一線級相手に善戦
サマー2000シリーズ第2戦・函館記念。洋芝、1周距離1651.8m(Bコース)、梅雨時季など中央場所とは大きく条件が異なり、ハンデ戦のため能力面も比較的平らに均されている。
暑さも厳しいため状態面も重要なファクターだが、まずは各馬の適性面を参考レースから整理していきたい。
【日経賞】
午後からの降雨により芝はメインレースのみ稍重での開催。芝は荒れ気味で馬力の求められる馬場状態であった。レースはタイトルホルダーが押して先手を取ったが、取り切ってからは落ち着いて前半1000m63.5のスローペース。さらに、1~2角では13.4-13.4まで落ちており、後方待機勢にはかなり厳しい展開だったといえる。前有利。
5着馬ハヤヤッコは2歳時以来となる芝。2枠2番から経済コースを走り切り、上がり3F最速タイでの掲示板入りを果たした。力を出し切っての敗戦ではあるが、天皇賞(春)勝ち馬タイトルホルダーや目黒記念勝ち馬ボッケリーニ、天皇賞(春)4着馬ヒートオンビートと0.3~0.4秒差なら今回のメンバーでは地力上位といえるだろう。力のいる馬場も得意なクチ。
7着馬スマイルはハヤヤッコの外で運んだが、直線は伸び負ける形。ただ、内外の差や掛かり気味だった点を考慮すると着差ほどの力差は感じない。この時は同斤量だったが今回は3キロ差に変わるため、着順が入れ替わる可能性は十分にある。
14着馬ランフォザローゼスはスマイルの直後で運んだが、2周目3~4角ではスタミナ切れ。馬場も影響したかもしれないが、力負けの感は否めない。
昨年同様の超スローペース
【目黒記念】
金曜に雨が降ったが、開催への影響はなく速めの馬場状態。レースはウインキートスが先手を取り前後半1000m62.5-58.3の後傾4.2秒。昨年ほどではないが、前有利の展開であったことは間違いないだろう。
2着馬マイネルウィルトスは行き脚がつかず中団からとなったが、徐々にポジションを上げていき、3角手前では3番手に押し上げる形。1着馬ボッケリーニには着差以上の力差を見せつけられ、3着以下とは展開次第で着順が入れ替わる力関係といえるだろう。ただ、抑えるのに苦労していただけに、ペースが上がる点はプラス材料だ。
実績馬が復調気配

【鳴尾記念】
Bコース替わり初週だったが、極端なトラックバイアスは発生せず。レースはキングオブドラゴンが先手を取り、中盤も緩まない坦々としたラップを計時。前後半1000mでは60.1-57.6の後傾2.5秒だが、少頭数ということもあり位置取りによる有利不利は大きくなかっただろう。
3着馬サンレイポケットは後方のインで脚をタメ、息の長い末脚で勝ち馬に0.1秒差まで詰め寄った。末脚が持ち味ではあるが、残り400~200mで突き放された通り瞬発力勝負は苦手なタイプ。タフな展開になればさらにパフォーマンスを上げるだろう。復調気配。
4着馬ギベオンは3番手追走からしぶとい粘り腰。サンレイポケットほど余力は感じなかったが、同斤量で0.1秒差なら大きな力差はないだろう。コンテスティッドの仔らしく力のいる馬場も得意なクチだ。
日経賞組は過小評価されている!?
地力最上位は天皇賞(秋)とジャパンCで4着のサンレイポケット。使いつつ良くなるタイプで、前走は復調の兆しを見せた。タフなラップになりやすい函館記念ではHyperionの血も騒ぐ。人気薄では日経賞組のハヤヤッコとスマイルに期待。特にスマイルは斤量面でも魅力があり、力のいる馬場も大歓迎だ。
注目馬:サンレイポケット、ハヤヤッコ、スマイル
※記事内の個別ラップは筆者が独自に計測したものであり、公式発表の時計ではありません。
ライタープロフィール
坂上明大
1992年生まれ、岐阜県出身。元競馬専門紙トラックマン(栗東)。2019年より競馬情報誌サラブレにて「種牡馬のトリセツ」「新馬戦勝ち馬全頭Check!」などの連載をスタートさせ、生駒永観氏と共同執筆で『血統のトリセツ』(KADOKAWA)を上梓。現在はYouTubeチャンネル『競馬オタク』を中心に活動し、パドック解説や番組出演、映像制作、Webメディアでの連載もこなす。
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