ミッキーブリランテが動くも、ペースはスロー
サマーマイルシリーズは最終戦前までで米子Sと関屋記念を勝ったウインカーネリアンがトップ。2位につけたベレヌスが追っていた。シュリ、ファルコニア、ミスニューヨークも京成杯AHに駒を進めたが、逆転優勝の権利は2位ベレヌスにしかなかった。
そのベレヌスのポイントは小倉芝1800mの中京記念1着によるもの。ここまでマイル戦は【0-1-0-3】で勝利なし。2着は今春の新潟・谷川岳S(勝ち馬ウインカーネリアン)でのもの。前後半800m48.6-45.0という新潟マイル特有の超スローペース。逃げのアドバンテージを目一杯使い切ってのものだった。中山のマイル戦はその前走東風S0.2差4着。ここも前後半800m47.5-46.6と中山マイルとしては緩い流れを演出した。逆転優勝に向けて、ベレヌスにとってはマイペース、緩めの流れが必要だった。
そこで気になるのがシュリ。前走関屋記念でベレヌスと似た流れを作り、2着好走。21年谷川岳Sを3角先頭から押し切ったように積極策が持ち味。ベレヌスと展開がかち合う。だが、ベレヌスは先手をとりやすい1番枠を引き、さらにシュリが競走除外。流れはベレヌスのマイペースに傾いていた。
レース序盤は思惑通りベレヌスの先手を取った。背後にコムストックロード、ファルコニアで隊列は決まったかに見えた。だが、2コーナーに入る残り1200m付近、スタートで遅れたミッキーブリランテが外から進出、一気にベレヌスからハナを奪った。ベレヌスの得意パターンに持ち込ませては勝ちはない。ミッキーブリランテも後ろから差す形より好位からスピードに乗りたい。ベレヌスどうこうではない。ミッキーブリランテの好走には必要な策だった。だが、これが結果的にベレヌスのリズムを乱した。
前後半800m47.5-46.1はベレヌスの得意な流れだったが、自らが作った流れではないと勝手が違う。逃げ馬の宿命だ。後半800mは11.7-11.3-11.3-11.8。スローでもマイル戦らしい持続力勝負。開幕週で後ろから差すには厳しい流れになり、先行勢の叩き合い。タイミングよく4コーナー2番手にいたファルコニアがミッキーブリランテをゴール前で交わした。
ファルコニアは中京記念の3着馬。小倉芝1800mは決して好条件とはいえず、得意のマイル戦で巻き返した。ハイペースのマイラーズC3着があるが、得意は直線が長いコース、またはスローを好位から速い上がりで押し切る形。ディープインパクト産駒らしいスピードタイプで開幕週の走りやすい馬場も味方した。
高野友和厩舎は中山開幕週の重賞を連勝。レイパパレやスタニングローズ、そしてファルコニアと好位からスピードで押し切るタイプが多い。最後までしぶとく粘る力は坂路で一杯に追う調教スタイルの賜物。急坂コースに強く、17年~9月4日までで、中山は勝率21.2%、阪神も13.2%と高い。特に中山は単複回収値100超え。今後、中山遠征の際は注目したい。















