「スポーツ × AI × データ解析でスポーツの観方を変える」

【CBC賞】ファストフォース最上位もコースデータからアネゴハダ、ロードベイリーフに好走サインあり!

2022 6/26 17:16勝木淳
CBC賞インフォグラフィック,ⒸSPAIA
このエントリーをはてなブックマークに追加

ⒸSPAIA

波乱傾向、外枠有利

今年も東海圏のテレビ局CBCの社杯は変則日程のため、小倉で行われる。昨年は8番人気ファストフォースが格上挑戦を実らせ、芝1200mの日本レコード1.06.0で逃げ切りV。2着2番人気ピクシーナイト、3着6番人気アウィルアウェイで波乱決着。もともと中京施行で、短距離のハンデ戦とあって実績馬の出走が少ないレース。今年はさらに小倉特有の開幕週の高速馬場も加わり、難易度をぐっとあげる。

ここでは小倉のコースデータに注目。過去10年の7~9月に開催された小倉芝1200、古馬3勝クラス以上31レースから傾向を探っていく。

過去10年同条件人気別成績,ⒸSPAIA


小倉芝1200mは中山と同じく2コーナー出口付近から4コーナーへ一気にくだり、かつ中山のような急坂がなく、最後は平坦。芝1200mとしては日本一速い高速トラック。スピードに特化した舞台だからなのか、1番人気は【1-6-2-22】勝率3.2%、複勝率29.0%で、夏の高額条件は10年で1勝しかあげていない。13年佐世保Sのバーバラを最後に未勝利だ。

連軸なら2番人気【3-3-6-19】勝率9.7%、複勝率38.7%。昨年のCBC賞もピクシーナイトが2着だった。勝率なら3番人気【5-2-4-20】勝率16.1%、複勝率35.5%、5番人気【5-4-2-20】勝率16.1%、複勝率35.5%、8番人気【5-1-1-23】勝率16.7%、複勝率23.3%とやはりひと筋縄ではいかない傾向だ。

過去10年同条件年齢別成績,ⒸSPAIA


年齢の傾向は対照的にくっきり。4歳【12-5-11-54】勝率14.6%、複勝率34.1%とスピードトラックらしく若い馬が有利。5歳は【10-15-9-113】勝率6.8%、複勝率23.1%、6歳【7-7-6-103】勝率5.7%、複勝率16.3%なので、4歳から5、6歳へという入り方が理想ではないか。

また格上挑戦のアネゴハダが当てはまる3歳は【1-3-3-31】勝率2.6%、複勝率18.4%。1勝はアネゴハダと同馬主・岡浩二氏所有、ヨカヨカの北九州記念だ。

過去10年同条件枠別成績,ⒸSPAIA


一見枠番に偏りがなさそうな舞台だが、7枠【7-4-8-49】勝率10.3%、複勝率27.9%、8枠【6-7-3-58】勝率8.1%、複勝率21.6%と外枠が優勢。これに5枠【5-6-4-40】勝率9.1%、複勝率27.3%が続く。

スピードトラックの芝1200mはちょっとしたミスが致命傷になるため、内枠はごちゃつきやすく、スタートで思わぬブレーキをかけ、位置が下がる危険性も高い。外枠は外を回るロスはつきまとうものの、外から流れに乗せやすいという利点が上回るコースでもある。

いやいや、今年のCBC賞は夏の小倉開幕週よ、内枠が有利でしょと思いきや、昨年のCBC賞2、3着は7枠の差し馬。距離ロスよりスムーズさをとりたいので、枠順もしっかり検討材料に組み入れたい。


ヨカヨカのあとを追うアネゴハダ

10年間で1番人気1勝のみ、4歳、外枠が優勢といった傾向を頭に入れつつ、ここからは前走距離に注目し、好走馬を探していきたい。

過去10年同条件前走距離別成績,ⒸSPAIA


前走距離に注目すると、1200m未満【3-3-3-40】勝率6.1%、複勝率18.4%、1200m【23-23-23-250】勝率7.2%、複勝率21.6%。1200m超【5-5-5-69】勝率6.0%、複勝率17.9%。大きな差はないが、同距離は出走数が圧倒的。それでも確率はいくぶん高く出る。今年も該当馬多数。まずはここから。

過去10年同条件前走同距離組距競馬場別成績,ⒸSPAIA


まず前走競馬場別成績。同じ小倉が【9-9-6-71】勝率9.5%、複勝率25.3%。ただ今年は夏開催の開幕週なので、ここはアテにならない。であれば、阪神【4-3-2-29】勝率10.5%、複勝率23.7%が狙いどころ。前走阪神の芦屋川Sを勝ったカリボールがいる。小倉は新馬戦2着以来の出走になるが、昇級戦でハンデも手ごろにおさまりそうだ。ちょっと狙ってみたい。

昨年の覇者ファストフォースの前走は高松宮記念。前走中京は【2-2-6-36】勝率4.3%、複勝率21.7%とコースデータ上ではやや頼りない。それでも昨夏小倉で重賞1、2着、それも1.06.0、1.08.4と幅のある時計で好走している点も心強い。相手関係を考えれば、ここは無理に評価を落とせない。

距離延長組は当然ながら新潟芝1000mが【3-3-3-39】。今年は韋駄天S組がいるので検討しておくと、前走新潟芝1000mかつ中団【1-1-1-15】勝率5.6%、複勝率16.7%、後方【1-1-1-5】勝率12.5%、複勝率37.5%。直線競馬で前半ついていけなかった馬が、距離延長で楽になって好走するというパターンがある。

スティクスよりロードベイリーフ、アンコールプリュに魅力を感じる。特にロードベイリーフは韋駄天S2着。小倉は冬の北九州短距離Sこそ16着だが、これは出遅れて無理に追いあげてのもの。夏の小倉は最終週だったが、昨夏テレQ杯2着がある。

過去10年同条件前走同距離組競馬場別成績,ⒸSPAIA


短縮組では3歳かつ格上挑戦のアネゴハダが前走1400m。前走1400mは【4-3-3-58】勝率5.9%、複勝率14.7%。1200m戦の距離短縮はほぼ1400mからなので、さすがに確率は高く出ない。しかし好走はほぼ1400mなので、マークは必要だろう。桜花賞出走、重賞3着は昨年5着、北九州記念勝ちのヨカヨカによく似た戦歴。今年のフィリーズレビューは前後半600m33.5-35.0のハイペースでスプリント適性が要求された競馬。アネゴハダも古馬オープンの流れに戸惑わなければ通用してもいい。

CBC賞インフォグラフィック2,ⒸSPAIA


ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュース個人オーサーを務める。共著『競馬 伝説の名勝負』シリーズ全4作(星海社新書)。

《関連記事》
3連単の最高額は2073万8890円 2021年中央競馬の高額配当ランキング
ルメール騎手の鉄板条件は 頭に入れておきたい2021年の傾向振り返り
1位は「1.8秒差」つけたサイレンススズカ&メジロブライトの伝説2レース! JRA平地重賞の着差ランキング