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【エルムS】圧倒的に先行有利のコースを味方に 京大競馬研の本命はアイオライト

エルムSインフォグラフィック,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

圧倒的先行有利の札幌ダート1700m

8月7日(日)に札幌競馬場で行われるエルムS。昨年は函館競馬場で行われ、スワーヴアラミスが先行策から押し切った。今年はスワーヴアラミスやオメガレインボーなどの実績馬のみならず、ブラッティーキッドなど勢い十分な上がり馬も集まった。以下では、過去のレース傾向などを踏まえて予想していく。


同条件4角位置別成績,ⒸSPAIA


まず2010年以降、札幌ダート1700mで行われた3勝クラス以上のレースにおける4角位置別成績を調べると、4角で5番手以内の馬と6番手以降の馬では成績に大きな違いがあった。前者は【15-17-12-60】勝率14.4%、連対率30.8%、複勝率42.3%と圧倒的な成績を残している。一方後者は【3-1-6-117】と前者と比較すると成績は格段に落ちている。過去18レースでの連対馬36頭のうち、32頭が4角5番手以内というように、4角で前につけられる馬でなければ連に絡むのはかなり厳しい。札幌ダ1700mの直線が264mと短いことが大きな原因だ。

今回出走する馬の中では、ロードエクレール、アイオライト、ウェルドーン、フルデプスリーダーなどが先行勢として挙げられ、反対に差し勢のロードレガリス、オメガレインボー、ヒストリーメイカーなどは高く評価すべきでない。


狙いたい前走連対馬

過去10年エルムS前走着順別成績,ⒸSPAIA


次に過去10年のエルムSにおける前走着順別成績について調べた。前走1着馬は【5-3-3-15】、前走2着馬は【2-3-2-12】、前走3~5着馬は【1-2-2-25】、前走6着以下馬は【2-2-3-49】となっている。

特筆すべきは前走連対馬の成績だ。前走1着馬は勝率19.2%、連対率30.8%、複勝率42.3%、前走2着馬は勝率10.5%、連対率26.3%、複勝率36.8%と、どちらもかなりの好成績。今回の出走馬の中で前走連対馬はアイオライト、ウェルドーン、ヒストリーメイカー、ブラッティーキッド、フルデプスリーダーが該当する。これらの馬の評価は上げていきたい。


先行馬×前走連対馬中心の予想!

◎アイオライト
前走大沼Sでは3番手からの競馬で、4角2番手に立ち、3番目の上がりを使い勝利。これまでとは違った内容のレースを見せた。前走以前はハナを取りに行く際にかなり脚を使ってしまったり、他の馬に並びかけられるなど逃げ馬によく見られる負け方が続いていたが、前走のような控える競馬が出来たのはプラスだ。今回はロードエクレールやアメリカンシードなどハナを主張しそうな馬が多いが、それらの馬の後ろに控えつつ、前の馬を捉え、後ろの馬をしのぎ切るレースができそうだ。

この馬の脚質なら4角5番手以内で通過するのは間違いなく、前走1着という先述した好走データをしっかりと満たしている。調教での動きも問題なく、前走から状態は維持できているし、小回りの1700mはこの馬にとってベストな条件だ。

◯ウェルドーン
前走マリーンSは道中から2番手で競馬を進め、フルデプスリーダーのハナ差2着に敗れたが、4カ月ぶりのレースかつ馬体重が18㎏増だったことを踏まえれば十分評価できる内容である。こちらも4角である程度の位置は確保できそうだ。好成績を残している前走連対馬であり、一叩きして前走からの変わり身も見受けられる。レース当日は雨が降る予報もあるが、道悪ダートには対応できる馬なので、その点は心配ない。

▲ヒストリーメイカー
前走プロキオンSは展開や馬場が向いたのは否めないが、2着に入ったのは地力の証明。8歳となって全盛期から見ると衰えもあるが、まだまだ重賞で通用する力はある。理想は前走のような道中で積極的に動いていく競馬で、今回も前はある程度流れそうなため、同様の運びが叶う可能性はある。馬場は渋った方がいい馬なのでレース当日雨が降りそうなのはプラス。前走ほどのオッズの旨味はないが、さほど人気もしなさそうなのでここでも積極的に狙っていきたい。

△スワーヴアラミス
東海Sでの豪快な差し切り勝ちなどから差しの印象が強いが、先行しての競馬も出来る馬で、前々走の平安Sも4角位置を5番手で通過していた。道中で動いていける馬で、4角5番手以内で通過できる可能性はある。今年に入ってからもGⅡを勝つなど実績ではメンバー最上位。札幌ダ1700mは2戦して1着、2着と相性のいいコースでもあるので、斤量面での不利はあるが、好走を期待したい。

×フルデプスリーダー
前走は展開がハマった感があるが、今回も先行して競馬が出来れば展開は向くので抑えたい。

×アメリカンシード
前走は鼻出血明けの影響もあってか思うような走りはできなかったが、元々持っている能力は高い。ハナに立てれば粘り強い馬だが、久々のレースかつロードエクレールがいるので無理をしないとハナに立てないのはマイナス。

買い目としては、◎から◯▲△×への馬連、ワイドで勝負。今年の夏は連日の猛暑。これだけ暑いと馬の体調面が心配になります。

▽エルムS予想印▽
◎アイオライト
◯ウェルドーン
▲ヒストリーメイカー
△スワ―ヴアラミス
×フルデプスリーダー
×アメリカンシード

ライタープロフィール
京都大学競馬研究会
25年以上の歴史がある、京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えを目指す本格派が揃う。



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