が【6-3-2-5】複勝率68.8%の好成績。単勝回収率156%、複勝回収率120%と妙味も兼備している。充実期にあり、ハンデキャッパーからも力を評価されている馬を買いたいところ。7頭の中で条件を満たすのはマテンロウレオ、ラーグルフ、アラタ、ラーゴムの4頭だ。
◎ラーグルフ
クラシックに挑戦後、条件戦から再始動。2勝クラス・月岡温泉特別ではのちに同級を圧勝するセントカメリアを差し切り、前走の甲斐路Sでは前が飛ばす展開をじっと我慢し、最後は一頭だけ伸びて2着に2馬身差の快勝。ハイペースを考慮しても1分58秒0の走破時計は優秀で、再びの重賞好走へ素地は整ったといえる。
中山芝2000mでは芙蓉S勝ちやホープフルS3着の実績があり、適性面でのマイナスはない。上々の手応えから伸びきれなかったセントライト記念の内容から、距離も2000mがベストだろう。飛躍の年に向けて初戦を勝利で飾りたい。
◯ラーゴム
昨年2月の仁川S以来ダート戦線に矛先を向け、ダートグレード競走で2着2回、3着1回と確かな脚力を示した。かかる面が低減されてきたこともレース運びに安定感を加えている。勝ち切れないもののジリ脚で伸び続ける、簡単に止まらない末脚はいまの中山芝にマッチする印象だ。
もともと3歳時にきさらぎ賞を勝っており、芝戻りへ懸念はない。芝時代に大敗を喫したレースでは後方の位置取りから勝負に参加できておらず、近走同様にポジションを取る競馬なら見直す価値がある。昨夏のワールドオールスタージョッキーズ以来となる参戦で腕をぶすバシュロ騎手の手綱さばきにも注目だ。
▲マテンロウレオ
近2走はそれまで経験のない先行策をとり、連続連対と結果を出してきた明け4歳馬。8枠16番から5番手につけ、キラーアビリティにタイム差なしの2着に頑張った中日新聞杯は、1番人気プログノーシスが力を出し切れなかった事情があったとはいえ一定の評価をすべきだろう。
ただいずれも横山典弘騎手の好騎乗が光っており、力量的にはこれ以上の着順を望むのは酷という印象。中山芝2000mへのコース替わりがプラスとも言い難い。大崩れはないだろうが、勝ち切るイメージは薄い。
以下アラタ、ワンダフルタウン、レインカルナティオまで印を回す。馬券は◎から印に流す馬連とする。
▽中山金杯予想▽
◎ラーグルフ
◯ラーゴム
▲マテンロウレオ
△アラタ
×ワンダフルタウン
×レインカルナティオ
《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。
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