レースを支配したテーオーケインズ
テーオーケインズはサウジ遠征から帰国初戦も3カ月と十分間隔をとり、万全の仕上げ。59キロを背負い、2着ケイアイパープルに2馬身半差。格の違いを見せつけた。
このあとは帝王賞なら、アンタレスSを勝ったオメガパフュームとの再戦になる。初対決は20年東京大賞典。その後、帝王賞、JBCクラシックと3回。テーオーケインズの1勝2敗。帝王賞連覇でオメガパフュームとの対戦戦績をイーブンにしたい。
帝王賞に向けてという意味では平安Sは重賞ウイナーが複数おり、それなりにメンバーがそろった一戦。舞台は中京ダート1900m。このコースでシリウスSを勝ったサンライズホープがハナをうかがうなか、テーオーケインズは久々でも発馬を決め、内でサンライズホープやダノンファラオをやり過ごす余裕があった。
1コーナーに入る段階でインの3番手。このポジションをとった時点で勝負あり。休み明けでもデキ万全ならば、もはや負ける要素がない。これぞダートのチャンピオンホース。超一流はいつも「負ける要素を消す」競馬ができる。スタートから1コーナーまでの運びは見事だった。
背後にテーオーケインズを背負う形になったサンライズホープは、長距離に強い2番手ダノンファラオがじっくり運び、競りかけてこないとあって飛ばさない。発馬から7.2-10.9-11.3-13.4-12.9。2コーナーから向正面で13秒台に緩めるほど、サンライズホープはじっくり進める。
中団より後ろに構えた組は流れが厳しくなりつつあるものの、やはりテーオーケインズが先行集団にいる以上、無理に動けない。中盤までのゆったりしたペースはテーオーケインズがレースを支配していた証。もしもこの馬が出走していなければ、中団以降の馬たちは動いたはずだ。動くに動けない。チャンピオンはライバルたちを金縛りにかける。
残り800mから3番手ケイアイパープルが意を決し進出開始。ラスト800mは12.5-12.3-11.6-12.3。昨年のチャンピオンズCは同区間12.3-12.2-11.8-12.0だからテーオーケインズにとって余裕だった。ライバルとはまるで違う手応えで先頭に並び、快勝。抜け出して内にモタレはしたものの、これも余裕があったからこそ。盤石の競馬だった。















