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【新潟大賞典】57.5キロ以上での勝利はダンツフレーム以来! 人気の盲点レッドガランの勝因

2022 5/9 11:19勝木淳
2022年新潟大賞典回顧,ⒸSPAIA

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混戦のハンデ戦らしく7番人気だったレッドガラン

1番人気が06年オースミグラスワン以来15連敗中。GⅠシーズン真っ只中にあるローカルハンデ重賞とあって、毎年ひと筋縄ではいかない。今年はトップハンデ57.5キロを背負ったレッドガランが勝利。トップハンデ馬の勝利は15年ダコール以来7年ぶり。同馬は57キロ。57.5キロ以上で勝利したのは03年59キロダンツフレームが最後。もう19年前のことだ。

ダンツフレームは1番人気だったが、レッドガランは7番人気。1月には中山金杯を勝った実績馬、人気の盲点だった。恐らく嫌われたのは小回り中山好走後、阪神で2戦好走がなく、特に前走外回りの大阪城Sで決め手を欠いて4着。ここで1番人気のアイコンテーラーに先着を許したことが引っかかったにちがいない。さらに速い上がりが求められる新潟芝2000mではイメージしづらい。

中盤でペースがあがる特殊な流れ

ところがスローの瞬発力勝負が定番の新潟芝2000mで思わぬ持久力勝負に。事前の見立てとは異なる流れになった。だから競馬は難しい。

組み合わせとしてはアルサトワが単騎で行ってスロー濃厚。事実、最内枠のマウントゴールドが出ムチを入れて主張するも、アルサトワが素早く先手をとり、隊列は早めに決まった。前半1000m12.1-10.7-11.9-12.1-11.7、58.5。新潟芝は春特有の生えそろっていない状態であっても時計は出る。ハイペースまではいかないものの、そのラップを振り返ると、隊列が決まったあとも落ちず、先行勢が息を入れる場面がなかった。

それどころか3コーナー手前で11.7とペースアップ。アルサトワ、ラインベック、モズナガレボシは折り合って進むというより、懸命になだめながらの追走。各馬の気持ちが前がかりになっていた。

前半で消耗したのか、馬なりでくるはずの直線入り口残り600m付近で先行勢は早くも鞍上の手が動く。前が最後まで引っ張り切れない流れは次第にスタミナ寄りに。ラスト600mは11.3-11.3-12.5。先行勢がこのラップで脱落、レッドガラン、カイザーバローズ、ヤシャマルが外から追いあげる。最後は12.5と時計を要し、粘り強く走れる体力が問われ、レッドガランがカイザーバローズ、ヤシャマルを振り切った。

レッドガランは本質小回り向きではなく、ワンターンかつ2000mの新潟に適性がある。適性外の舞台や流れでは決め手を欠く競馬になるので、今後も上手に出し入れしたい。安田隆行厩舎はNHKマイルCダノンスコーピオンも勝利し、勢いに乗っていた。

サンレイポケットが勝った昨年の57.1-62.2、ラスト200m13.3ほどではないが、今年も高速決着の持久力戦。軽さが問われない競馬になった。レッドガランとともに伸びた2着カイザーバローズは上がり最速を記録できるタイプながら、持久力戦にも対応。昇級初戦かつ休み明けだったことを考えれば、上々。夏の中距離重賞も流れ次第だろう。

3着ヤシャマルは昨年新潟記念4着、日経新春杯3着と左回りでロングスパートを必要とする競馬が得意。左回りの中距離でも、好凡走がはっきりするタイプで、来れば妙味たっぷり。ここも後半1000m59.2と極端に速くなかったことが味方した。夏開催最終日の新潟記念など狙える範囲に限りがあるからこそ、展開と馬場を先読みして、ピンポイントで狙いたい。

1~3着は中団組だったこと、早めにペースがあがり、最後に時計を要する流れだったからこそ、4着モズナガレボシは評価したい。昨夏小倉記念Vの内容から高速馬場の持久力勝負に強い。ラインベック14着、アルサトワ15着という結果を踏まえれば、価値がある。近走は先行できるようになっており、早くもサマーシリーズで楽しみになった。


2022年新潟大賞典回顧バナー,ⒸSPAIA



ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュース個人オーサーを務める。共著『競馬 伝説の名勝負』シリーズ全4作(星海社新書)。

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